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「天気は快晴、波もほとんど無い。スタート展示では、わずかなフライング」
データを見ている自分の顔を覗き込むように、村上さんは話を続ける。
「本番レースまで、調整はできませんでしたか…」
ノートパソコンを開き、レース動画を見ながら話を続ける。
「ターンも完璧ですね…」
ここはあえて一言だけを返す。
「何が聞きたいんですか?」
村上さんも一言だけ返してくる。
「違和感は無いですか?」
ここでいう違和感とは「不正」についてだろう。
「変なことはしてないですよ」
すぐに答える。
「疑っているわけでは、ないんだけれど…」
そう言いながら、データのページを進めると、売り上げの一覧になっている。
「このレースだけ、少し売り上げが多いんだよね…返還になるんだけれど…」
村上さんは数字しか見ていないのだろう。
「たしかに、売り上げは多いですね。でもあのときの自分のモーターの力強さと、青井の人気を考えれば、大きく勝負するレースとしてファンから選ばれそうな気はしますよ」
「たしかにね…」
ページをさらにめくる。
「これはどう思う?」
そこにはあの日のスポーツ紙の記事が。




