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スタート 0.3  作者: プーリ
偽証
30/53

30

「天気は快晴、波もほとんど無い。スタート展示では、わずかなフライング」

 データを見ている自分の顔を覗き込むように、村上さんは話を続ける。

「本番レースまで、調整はできませんでしたか…」

 ノートパソコンを開き、レース動画を見ながら話を続ける。

「ターンも完璧ですね…」

 ここはあえて一言だけを返す。

「何が聞きたいんですか?」

 村上さんも一言だけ返してくる。

「違和感は無いですか?」

 ここでいう違和感とは「不正」についてだろう。

「変なことはしてないですよ」

 すぐに答える。

「疑っているわけでは、ないんだけれど…」

 そう言いながら、データのページを進めると、売り上げの一覧になっている。

「このレースだけ、少し売り上げが多いんだよね…返還になるんだけれど…」

 村上さんは数字しか見ていないのだろう。

「たしかに、売り上げは多いですね。でもあのときの自分のモーターの力強さと、青井の人気を考えれば、大きく勝負するレースとしてファンから選ばれそうな気はしますよ」

「たしかにね…」

 ページをさらにめくる。

「これはどう思う?」

 そこにはあの日のスポーツ紙の記事が。

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