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スタート 0.3  作者: プーリ
偽証
27/53

27

「いっぱいオファーいいっすね〜。俺、一ヶ月マジで何もすることなかったことありましたよ」

「お前は練習しろよ」 

 福田に思わずツッコミを入れる。

「ははは、ではまた」

 岡本さんは自分の場所へと戻って行った。

「福田、あと9周くらい行こうか」

「はい」

 練習は有意義なものになった。

 練習が終わるといつもの記者さんが近付いてきた。

「葉山さん」

「はい」

「また僕ひとりぼっちになっちゃいましたよ」

「え?新人記者くんは?」

「競輪の方で専属異動してしまいまして…」

「マジですか、ありがとうって伝えておいて下さい」

「わかりました」

「短い間でしたけどね…」

「アイツはインタビューはイマイチなんですけど、写真は最高なんですよ。

 学生時代にも何度も賞を取っていて、特にスピードのある被写体を撮らせると天才で」

「へぇ〜、それはすごい」

「せっかくの逸材がね…競輪に…」

 どんな世界でも自分の才能が認められるというのは嬉しいものだ。

 特にスキルや実力を認められて、必要とされて異動ともなれば鼻は高いものだろう。

「本題なんですけど、調子はいかがですか?」

 笑顔で答える

「体調も大丈夫だし、早く復帰戦の日程が出るのが楽しみです」

「楽しみにしています」

「ありがとうございます」

 記者さんとのやりとりも終え、家に向かい車を走らせる。

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