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スタート 0.3  作者: プーリ
疑惑
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12

 実況アナウンサーも、スタートライン通過後「これは少し早いスタートかもしれません……皆様、舟券は大切にお持ちください」と、すかさずアナウンスしている。

 ということは、誰の目にも明らかなレベルだったのか…

 ターンマークを回った後、失格が確定し、「1号艇の葉山がフライング失格、1号艇の葉山がフライング失格」と早口のようにアナウンスが流れている。

 反省文はすぐに書き終わった。

 こんなところで、時間を使っている場合ではない。

 やるせなさ、もどかしさ、違和感、書いた反省文をすぐに遠藤競技委員長に渡した。

「確かに受け取った。奉仕活動で、ボランティアでもしてもらおうか」

 ボランティアとは近隣の清掃活動だ。

「わかりました」

「何か他、言うことはあるか?」

「ありません。申し訳無さでいっぱいです。失礼しました」

 言いたいことは本当は、たくさんある。

 絶対に中川さんのほうが先にいた。自分だけ失格はありえない。

 もしかすると、日よけのヘルメットシールドが歪んでいるなんてことはないよな。なんて思うようになった。

 それなら、ヘルメットから見える世界が間違っている。納得はいく。

「福田、片付けありがとな」

「大丈夫っすよ。フライングっすね…」

「あぁ、ちょっと確認してくれ」

 そう言いながら福田にヘルメットを渡す。

「何するんすか?」

「シールド、歪んでない?」

 福田がヘルメットを被り、指を動かしたり、物を取ったり、定規とにらめっこしてくれる。

「大丈夫そうっすね…」

「ありがと」

 ヘルメットは何も異常はなしと…

 少し不安がよぎる。

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