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ピピッピピッ ピピッピッガチャ
朝6時、目覚まし時計の音で起きてランニングに行く。これが僕の習慣だ。
と言ってもここらへんの土地勘が無いから迷子にならないよう気をつけなきゃな。
ジャージに着替えて一階に降りた。まだ誰も起きていないみたいだ。まぁそりゃそうか。まだ6時だもんな。
外に出て軽く準備運動をする。空は雲一つない晴天で気温もちょうど良い。でも長袖はちょっと暑い。
なんて思ってたらドアが開いて人が出てきた。宮代さんだった。
「ふぁあ……」
眠気眼で出てきた。この人も走るのかな。帽子を被ってるし。いちいち帽子被らなきゃいけないなんて芸能人って大変だな。
なんて思いながら走り出した。そして、宮代さんが隣にきた。なぜだ。
「お前迷子になりそうだから着いてってやる」
…迷子にならないし。あ、でも…
「…ありがとうございます」
お礼は大事だもんな。この人は善意でやってるだけだろうし。
この人がいるから迷子になる心配ないからもう少しペース上げたいな…あ、でもこの人が着いて来れなかったら意味ないし…仕方ない。今のままにするか。
「お前このペースで大丈夫なのか?」
「大丈夫です」
「そうかよ」
ゆうていつもより少し遅いだけだからそんな大変という訳でもない。景色とかでも見ながら走るならちょうどいい。昨日は憂鬱な気分で全く見れてなかったし。
改めて見ると東京らしくないな。まぁそれもそうか。23区ではあるけど聞いた事ない区だし。
「あそこの角で曲がるぞ」
あそこってどこだよ…まぁあそこなんだろうけど。
曲がった道は桜が咲いていた。宮代さんはイケメンだから桜と映えるな…
「あ?なんだよ」
「いえ、桜が似合うなと思っただけです」
「は?それ褒めてんのか?」
「褒めてますよ。宮代さんはイケメンですから」
「……褒めてんならもう少し褒めてる表情してくんね?つうか日本人ならだれでも桜は似合うだろ」
目の前に似合わない人いるんだが…ていうか、桜が似合うのはイケメンまたは可愛い人だけなんだよ。僕みたいな顔の人は似合わないんだよ。
「少なくとも僕は似合いませんよ」
「なんで俺が似合ってお前が似合わねぇんだよ。お前も十分似合うだろ」
「…眼科に行くことをおすすめします」
僕が似合うわけない。ていうか、桜は嫌いだ。いや、桜が咲く時期が嫌いだ。桜が咲く時期に思い出なんて一つもない。強いていうなら大会で優勝した事くらいだ。
「あいにく目は良いから行かねぇ」
僕に桜が似合うと言っている時点で悪いと思う。視力は良いのかもしれないが僕を認識する目は悪いみたいだ。
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帰ってきてご飯を食べて学校に行く準備をする。
白坂学園は芸能科、特進化、スポーツ科の3つに分かれていて、僕はスポーツ科に入る。
高校から入学する人はごく僅かで、小中高一貫なため小学生の時からいる者がほとんどだ。一様中学、高校から入学する事は可能だが飛び抜けた才能が無いと入ることができない。合格する人がいない年もあるみたいだ。
僕以外に何人入るのかは分からないがスポーツ科に二人くらいはいてほしいなと思っている。
小学校、中学校には友達がいなかったため、高校では作りたいが無理だろう。まず同じスポーツをやっている人を見つけないと話が合わない。でも僕の知り合いに白坂学園に通っているやつはいない。まず東京の知り合いが少ない。大体愛知出身だから。
だから同じスポーツをやっている人がいるとは思えない……
まぁまだ決定したわけじゃないし希望を捨てるわけにはいかない。
あ、そろそろ制服に着替えていかなきゃ。
白坂学園は芸能科なら緑、特進科なら赤、スポーツ科なら青のバッジを着ける。また、制服にはその科ごとの色のラインが引かれている。
つまり、どこの科に所属しているのかは一目瞭然という事だ。まぁそれを知ったからどうしろと、という話なんだけど…
玄関に向かったら花澤さんと国島さんがいた。二人ともやはり芸能科だ。まぁ芸能人で特進科とかスポーツ科に属してたら意味がわからないから当たり前か。
「あ、神凪くん。ちょっと待っててね。もうちょっとで景と晴信くるから!」
え、ぼく待たなきゃいけないの?一人で行く気だったんどけど…
「ごめんごめんお待たせ〜」
「筆箱見つかった?」
「見つかったよ。棚に置いてあった」
「わり。遅くなった」
「別に間に合うから大丈夫だよ。じゃあ行こう!」
芸能人の中に紛れる一般人…なんか目立つ。いや、側から見れば同じ制服だからそんなに目立たないのか?目立ってないなら良いや。
「あれ?神凪ってスポーツ科なの?」
「「「え?/ は?」」」
そんな驚く?いや、驚くか。前髪長くてマスクだもんね。
「でもそりゃそつか。あんなにジャンプ力あったらスポーツやってるよね」
「確かに青のライン入ってる」
「なんのスポーツやってるの?」
「…フィギュアスケート」
また男なのにとか言われるのかな…
「え、そうなの?あの氷の上で踊るやつ?」
「そうです」
あ、反応良さそう…男なのにとか言われなくて良かった。
「スケートってあれよく転ばねぇよな」
昔はたくさん転んでたし今も転んでるけどね。
「それにすごい回転するのに目回らないのかな?」
「慣れたら回りません。あと、普通に転びますよ。ジャンプ失敗してとか」
「あ、そうなんだ」
「でも、俺らが滑るより凄いよ!」
そりゃまぁ一般の人に負けてたらちょっと選手としてどうかと思う。
「滑るところ見てみたいな〜」
「……いつか見れたら良いですね」
「見せてくれないの?」
「見る暇なんてあるんですか?」
「う〜ん…作る事はできるかな」
「わざわざ作らなくて結構です。その作れる時間は仕事に使ってください」
なんで仕事の時間を削ってまでスケートを見にくるのか…もっと別のことに有効活用できるでしょ。
ていうか学校見えてきた。敷地でかくない?嘘でしょ。チラッと見えたけど体育館でかくないか?あんなに大きい必要あるのかな…
「そっか神凪くんは初登校か」
「学園の中設備が凄いよ。確かリンクもある」
え、学園の敷地内にリンク?絶対無いって思ってたのに…いや嬉しいけどなんであるの。
「今使ってる人みとしかいないんじゃない?」
え、なんで使ってるの?芸能人なのに。いや、使っちゃダメってわけじゃないんだけど。
「まだまだ先だけどフィギュアのドラマの撮影があるから。今練習中」
「まだ柵掴まないと滑れないレベルだけどな」
「言うな」
そうなんだ。ドラマって事は俳優なのかな?大変だな。
「コーチとかいないんですか?」
「いるんだけどそのコーチ景のファンらしくて話にならないんだよね〜」
一ノ宮さん会ったことあるんだ…ていうか、仕事に私情持ってきちゃダメでしょ。その人コーチ失格だな。
「あ、俺らこっちだから。じゃーね〜」
学年が違うから下駄箱の列も違う。僕と花澤さんは同じ学年みたいだから一緒の列だけど…
「頭ぶつけますよ」
なぜか空いたままの下駄箱の扉の角に頭ぶつけそうになっていたからガードした。
「ありがとう」
「いえ」
なんで空いてるんだ。ちゃんと閉めろよ。
誰のか分からないが下駄箱を閉めた。多分この人男だろ。
「じゃあ僕こっちだから」
花澤さんと別れた。僕は教室に行けるかな…マップだと3階の東側みたいだ。じゃあ早速東に向かって歩くか…




