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荷解きが終わった。時間はまだ4時手前…
衣装の残骸を縫い付けるか買い物に行くか。どっちにするか…
いや、裁縫やりたくないし買い物に行くか。
うん。そうしよう。
エコバッグと財布と……こんなんでいいか?
あ、ジャージのままだから着替えなきゃ。
パーカーで良いよね。別に。行くのスーパーだし。
「財布持った。エコバッグ持った」
忘れ物なし。じゃあ行くか。
あ、待って。冷蔵庫に何あるか確認しなきゃ。
そう思って一階に降りて冷蔵庫を開けたら牛乳しか入っていなかった。嘘でしょ。
「あれ?どこ行くの?」
「スーパーにでも行こうかと…」
「あ、なら俺も行っていい?」
え、なんで。まぁでも、別に良いか?変なもの買うわけじゃないし。
「構いませんが…」
「よし、謙斗〜俺神凪とスーパー行ってくる〜」
あ、行く場所報告しなきゃなのか。
「は〜い!いってらっしゃ〜い!あ、クレジットカード持った〜?」
「持ったよ〜じゃあ行こうか」
「芸能人がスーパーに行って大丈夫なんですか?」
「帽子被るから大丈夫だよ」
今日風あるけど大丈夫なのかな。飛ばされない?
「風強いね」
これじゃ髪崩れるって言ってるけど別に普段なら髪くらいなんでも良いじゃん。
と思ってしまうが芸能人は違うのかな。
「あ、」
帽子が風にのって飛ばされる。
「あちゃ〜落ちてくれないかな〜」
あそこならギリギリ届くかな?と思って助走をつけて飛んだ。
帽子をなんとか掴み着地した。
うわ、ギリギリ。高跳びタイプで良かったな。
「凄いね!無茶高く飛んだじゃん!」
え、えぇ?
「あ、ありがとうございます?」
あ、てか帽子被らなきゃ身バレするぞ。
「いや〜ありがとう!助かったよ」
「いえ。お気になさらず」
なんでスーパー行くだけでこんなに疲れるんだろう…
はぁ…さっさと買って帰ろう。
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スーパー着いたけど…これ、狭くないか?
まぁ買いたいものさえあれば大丈夫か。
まずは野菜コーナーから行くか。
「どこ行くの?お惣菜コーナーはあっちだよ?」
「野菜コーナーの方が近いので野菜コーナーから行きます」
行って戻ってくる時間が無駄でしょ。
「サラダでも作るの?」
「それも作ろうかと」
サラダだけじゃ足りないし野菜炒めでも…
あ、ごぼうが安いじゃん。ならきんぴらでも作ろうかな。二本入ってるから一本はきんぴら、もう一本は味噌汁にでも入れようかな。
ピーマンとにんじんもも安売りしてる。なら、野菜炒めときんぴらでいいか。きんぴらは多分2日くらいもつから…まぁ明日は明日で考えるか。
あと、トマトとレタスと千切りキャベツを買って…野菜はいいかな?あ、茄子も買うか。
で、お肉は確か鶏むねが安くなってるはず。
あ、うん。じゃあ3枚入りのを買ってあとは…
「豚肉安いじゃん」
そう言ってかごに豚肉を入れてくる。確かに豚肉も安いな…しかも割と大容量。冷凍すれば結構な日数もつな。よし、採用。
あとは調味料を買うか。塩と砂糖と醤油はあったから白だしとか昆布つゆとか一式買って…あと、ドレッシングも買わなきゃ。
「ドレッシングなら俺のおすすめあるよ」
なんで何も言ってないのに分かったんだこの人。
「どれですか?」
「これ」
瀬戸内レモン?レモンか…確かにさっぱりして良さそう。じゃあこれにするか。
あとは魚見るか。
あ、サワラがある。今が旬だし塩焼きにでもして食べるか。
「サワラ?食べたこと無いな」
へぇ…美味しいのに。
「これ3つ入ってるから5人で分けるってなると少ないか?」
「え、5人?」
「え、うん。俺とみとと謙斗と景と神凪で5人」
僕5人分作るの…?1人分しか作らないつもりだったんだけど。
「あ、そうですね」
言えない。1人分しか作る気なかったとは…
「自分のしか作る気なかったでしょ」
「……そうですけど5人分ちゃんと作りますよ」
「よろしくね。いや〜楽しみだな〜」
はぁ……だからこの人何も買わないのに着いて来たのか?僕に5人分作らせるために…
はぁ…もう買うものないしお会計するか。
「全部で5469円になります」
「カードで」
カードをかざそうとした先に一ノ宮さんが支払ってしまった。
「え、ちょ「一括でよろしいですか?」
「一括で〜」
何やってんのこの人。なんで勝手に払ってんの。
「袋あるの?」
バックからエコバッグを取り出して商品を入れていくが…
「なんで先に払ったんですか」
「このカードには5人分の食費が入ってるんだよ」
あぁなるほど。そしたら食費問題がなくなるな。
「なるほど。理解しました」
さて、詰め終わったし行くか。
「持つよ。重いでしょ」
「別にこれくらいなんて事ありません」
「いやいや荷物持ちのために来たんだから持つよ」
そう言って袋を奪われてしまった。
取り返そうとしても断られる。このまま奮闘してても疲れるだけだから諦めよう。
「…ありがとうございます」
変なの。他の人はいつも荷物押し付けてくるのに。この人は自分から持とうとするなんて。そんな事したってなにも帰ってこないのに。そんな事しても無駄だって分からないの可哀想だな。
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家に帰って来て早速料理をして、今大体作り終わったところだ。きんぴらごぼうに魚とサラダ。あとは味噌汁でも作るか?いや作りすぎか。もうやめよ。
はぁ…疲れた。ていうかあの人達は部屋にでもいるのか?ご飯はいつ食べるのか。
まぁいつ食べるかは勝手か。
今は6時。僕としてはそろそろ食べたい。お昼食べてないからお腹がへった。
しかも、今日動きまくったし。朝に地元を出て昼頃着いて。そこから荷解きして買い物して5人分の料理をして。てか、初日から動きすぎだろ。
「…ご飯できたの?」
話しかけてきたのは花澤さんだった。
「はい」
「じゃあみんな呼んでくる」
花澤さんが呼びに行ったなら料理運ぶか。
「良い匂い!この家から家庭の匂いがするなんて」
「え、美味しそう。これ本当に作ったの?」
「作りましたよ」
お米の量はみんなこれで足りるだろうか。もしかすると多いかもしれない。
「食べて良い?」
「良いですよ」
各々いただきますを言って食べ始める。
僕は何気に複数人と食べるのは久しぶりだな。人数が多いとこんなに食卓は賑やかになるんだな。
「うまっ」
「魚も塩がきいてておいしい」
「味噌汁もうまい」
料理を褒められたのも初めてだな…いつも親が食べた時は文句しか言ってこなかったし。
「凄いな〜よくこんなに上手に料理できるね」
「なんか健康になりそう」
そりゃ栄養バランスは考えてるし、手作りだから添加物も少ないはず。
「ありがとね。これで脱コンビニ生活だよ」
今までコンビニだったの?だからお惣菜コーナーに案内しようとしてたのか。
「作るの大変だったでしょ?手伝えれば良かったんだけど料理だけは俺らからっきしでね〜」
それでよく一人暮らししようとしたな。いや、芸能人だからせざするをえなかったのかも。
「そんなに大変ではないです」
正直1人分作るより5人分作る方が大変だ。量が増えると時間はかかるし労力は増える。でも、料理は嫌いじゃないし、こうやって美味しいと食べてくれると作りがいがある。
「あ、そうだ連絡先交換しよ」
確かに、共同生活していく上で連絡先は知っといた方がいいか。
「どうぞ」
連絡先を交換したらグループに入れられた。
「俺らのグループだから遅くなる日とかは報告してね。まぁ気軽に使って」
気軽にって…多分使う事ないだろうな。報告することなんてないし。
「分かりました」
そこから4人でたわいもない会話をしていた。時に相槌を打ち質問されたら答えた。
こんなに話したのは久しぶりだ。まさか出会って初日でこんなに会話をすることになるとは思わなかったな。
みんな食べ終わって洗い物をしてもらって…
今日だけで一年分のありがとうを言って貰えた気がする。お礼って大事なんだなと改めて痛感した。僕もお礼はちゃんと言わなきゃなと再認識した。




