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~・~ 9 (2) ~・~


さて、そろそろ料理始めるか。


「何作るの?」


「ミネストローネ」


「え、作れるの?」


「適当に作るなら簡単だよ」


分量も計らないで具材も適当で良いなら割と簡単に作れる。具材いれて炒めてトマト缶やって煮詰めれば完成。なんて簡単なんだ。


「朔って食べた事ないもの多いくせに作れるもの多いよね」


「まぁね。食べるより作る専門だから」


「ハンバーグは食べた事あるの?」


「作った事あるとは思うんだけど食べた事あるかどうかは曖昧」


親に作って僕は食べたんだっけ?塩分高いとかなんとか言われて食べれなかったんだっけ?でも、ミニハンバーグ作ってこっそり食べたような気もしなくもない。とにかく記憶が曖昧だ。


「えぇ?作ったらなら食べてるでしょ」


「いや、僕が作って僕は食べれないって言うケース何百回もあったから一概に食べたとは言えないんだよね」


「何百回?」


「うん。例えばオムライス作った事あるけど食べれてないし、パスタいくつかそうだし…あ、あとグラタン、ドリアとかラザニアもそうだね。作ったけど食べれてない」


「えぇ…?なんで食べれなかったの?」


「塩分とカロリーが高いからだって」


「朔のカロリー高いものを避ける行動はそこから来てたのか…」


まぁカロリー高いものを避けて損はないと思いたいし、罪悪感とかバレないか焦りながら食べるのもなんか違うし。食べても胃に入ったって感じで味わう余裕はないから食べても損した気分になる。


「じゃあミネストローネも食べた事ないの?」


「いや、味見を兼ねて食べたよ」


味見だから。味見をしているという理由で普通に食べた。塩分というものが美味しすぎて泣きそうになった覚えがある。


「じゃあ食べてもバレないやつは大抵食べたの?」


「スープ系は食べたね」


そりゃ食べてもバレないし味見をしいてるっていう言い訳まであるんだから食べるでしょ。てか、スープでそんなにカロリー取れないって。なんならビタミンと塩分取れるから飲みすぎなければ健康にいいのではとも思っている。


「朔もつまみ食いやるんだ…」


「つまみ食いも何も作ってるの僕だからね。当然の権利でしょ」


作ったの僕なんだから食べる権利は僕にもあるはずでしょ。


「まぁこれからはいっぱい食べようね」


「作るの面倒だから嫌だ」


グラタンとかラザニアとか5人分作るってなると面倒なんだよ。量も量だしクリームソース作るの面倒。かき混ぜるの大変だよ。


「それもそうか」


よし。材料切り終わったからさっさと炒めよう。まず肉から。


「野菜がもう細切れになってる…」


「朔って切るの速いよね」


「慣れたらこんなもんだよ」


これでもかれこれ6年くらい料理してるんだから。切るのも速くなったり料理の勘とかが働いてきたりするんだから。


「僕らはこんなふうに出来ないよ…」


「最初は僕もこんなに速くなかったよ」


本当に具材切るだけで1時間とかかかってたりしてたからね。玉ねぎの芯を取るのにも苦戦したし何度指を切ったことか。


「朔も指切ったりしたの?」


「何回もあるよ。指は切るし具材は落とすし焦がすし。分量間違えて味が濃くしすぎた事もあるよ」


その度に無茶苦茶怒られてたな。食えたもんじゃないって。不機嫌な時に失敗した料理、簡素なのを出したらもう大変な事になったりね。


「朔にもそんな失敗あるんだ…」


「たくさんあるよ」


その度に反省して次は同じ失敗をしないよう気をつけてやってたね。まぁ次は別の失敗するんだけど。


「最初に料理したのっていつ?」


「小学3年生か4年生かな」


「はっや!そんな速くからやってたの!?」


「うん」


小3とか小4の時はもう料理をさせられて、当時は料理するのが嫌いだったんだよね。本当に苦痛だった。キッチンは身長に合わないし包丁は手の大きさに合わないし。


「じゃあそりゃあ料理も上手くなるよね」


「朔の料理は努力の結晶だったのか。そりゃあ美味しくなるわけだね」


「美味しいなら良かったよ」


でも、こっちの食材も美味しいけどやっぱり地元の方が美味しかったな〜と思ってしまう。鮮度が北海道の方が良かったのかな…


「北海道の郷土料理とかあるの?」


「う〜ん…ジンギスカンとか札幌ラーメン、イカ飯とか…あ、やきとりかな」


「焼き鳥?」


「うん。室蘭やきとりってのがあって鳥じゃなくて豚が刺さってるんだよ。あと、美唄やきとりかな。こっちはね簡単に言うとモツ串っていうやつ」


やきとり美味しいんだよね。昔食べた時すごい美味しかったのを覚えてる。今度みんなにも食べてもらおうかな。


「へぇ〜モツってどこの部分?」


「内臓肉全般のことだから特定の部位ではないね」


「え、内臓…?」


「ハツとかレバーとか。食べない?」


「ハツとレバーって内臓なの!?」


なんで知らないの。どこの部位か知らないならまだ分かるけど内臓かどうかすら知らないって事ある?


「流石にハツは内臓でしょ…」


晴信は知ってた。だよね。流石に内臓かどうかは分かるよね。


「今初めて知った…」


「謙斗は焼肉行かない感じ?」


「いや、全然行くね」


行くのに知らないんだ。なんで焼肉行っるのに知らずにいれたのか。不思議だな。


「北海道行って売ってたら食べるか」


ピコン


通知が鳴った。誰からだろう。


「みとからだ。ケーキ受け取ったって……プレートがない?」


プレートがない?なんのプレート?受け皿的な?受け皿がないの?なわけないでしょ。


「店の不手際だって。どうする?」


ケーキが直で箱に入ってるの?さすがに違うよね?ラップとか敷かれてるよね。


「朔なら作れるんじゃない?」


受け皿を?僕に加工技術があると思ってるの?この2人は。


「帰り際にプレートとチョコペン買ってきてもらうか」


チョコペンで受け皿作ろうとしてる?まさか受け皿まで食べる気?嘘でしょ。ていうかチョコペンじゃあチョコ足りないでしょ。


「朔って字綺麗?」


「え、、まぁ…読める程度には?」


なんでここで字の話が出てくるの?本当に意味がわからない。


「朔混ぜなくて良いの?」


「え、あぁ…混ぜる混ぜる」


そろそろ弱火で煮込むか。次はハンバーグ作ろう。


「次はハンバーグ?」


「うん」


「あ、出た。横にシャシャシャシャするやつ」


シャシャシャシャ?あ、横に包丁入れて微塵切りするやつのこと?


「シェフがやってるやつだよね」


「かっこいいよね〜憧れるわ〜」


「その気持ち分かるよ」


「やっぱ朔も憧れた!?」


「うん。だから練習してできるようになった」


覚えたら覚えたで楽だしね。手間も減ったし、憧れの動きもできて一石二鳥。


ガチャ


あ、みとが帰ってきたのかな?歩いてる音が聞こえるし帰ってきたのか。


「ただいま」


「おかえり〜プレート付いてなかったんだって?」


「え、そう。だからプレートだけ貰ってきた。チョコペンは帰りに買ってきたよ」


見せてきたのは受け皿じゃなくてクッキーだった。あ、待って。プレートってケーキの上にあるやつのこと?あの文字が書かれてる…


なるほど。全てが納得したわ。納得した上でできる気がしない。やった事がないものは出来ない。


「朔書ける?」


「えぇ…?やった事がない」


不恰好で良いなら出来ると思う…ような思わないような。チョコペンでいけるかなぁ……


「あ、そうだ。景に宝探しさせる事にしたからみとも隠して」


「そうなの?なら隠してみたかった場所があるんだよね」


そう言って僕が着てるパーカーのフードの中に入れてきた。


え、ここに入れるの?フードが重くなったし邪魔なんだけど。


「灯台下暗し作戦」


「良いじゃん。景より朔の方が大きいから見えないだろうし」


ほんの少しだけね?ほとんど同じだから。


「まぁ今からずっとは邪魔だろうから直前に入れよ」


まぁ直前なら良いか。料理してないし。


「頑張って隠し通してね」


「…善処するよ」


「じゃあ事務所戻る」


「いってらっしゃ〜い」


さて、さっさとハンバーグ完成させるか。景が帰ってくる時間に合わせて完成させなきゃだからネタ作ったらひと休憩を挟もう。


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