↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
20/29

~・~ 8 (1) ~・~


……遂に来てしまった。体育祭当日。


そして、僕は大変嫌な予感をしてる。クラスごとにテントが分かれており、開会式まで残り5分ほど。


クラスの人数が3人足らない。遅刻ならまだ良い。でも、休みだったら?3人のうち1人はリレーに出る。つまり、補欠である僕が代わりに出なきゃいけない。


「やっほ〜久しぶりだね!」


そうだった。櫻木さんと隣だったんだ。


「お久しぶりです」


「体育祭頑張って優勝しようね!」


「はい。お互い頑張りましょう」


「俺さ田中が休みだから玉入れでなきゃいけねぇんだよ〜」


「僕もリレーの補欠なので出るかもしれないです」


「あ、そうじゃん!鈴木も休みだわ」


今ので僕のリレー出場が決定した。あぁ…障害物競走だけやってあとはテントで過ごそうって思ってたのになぁ…


「まぁお互い頑張ろうぜ!リレーも100m走れば良いだけだし!」


その100mが嫌なんだよ。100mって長いんだよ。サッカーやってるみたいだから100mなんて余裕だろうけど普段氷の上にいる僕からしたら慣れないんだよ…


僕だけ氷の上で参加出来ないかな…


「はい。櫻木さんも玉入れ頑張ってください」


「さんきゅー!朔も頑張れよ!」


サッカー=陽気な人。この法則が成り立っている事を今実感した。


_____________________________________________


開会式が終わり、最初の種目は借り人競走だ。僕は借りられたくない為、テントで待機している。


多分ピンポイントなお題が出ない限り僕を借りる事はないだろう。


「朔!行ってこい!」


「え、?」


「いいから早く!」


嘘でしょ。こんな早く借りられるの?てか、お題なに?誰にでも当てはまるようなものだったら行かないよ?


僕を借りようとしてた人は赤団の小さい女の子だった。赤団なら行かなきゃじゃん…とりあえず走るか。


『おぉっと!赤団が速い!スポーツ科から借りてきたようだがお題は一体なんなのか!?」


「お題なんですか?」


「体が柔らかい人です!」


なら誰でも良いじゃん。僕が行かなきゃいけない意味とは。


「これ証明しなきゃいけないんですけど走りながら出来ますか!?」


この子無茶振り言ってる自覚あるのかな。走りながら証明?ハンドスプリングでもやれば良いの?でも手を繋いでるから片手でやるしかない。僕に出来るのかな。


タイミングを見計らってやったら審判から許可が出た。多分判定緩いんだろうな。


『なんと赤団、ハンドスプリングを披露!一位赤団のお題は体が柔らかい人!確かにあの動きは柔らかくないと出来ませんね〜!』


「ありがとうございます!お陰で一位取れました!」


「お気になさらず。仲間ですから」


それっぽい事言って別れた。多分これでもうノルマ達成。あとは自分の競技まで待てば良い。


「あ、朔!また行ってこい」


……え?今行ってきたばかりなんだけど。


借りようとしてたのは晴信だった。


「ねぇ朔!地上で3回転できる?」


…今この人なんて言った?地上で3回転?なんでこんなに無茶振りされないといけないのか。


「なら今すぐ先生にお題見せてきて。一回しかやらないから」


そう言ったら晴信が急いで見せに行った。


「え、朔3回転出来るの?」


「分からない」


謙斗の合図とともに駆け出し、地面を蹴った。前向きで飛ぶ為どうしても3回転半になってしまうが別に良いだろう。問題は3回転半綺麗に回れるかどうか。


『今何が起こった!?例のアクロバット少年は一体何回転しているのか!綺麗に着地したがこれは…許可が出た!赤団3位となったがインパクトがでかい!注目を集める天才か!?』


実況喧しい。うるさい。


「凄いじゃん!結構無理言ったと思ったけど綺麗に着地した!」


「そんな事ないよ」


綺麗に着地とか言ってたけど全くそんな事ない。加点は確実に貰えないしコンビネーションジャンプとかは出来ない。


それに無理言ってる自覚あったんだ。


「でも凄いことには変わらないよ」


「まぁありがとう。ほら移動しないとだよ」


晴信と別れてテントに向かった。


今日の晴信テンション高くないか?体育祭だから気分が上がってるのかな。


「朔すごくね!?陸でもあんな回れるの!?」


「ギリギリだったけどね」


「いやどこが!余裕あんなにあったじゃん!」


「ないよ。試合だったら審議に入るところ。余裕もないし綺麗じゃなかった。僕からしたらダメジャンプだよ」


そう言ってテントに戻る。


もう絶対に借りられない。味方でも断るんだから。


「朔!」


………もう嫌だ……


_____________________________________________


「いや〜あんなに同じ人借りられるのは初めて見たよ」


「結局何回借りられた?5回?」


「4回だよ。絶対僕以外にもいた」


髪長いスポーツ科の人だったり、フィギュアやってる人だったり……もうなんでこんなに借りられないといけないんだ……


「あの回転技すごかったね!何回転したの?」


「5回転くらいしてんじゃね?」


「3回転半ね」


5回転も回ってない。この人達さっきから盛りすぎ。


『おぉっと!ここで青団転倒!赤団一位に躍り出た!』


あ、赤団一位になったんだ。凄いじゃん。俊太郎達。よく転ばずにあんな早く走れるな。


「さすがダブルス全国一位。阿吽の呼吸だね」


ダブルス全国一位なんだ。凄いのは知ってたけどそこまで凄いとは。


「朔は次だよね?」


「うん。そろそろ行ってくる」


「応援しに行くからな!」


「ありがとう」


リンクの観客席小さいからな…そんなに人入らないから応援できないかもしれない。まぁ応援なくても勝つだけだから関係ないや。


でもウォーミングアップはやっておこう。怪我もしないようにストレッチしておこう。


_____________________________________________


『おぉっ!毎年変わらず観客席には凄い人数!選手達の名前も聞こえますね〜!』


「朔〜!頑張れ〜!!」


あちこちから名前が聞こえる。多分俊太郎達と謙斗達だよね。観客席にいるし。


『事前にルール説明をします!この競技はリレー式なっており選手にはリンクを半周、アンカーには1周してもらいます!そして、この競技には芸術点というものがあります!審査員はあちらにいる4名の先生です!芸術点は30点満点となっており、稼いだ芸術点は各団のポイントとなります!だから稼げば稼ぐほど今後有利になるというわけです!』


え、他の人は半周で済むの?てっきりみんな1周するのかと思ってた。


『障害物は4種類!前半の1つ目は平均台!下をくぐるもよし、乗り越えるもよしのなんでもありとなっています!2つ目はカラーコーン!設置されてるカラーコーンを上手く避けなきゃいけない!倒したら1ポイント引かれる悪魔のコース!歴代最長の長い長いコースだ!!そしてここからが後半!3つ目はピンポン玉とBB弾運び!単純にピンポン玉を机まで運べばオッケー!ただし!アンカーは運ぶ前に10周その場で回ること!いや鬼畜!発案者誰だよ!そして、運び終わった先にはBB弾を10個別の皿に移さなければならない!氷の上で立つのは大変だけど頑張れ!』


そんなの聞いてないんだけど。10周?フィギュアでも8周しか回らないんだけど。それに他の団のアンカーはただでさえ不慣れな氷の上で10周回らなきゃいけないの?大変じゃん。


『最後は一本道を渡りきれ!マットとマットの隙間をうまーく通ってください!マットの上にのるのは禁止とします!以上で障害物の説明終わり!選手のみんな!頑張れ〜!』


両足入るくらいの細さ。ちょっと他の人は通るのが大変かもしれない。


『選手のみんなはリンクに入って下さーい!』


「ねぇ朔どうしよう。すごく不安」


「教えた事思い出せば大丈夫だよ。一番安定する立ち方はなんだっけ?」


「ハの字!」


「そう。進むには?」


「右、左、真っ直ぐ」


「転ぶ時は?」


「前!後ろに転んだら受け身をとる!」


「覚えてるなら何も不安になることないよ。芸術点は全部僕が取ってくる。だから完走することに集中して」


「あいあいさー!」


「朔も頑張ってね」


「うん」


みんなが一位の状態で持ってきてくれると助かるけどさすがにそれは高望みだ。何位でバトンを渡されようが一位を取るだけ。


『さて第一走者はスタートラインに立ってください!』


いよいよ始まる。


「位置について!よーい…」


パンッ!!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。