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とある日の総合の時間。いつもなら教室内でできる筋トレやストレッチをする時間だけど今日は違うみたいだ。
「はい。今日はもうすぐある体育祭の事決めるぞ」
教室のみんなが雄叫びをあげたが僕と櫻木さんだけ反応できずにいた。僕は謙斗達からいろいろ聞いてたから初耳ではないけど詳しく聞くのは初めてだ。
「静かにしろ。時間ないからテキパキ行くぞ。このクラスは今回赤団な。味方のクラスは1D、2A、2F、3B、3D、3Eな。で、担当種目決めるぞ。俺は体育祭勝ちに行くからな。お前らも勝ちにこいよ」
この体育祭の種目はたくさんあった。聞いた通り氷上障害物競走があった。二人三脚とか大玉転がしもあった。
「とりあえず種目読み上げてくからやりたいのに手を挙げろ。自分が1番活躍できるやつに手をあげるんだぞ。まず二人三脚」
どんどん種目が読み上げられていった。
「じゃあ次。氷上障害物競走」
手を挙げたら僕しかいなかった。そりゃそうか。慣れない氷なのに障害物まであったら嫌だよな。
「…本当に良いのか?これ見る分には楽しいがやってる本人は楽しくないぞ?」
この先生僕がやってるスポーツ忘れたのかな?
「僕はフィギュアスケートやっています。誰よりも氷に慣れています」
「あ、そうか。神凪はスケートやってたんだな」
「じゃあ氷障は勝ち確だな」
知らない誰かが言った。ていうか今氷上障害物競走のこと氷障って言った?どうゆう略し方?東京の子だったら普通なのかな。
「はい。じゃあ次は大玉転がし」
まさかの0人。そりゃそうか。大玉転がしなんて誰でもできるよな。
そこから順調に決まっていった。ほとんどのところは余分に票が入っている。だからじゃんけんとかで決めていた。氷上障害物競走は僕以外票を入れてないからじゃんけんもなにもない。
最終的に氷上障害物競走は晴人と裕樹が来てくれた。知らない人と一緒にならなくて良かった。
「じゃあ各教室に移動しろ〜」
「朔行こ」
「うん」
学園内の構造はなんとなく覚えてきたけどまだ不安。本当に早めに覚えないと。
「ここだよね」
「近くて助かるわ〜」
中に入ったら既に何人かいた。赤団だけだから結構僕ら遅かったかも。
「君ら何年?」
「1Dです」
「ふ〜ん」
何この人。感じ悪いし見た目が凄い派手だな。芸能科の人だよね。特進科なわけがない。
僕らが来た後にも何人か入ってきた。これで揃ったのかな。
「揃ったから始めるよ。まず走る順番。一年最初で三年アンカーで良いよね?」
「すみません!学年順じゃなくて科ごとにした方が良いと思います!」
え、すご。早速意見してる。
「例えば?」
あ、ちゃんと話聞く人だった。見た目的に話無視する人かと思ってた。ごめんなさい。
「差が開いても問題ない序盤に運動苦手な子を配置して後半をスポーツ科で固めるのはどうでしょう」
「ふ〜ん。じゃあこの中で運動苦手だよって人いる?」
ちらほら手が上がった。多分ラインが赤だから特進科かな?こうゆう時にラインが役に立つんだな。
「じゃあこの子達最初にするか」
そこから順調に前半の子が決まっていった。後残ってるのはスポーツ科と芸能科数人か。派手な人も残ってるから運動得意なのかな?
「すみません!僕らスポーツやってるので運動神経は良いんですけどこの競技に関しては自信がないのでそろそろ出て良いですか?」
「他にもいないなら」
「俺アンカー近くなるのは嫌だよ」
「じゃあここからここあんた達3人の枠ね。順番決めてきて」
あぁ2人とも行っちゃった。まぁどうせアンカーの話になるまで話す事ないから別に良いや。
「残ったの私とあんただけだけど私アンカーで良いよね?私バレエやってたんだよね」
「やりたいやりたくないの前にこの競走で一位を取りたいなら僕をアンカーにするべきだと思います」
「その根拠は?」
「僕はフィギュアスケートやってるので」
「……でも、あんたは氷上障害物競走について何も知らないでしょ」
「知らないですけどフィギュアの経験があるので」
「……フィギュアの経験より氷競の経験が今は大事じゃない?」
この人は氷競って言ったり他の人は氷障って言ったり…もう統一してくれよ。
「では、ここにいるみなさんに決めてもらいましょう。お互い自分の事をアピールして投票してもらい、票が多い方がアンカーを務める。どうですか?」
「良いよ」
一旦みんなに説明したところ承諾してくれた。
「じゃあまず私から。私はバレエ5年やってたし大会に出場経験もある。それに氷競は高校一年の頃からアンカーやってた実績もある。だから私にアンカーを任せて欲しい」
凄い勝ち誇った顔で言ってるけど大会出場経験ね。じゃあ入賞はしてないって事だよね。それに、出場するのは年齢条件さえクリアすれば出れるんだよ。
「僕は今年でフィギュアスケート10年目です。全日本ジュニアを3連覇していますし、去年シニアでも優勝しました。世界ジュニアでは2度、他の世界大会でも3度の優勝経験があります。誰よりも氷に慣れていますし、誰よりも氷の上で自由に滑る事ができます。競走に勝ちたいなら僕にアンカーを任せるべきです」
あっちは出場経験でこっちは優勝経験だ。実力差は明確。それに、バレエ習っててもフィギュアが出来るとは限らない。
「……じゃあ投票を始めても良いですか?まずこの人にアンカーを任せたい人は挙手をお願いします」
そう言っても手を挙げる人はいなかった。
「じゃあ僕にアンカーを任せたい人は挙手をお願いします」
そう言った瞬間教室内にいる人全員の手が挙がった。結果は一目瞭然。僕の勝ちだ。
「先輩。アンカーは僕で良いですね?」
「……分かったよ」
駄々こねないでよかった。見た目が派手でもちゃんとしてる人なんだな。
「でも、勝たないと承知しないから」
「任せてください」絶対一位になります」
よし。順番は決まったしもうやる事ないだろう。
「じゃあ走る順番はこれで良いな?」
みんな意義無しだから解散した。無事にアンカーになれたから競争は勝てるだろう。他の競技をやる人には頑張ってもらおう。
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家に帰って来た。荷物を置きに部屋に行こうとしたら謙斗が走って来た。
「ねぇ朔!朔は何団!?」
声が大きい。距離が近い。まず荷物を置かせて。
「赤」
「え、じゃあ味方だ!」
あ、そうなんだ。謙斗は味方か。他の3人はどうなんだろう。敵なのかな?
荷物を置いて着替えて下におりたら4人の間に火花が散っていた。
「朔は赤団なの?」
「うん。みんなは?」
「景は緑団でみとは青団。俺は赤団だよ」
「じゃあ仲間だね」
謙斗と晴信は2Fなんだ。2人は何出る予定だったんだっけ。借り人だっけ。
「朔は氷上障害物競走だよね。アンカーになれた?」
「敵がいるところでは教えられないよ」
「お、もう既に情報戦が繰り広げられてる」
僕がアンカーってバレちゃうと対策練られそうだからやめよう。もう既に赤団に強敵がいるって事がバレてるんだから。
「まぁ戦うのは体育祭当日だけにしてそれまではほのぼの過ごそう」
「だね。あ、朔」
チョコを一つ渡された。またか……
最近やたらとチョコを食べさせようとしてくる。
太る太らないの前に虫歯になるよ。こんなに食べてたら。
「朔はもう少し太らないとだよ。その細さは危ない」
「危機感持った方が良いよ?体型が命の仕事してる俺らに言われるんだから」
「筋肉あるから重いよ」
「筋肉じゃなくて脂肪の話。てか、数字も低いでしょ」
脂肪もあるけどな……
「俺の予想あと5kg太った方が良いと思う」
「それは絶対にやらない」
5kgも太ったら終わり。選手生命の危機だよ。ジャンプ跳べなくなって表彰台逃して終了。勝負すらできない。
「いきなりじゃないよ。3年くらいかけて太るんだよ」
「みんなが何を言っても僕は太らない」
痩せても太ってもジャンプは跳べなくなる。だから、今の体重を維持する以外道はない。
絶対に太らない。何があっても太ってたまるか。




