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~・~ 4 (2) ~・~

もう、体力カラカラッ…


しかもお昼まともに食べてないからッ糖分不足でッ倒れそう…


てか終わったのに何も起きないって事はダメだったッ?


何がダメだったッ?特に失敗は無かったッ…ノーミスだったはずッ……


いや、一旦戻ろうッ……座りたいッ…


そう思ってエッジケースをつけてヨガマットに座った。タオルで汗を拭いたけど止まってくれない。


もう、顔に乗せとこ…勝手に吸い取ってくれるでしょ。


あぁ…何がダメだったかな……拍手も起きないって事は期待外れだったって事。これじゃ狂気を感じるどころか興味すら持ってくれないから……もつ一から変えるか…いや、曲を変えた方が良いまである…


「すっすごぉ……」


え?


「凄いよ朔くん!ってあれ、どこに…」


「ここだよ」


え、僕が移動してる事にも気付かないくらい感心が無かった?こんな事今まで無かったんだけど……


もうショックだ…いや、ショックなんて受けてる暇はない。改善しなきゃ改善。


「ごめん。圧倒されて立ち尽くしちゃった」


「そうそう!もう緩急が凄すぎて怖いよ!てか、体力の面でも怖い」


「表情もあの笑顔は不気味だぞ。髪の隙間から見えた目も怖ぇ。目だけであんなに怖ぇって感じたの初めてだ」


「それな。ていうかスピンの回転速度速すぎだし体柔らかすぎだし。タコかと思ったよ。てか、タコだよ」


「あのタコゾーンも足絡まらないのかちょっと怖かった。もう全体的に怖い、狂気」


「でも、曲が落ち着いた時は華やかだったよね」


「え、そうそう!今まで背筋凍るくらい怖かったのに一気に華やかになったよね!多分一つ一つこ動きがゆっくりっていうか緩やかになったよね!」


「そうそう。でも、腕を大きく使うところは変わってないから綺麗というより華やかって感じになったのかな?」


不評だったわけでは無さそう…?ていうか、よく見てたな。今言ってる事全部意識してた事だ。伝わっていたなら良かった。


「ていうかスピンで分からないところあったんだけどさ後で聞いて良い?」


「良いよ…ていうか、こっちに座りなよ」


そう言って立とうとしたら座らせられた。


「俺らはここで良い」


「そうそう。糖分とか取らなくて大丈夫?」


あ、そうだ。何か糖分取らなきゃ。なんかあったかな…ラムネは見当たらない。何もないか。じゃあ糖分取れる飲み物買ってくる?いや、太りそう…


「ないなら買ってこようか?」


「いや大丈夫」


これくらいなら何十回もなった事あるから慣れている。


「……俺買ってくる」


「いってらっしゃ〜い」


飲み物買いに行ったのかな?ここ寒いみたいだし暖かい飲み物あった方が良いよね。


「いや〜凄かったわ。拍手し忘れるくらい圧倒されたの初めてだよ」


「楽しめたなら良かった」


お世辞だったとしても嬉しい。だから、素直に受け取っておこう。


「なんか分かってたけど改めて見ると本当に体柔らかいんだね」


「そうだね。結構柔らかいよ」


「座って回るスピンとか閉じてたもんね」


「前屈姿勢の時とかね」


「あと、最後のスピンさ足と背中くっついてたよね!」


「いや、くっついてはないよ。くっついてたら別のスピンになっちゃう」


足と背中がくっついてたらキャンドルスピンになっちゃうよ……僕はまだ出来ない……


「そうなんだ〜じゃあジャンプにも種類あるの?」


「あるよ。ルッツとかループとかサルコウとか」


「見分け方あるの?」


「左足を使ってたらサルコウだね。あとは、エッジの向きで判断すかな。1番わかりやすいの前向きで飛ぶアクセルじゃない?」


「確かにたまに前向きのやつあったよね!」


「うん。それがアクセル」


「得意なのは何?」


「ルッツとループかな?」


「へぇ〜何回転まで跳べての?」


「ルッツとループとトウループは4回転跳べて他は3回転だね。今4回転フリップを練習中」


「え、4回転?」


「うん。4回転。最初の2本は4回転だよ」


「確かに勢いが他のジャンプとかより凄かったけど…」


4回転ってなると他のジャンプより速さも勢いも段違いだからね。意外と分かりやすかったりする。


あ、景が帰ってきた。速かったな。ここから自動販売機近かったのかな?


「あ、おかえり〜」


「おう。ほらよ」


え、ジュース投げてきた?なんで?あ、投げ返せってこと?


「いや、なんで返してんだよ」


「だって買ってきたの景でしょ?」


「お前のだ」


え、僕の?なんで?僕頼んでないよ?


「朔糖分不足でしょ」


なんで分かったんだ。この人たち。別に何か症状でてるわけじゃないし……凄い空腹って感じと似たようなものだ。そんなすぐ分かるものじゃないと思う。


「立った時ふらついてたし、カバンから糖分取れるもの探してたでしょ?カロリーをすごく気にしてる朔が探してるって事は糖分が不足してるって事でしょ?」


……何も言い返せない。図星としか言えない。ありがたく貰っておくか?いやいや、買ってきたのは景だよ?でも、その景が上げるって言ってるなら貰っても……


「朔貰っときな。人の奢りで飲むジュースほど美味しいものはないよ〜」


「いや、流石にお金は払います」


いくらだろう。150円くらい?いや、東京は高いからな…200円くらいか。


「いらねぇ。つぅか200円もしねぇっつうの」


「じゃあ手数料込みで」


「じゃあそのジュースは俺に飯作ってる礼って事でいいから」


「……わ、かりました」


そうは言ったけど納得しない。まぁでも飲むか。ジュースには罪ないし。いや、買ってきた景にも罪はないんだけどね?


「あ、美味しい」


これ100%か。いや、絶対に高い。フレッシュジュースは高いよ。果汁2%とかで良かったのに。


「だよね!これ葡萄も美味しいんだよ!」


オレンジ以外にも葡萄があるんだ。まぁどっちでも良いけど。


「あ、そうだ。スピンで聞きたい事あったんだ」


なんか、さっき言ってたね。聞きたい事あるって。


「何?」


「あのT字の姿勢で回ってた後どんな体勢で回ってたの?」


T字…キャメルスピンのこと?で、その後だからドーナツスピンかな?


「多分ドーナツスピンだね」


「ドーナツ?」


「うん。こんな感じで回ってる」


でも履いたままやると危ないかな…まぁ後でまた履けば良いし一旦脱ぐか。


「上から見るとドーナツに見えるよねって事でドーナツスピン」


「まぁ確かに」


「朔はどのスピンが得意なの?」


「どのスピン……I字スピンとY字スピンかな」


股関節が一番柔らかいから一番やりやすいと言うか苦じゃないというか。それに、スピードも出るからレベルも取りやすいし。


「へぇ〜あの一本の棒みたいになってたやつ?」


「そうそう」


「IとYどっちが得意なの?」


えぇ……同じくらい、だな……


「まぁ強いて言うなら…Y?」


「Yなんだ」


Y…だね。え、でもIも同じくらい得意……でも先に習得したのはYだからな……Yの方が得意なのかな?


「まぁどっちも同じくらいだけどね。みんなはどのスピンが一番良かった?」


「俺は最後のやつ。あの、頭より高く足上げてんの」


「僕はT字のやつかな〜」


「俺は座って前屈してるやつ」


「俺はY字のスピンが好き」


みんなバラバラだね。みんなビールマンかと思ってた。


「あ、そろそろ戻らなきゃじゃね?」


「確かに。俺ら自主練しなきゃだから。じゃ〜ね」


「凄いの見せてくれてありがとね〜!」


手を振って見送った。みとは残るみたい。じゃあ練習に戻ろうかな。


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