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『幼馴染の境界線 ―僕の祈りと、君の憧れ―』  作者: サッサン
第4章:繚乱!文化祭と恋の火花

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第4章 第十一話:静かなる追及、三女の宣戦布告【加筆&修正】(26年6月9日)

【速報】日間ランキング連載中6位(すべて12位)となりました。読者様に心より感謝もうしあげます。

文化祭2日目の朝。いつもなら三人が揃う路地に、杏奈の姿はなかった。


「お姉ちゃん、今日は『用事があるから』って先に学校へ行ったよ。……顔、真っ赤にして飛び出していったけど、お兄ちゃんと何かあった?」


隣を歩く薫が、覗き込むように浩紀の顔を見る。

浩紀は昨夜の杏奈との「10秒間の上書き」を思い出し、心臓が跳ね上がるのを必死に抑えた。


「……いや、別に。文化祭の準備が忙しいんじゃないかな」


「ふーん……」


薫はそれ以上追及せず、前を向いた。

けれど、彼女の手元には今朝、沙織から届いた一通のメッセージが残っていた。


『事故で浩紀とキスしちゃった。杏奈ちゃんにバレて殺されるかも』


沙織の自爆に近い報告と、昨夜浩紀の家から帰宅した後の杏奈の、魂が抜けたような、それでいて熱に浮かされたような異常な様子。

薫の中で、点と線が繋がっていく。


(沙織さんと事故でキスして……そのあと、お姉ちゃんがそれを「上書き」した。……そんなところかな)


最初沙織からのメールを見たとき、そして、お姉ちゃんが上書きしたことを予想した時は表情にこそ出さなかったが激しい苛立ちを覚えていた。しかし、一晩たって冷静になった薫は考えを新たにする。


浩紀の横顔を見つめる薫の瞳には、冷徹な計算が宿っていた。

自分だけが「何もしていない」という現状。

それが、彼女の中の独占欲を激しく燃え上がらせる。


(今は出遅れてるけど、最後にお兄ちゃんの唇を私の唇で消毒してしまえばいい)


「私の望みは、一番最後にお兄ちゃんの隣に立っていることだから……。」

小さな声でつぶやく薫。


「ん、薫ちゃん、今何か言ったかい?」


「ううん、何も言ってないよ。それより、お兄ちゃんは今日の午前中、生徒会の待機当番……私と一緒だよね?」


「ああ。その後はテニス教室だし、今日は午前中からずっと一緒だね」


「……うん。楽しみ。待機室には、二人ともこのテニスウェアで行くんだよね。お兄ちゃんのウェア姿、カッコよくて好きだな」


今日は二人ともジャージの下にテニスウェアを着ていた。

薫は、浩紀の腕にそっと自分の腕を絡めた。

その薫の行動に一瞬驚いた浩紀であったが、2人をよく知る人物が見れば、妹が仲の良い兄に甘えているかのように感じたであろう。

浩紀は薫の女性特有の柔らかな感触をまさに昨日の杏奈の唇の感触に対抗するかのように感じていた。それは浩紀に昨夜の杏奈の唇の感触を強く思い出させ、無意識に指で唇を触れ昨夜の幸せな出来事を思い返していた。


「お姉ちゃんと沙織さんは、昨日のことで頭がいっぱいみたいだけど……。今日はお兄ちゃんの隣、私が独占しちゃうから」


薫のあどけない口調で小さな声で放たれた、宣言。


「え? 薫ちゃん、今何って言ったの?よく聞こえなかったんだけど……」


「ううん、独りごとだから気にしないで。……それより、急ごう? お兄ちゃんのテニスウェア、私が一番に、じっくり見たいから」


文化祭の門をくぐる二人の影。

杏奈が「顔を合わせづらい」と逃げ出した空白の時間は、薫にとって絶好の狩場へと変わろうとしていた。


(最後にお兄ちゃんの全てをもらうのは私だから……)


2日目、午前。

密室の生徒会室。

薫による「消毒」と「誘惑」の時間が、静かに幕を開ける。


第4章第11話をお読みいただきありがとうございます。


沙織と杏奈が昨夜の余韻でドタバタしている隙に、最も冷静で最も恐ろしい(?)末っ子・薫が動き出しました。

情報を制し、タイミングを計り、物理的距離を詰める……。


「薫ちゃんの策士っぷりにゾクゾクする!」

「テニスウェア姿での密室待機、何が起きるか怖すぎる(羨ましすぎる)……」

と思った方は、ぜひ【ブックマーク】や【評価(☆☆☆☆☆をポチッとな!)】で応援をお願いします!


明日の19時、ついに薫による「消毒」の時間が始まります。浩紀の理性は耐えられるのか……!?


【御礼】

本日12時時点のランキングにて、『日間現実世界〔恋愛〕 - 連載中』で6位にランクインすることができました!

いつも応援してくださる読者の皆様のおかげです。本当にありがとうございます!

今後の文化祭編も、二人の境界線をさらに揺らしていく展開となっておりますので、引き続きお付き合いいただけると嬉しいです!


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