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『幼馴染の境界線 ―僕の祈りと、君の憧れ―』  作者: サッサン
第2章:波乱の修学旅行編
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第2章 第四話:月夜の同盟と、理想の正体

ショッピングモールでの買い物を終えたその日の夜。

自室で修学旅行のパッキングをしていた沙織のスマホが、小刻みに震えた。

画面に表示されたのは、一年生の河合薫からのメッセージだった。


ーーー


薫: 「お疲れ様です、沙織さん。修学旅行の準備、順調ですか? 浩紀お兄ちゃんと三泊四日も一緒に過ごせるなんて……本当は私が行きたいくらい、羨ましいです……」


沙織: 「お疲れ様! なんとか班に潜り込めたよ。でも、杏奈ちゃんのガードが鉄壁すぎて、今日だけでもう心が折れそう(笑)」


薫: 「あはは、お姉ちゃんは浩紀お兄ちゃんのことになると、急に独占欲が強くなりますからね。香澄お姉ちゃんも『杏奈は浩紀君の前だと分かりやすいわね』って呆れてるくらいですし」


沙織: 「あ、やっぱり長女の香澄さんから見てもそうなのね(笑)。さすが地元で有名な美人三姉妹、キャラが濃い……! あ、そうだ。薫ちゃんに一つお願いがあるんだけど、浩紀君の『好きな女性のタイプ』って、ぶっちゃけどういう系なのかな? 昔から近くにいた薫ちゃんなら、何か知ってるかなと思って」


ーーー


沙織はスマホを握りしめ、返信を待った。

しばらくして、薫から具体的なメッセージが届いた。


ーーー


薫: 「そうですね……以前、浩紀お兄ちゃんが言っていたのは、

・派手すぎない、清潔感のある人

・さらさらとした、綺麗な黒髪

・自分の意見をしっかり持っているけど、意外と涙もろい

・……あと、これは私の推測ですけど、『少し気が強いくらいの女性』に振り回されるのが、あの人は結局一番楽しそうです」


ーーー


沙織は画面を見つめながら、その特徴を自分と照らし合わせていった。


「清潔感があって……綺麗な黒髪……」


脳裏に浮かぶのは、今の自分の明るい茶髪ではない。

浩紀の隣で風に揺れる、杏奈の艶やかな黒髪。

気が強くて、けれど浩紀の前でだけ時折見せる、脆い素顔。


沙織: 「ねえ、薫ちゃん……これ、どう考えても杏奈ちゃんそのものじゃない?」


薫: 「……。今、私も全く同じことを打ち込もうとしていました。ショックですけど、完璧に一致しますね。幼馴染としてずっと一緒にいた『正解』がそこにある感じです」


沙織: 「……だよね。でも、だからって諦めるわけにはいかないの。浩紀君の『正解』を私が書き換えてやるんだから。三泊四日、しっかり浩紀君のベストショット撮ってくるから、薫ちゃんも応援して!」


薫: 「もちろんです! お姉ちゃんを揺さぶってくれる分には、私は大歓迎ですよ。浩紀お兄ちゃんの寝顔とか、かっこいい写真、期待していますね」


ーーー


スマホを置いた沙織は、鏡の前に立ち、自分の髪を指で梳いた。


今の浩紀の「理想」が杏奈だとしても、それはあくまで過去の延長。

今のこの茶髪だって、いつか彼に「一番いい」と言わせてみせる。

これからの四日間で、新しい刺激を叩き込めばいい。


「見てなさいよ、杏奈ちゃん。修学旅行が終わる頃には、浩紀君のタイプに『明るい茶髪の、ポジティブな女の子』を強制的に追加させてあげるんだから」


一方その頃、隣の河合家。

自室のベッドでスマホを見つめていた薫は、密かにため息をついた。


「……沙織さん、頑張ってくださいね。お姉ちゃんと競り合ってくれるのは助かりますから」


薫はスマホを胸に抱き寄せ、天井を見上げる。その瞳には、妹としての無邪気さは微塵もなかった。


「でも、浩紀お兄ちゃんを最後に貰い受けるのは……。

いえ。最後に浩紀さんの隣にいるのは、私ですからね」


血の繋がらない「お兄ちゃん」への、秘めたる独占欲。


修学旅行という舞台の裏で、少女たちの火花はさらに激しく散り始めていた。


第2章、第4話を読んでいただき、ありがとうございます!


今回のお話は沙織と薫の密談についてでした。

沙織が正々堂々真正面から浩紀と杏奈にぶつかっていこうとしてるのに対し、

薫はかなり黒幕っぽい感じを醸し出してましたね。

今後も薫だけは敵に回さない方がよさそうです((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル


少しでも先が気になると思ってくれた方、黒幕の薫に屈服させられたい方(笑)、ぜひ【ブックマーク】や【評価(下の☆☆☆☆☆をポチッとな!)】で応援してくれると嬉しいです!


すでに完結まで書き終えていますので、毎日(19時予定)張り切って投稿していきます。

明日の更新もお楽しみに!

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