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【本編終了】『幼馴染の境界線 ―僕の祈りと、君の憧れ―』  作者: サッサン
アフターストーリー第1部 第2章:1学期編

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第2章 第十九話:体育祭の始まり

体育祭開幕です!

パン、パン、パン。綺麗に晴れ渡る五月晴れの空に空砲の音が鳴り響いていた。

全校生徒が運動場に並び、前方の朝礼台に立つ浩紀を注目していた。

浩紀は目の前にセットされたマイクに向かい、開会の言葉を告げた。


「これより、『第58回体育祭』を始めます」


浩紀の始まりの合図にあわせて生徒と先生たちが盛大に拍手をしたのであった。


ーーー


自分のクラスの待機場所に戻ってきた浩紀に杏奈が声をかけた。


「ヒロ、お疲れ様。もうすっかり全校生徒の前で話す姿が様になってきたわね」


「そんなことないよ。今のだって緊張して噛んじゃったりしたらどうしようってひやひやしてたんだから」


それを聞いた太田が口を挟んだ。


「へえー、浩紀でも緊張するんだな」


「太田は俺を何だと思ってるんだよ。俺だって普通の高校生なんだからさ」


そう言って苦笑いを浮かべた。


「普通ねぇ……。学年トップの成績で、生徒会長にテニスでは全国に行けるレベルの腕前って、これは普通とは言わないと思うんだけどな……」


ここで沙織が絡んできた。


「そんなの当り前でしょ!単なる平凡な高校生をこの私がこんなに本気に好きになるわけないじゃない!私は浩紀だからこそ好きになったんだからね」


さらに、ここになぜか薫もやって来ていた。


「全くその通りですね。一応言っておきますが、一番最初に浩紀さんのすばらしさに気が付いたのは私ですから」


ここで杏奈が負けていられないと、薫に張り合うように口を開いた。


「そんなことないわよ!私だって子供のころからヒロのことは誰よりもよく知ってるんだからね!それに子供の時にプロポーズまでしてもらったんだからね!」


顔を少し赤らめながら、まくしたてるようにしゃべる杏奈に対し、薫が辛らつな言葉を投げかけた。


「その割に、つい最近まで浩紀さんをないがしろにして、『博康さん、素敵!』とか言ってましたけどね」


薫が『杏奈が目の前で手を組み、上目づかいで博康を見つめている様子』をマネしながら言った。


「うっ、そ、それは……。そ、そんなことより何で2年生の薫が3年生のクラスのところに来てるのよ!早く自分のクラスに戻りなさいよ」


「私は浩紀さんと沙織さんと体育祭の運営のことで相談に来ただけですから。生徒会でないお姉ちゃんこそ邪魔しないでくださいね」


生徒会の用事と言われては何も言えない杏奈は、悔しそうに地団駄を踏むのであった。

そんな杏奈の肩に、浩紀が後ろから手を置き、慰めるように声をかけた。


「アン、君の良いところは僕が良く知っているからそんなに怒らないで。僕はアンにいつも笑っていてほしいと思っているんだから……」


「ヒロ……、ありがとう。やっぱりヒロは私の味方ね!」


浩紀に慰められ急に元気になる杏奈であった。

今度は薫が上目遣いで浩紀を見上げた。


「浩紀お兄ちゃん……。薫はダメな妹ですか?」


「そんなわけないだろ。薫ちゃんは俺にもったいないぐらい可愛い妹だよ」


薫は「嬉しい」と言って浩紀の背中に抱きついた。

これに過剰に反応する杏奈は、「私のヒロから離れなさい!」と言って薫を浩紀から引き剥がそうとする。

ここで、意外にも薫は素直に離れたのだった。


「あんまりお姉ちゃんをからかうと後が面倒臭いのでこの辺にしておきますね。また私に抱き着いてほしくなったらいつでも言ってくださいね、浩紀さん」


薫はそう言うと浩紀にウィンクをしたのだった。


「薫!あんたは油断も隙もないんだから……」


二人のやり取りを見て苦笑いを浮かべる浩紀であった。


「ところで薫ちゃんは何の競技に出るんだい?」


「私は『借り物競走』と『応援合戦』に出ますよ」


これを聞いた杏奈が薫を指さした。


「薫!勝負よ!私もその両方に出るからどっちが上かはっきりさせてあげるわ!」


「いいですけど、なにを賭けるんですか?なにも賭けないなら面倒くさいので拒否しますけど」


沙織が何かを思いついたのか、手をポンっと叩いてから楽しそうに提案をする。


「それなら体育祭の振り替え休日があるじゃない。その日、勝った方が浩紀とデートできるって言うのはどうかしら?」


これには薫も一気に乗り気になった。


「それなら勝負を受けてあげるよ、お姉ちゃん」


「ちょ、ちょっと待ってよ!なんでヒロとのデートが景品になってるのよ!」


「お姉ちゃんは私に勝つ自信があるんですよね?それならいいじゃないですか。それとも私に負けるのが怖いんですか?」


薫が杏奈をあえて挑発するように尋ねた。


「いいわ!受けて立ってあげる!そして、私の方が上だということを証明して、ヒロとのデートも勝ち取ってみせるわ!」


薫の挑発に簡単に乗ってしまう杏奈であった。

なぜか同意もなく景品にされてしまった浩紀は、盛り上がる二人を前に、額にタラリと冷や汗を浮かべ、引きつった笑みを顔に張り付かせることしかできなかった。

こうして、今年の体育祭は様々な波乱を含んだ状態でスタートを切ったのであった。


第2章第19話をお読みいただきありがとうございます。


今回から体育祭のお話になります。

体育祭をやったのは遠い過去になりますが思い出しながら書いていきますので、よかったらお付き合い下さい。


お願い:ブックマーク&評価☆での応援をお待ちしています。ちなみに読者の皆さんはどっちに勝ってほしいですか?よかったら感想欄までよろしくお願いします。


次回投稿日:体調不良のため未定となります。ブックマークの通知にてご確認ください。(※9月23日現在、薬がきいてくれて調子が戻ってきましたので、9月25日頃次話を投稿する予定です)

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