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【本編終了】『幼馴染の境界線 ―僕の祈りと、君の憧れ―』  作者: サッサン
アフターストーリー第1部 第2章:1学期編

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第2章 第十話:聖地池袋巡礼

今回の第10話を読んでいただく前に、『シティー・クリーナー』(第1章全6話)を先に読んで頂いてからのほうが、話の内容がはいってきやすいと思います。


URL:https://ncode.syosetu.com/n3739mo/

好代に池袋のアニマイト本店へと案内してもらう日の午前10時。浩紀、杏奈、ケイティ、好代の四人は池袋に来ていた。池袋駅の改札を出た四人は好代の案内のもと、アニマイト本店へと歩いていた。


「加相さん、今日はよろしくね」


「浩紀殿、お任せ下され。私に任せてくれれば池袋アニメ聖地巡礼などお茶の子さいさいでございますよ!」


胸を張る好代であった。好代もこの1週間で『シティー・クリーナー』という共通の話題ができたこともあり、随分と浩紀たち三人に慣れてきていた。


「『おちゃのこさいさい』ってお茶の子供がサイ二匹なんですか?」


外国人らしい解釈をするケイティに苦笑いする浩紀であった。


「違うよ。『お茶の子』って言うのはお茶菓子、要するにお菓子の事なんだよ。全体の意味としては『そんなこと、おやつを食べるくらい簡単にできるよ!』って意味になるかな」


説明をする浩紀に三人が尊敬のまなざしを向けた。

杏奈が浩紀の耳元でささやいた。                                   


「ヒロの物知りなところもとっても素敵だと思うわ。これからも色々教えてね」


そう言って瞳を潤ませ、浩紀と見つめ合う杏奈。

ここで好代が「ゴホン」っと咳払いをする。


「お二人とも、いい雰囲気のところすいませんが、そろそろ聖地へ向かってもよろしいかな?」


「あ、ああ、そうだね。向かおうか」


少し恥ずかしそうにそう言うと、浩紀は杏奈の手を握り、好代と聖地巡礼を楽しみにして興奮気味のケイティの後について行くのであった。


ーーー


アニマイト本店前までやってきた四人。好代以外の三人はアニマイト本店のビルを見上げていた。


「好代、このビル全部が『アニマイト』なんですか?」


興奮気味に好代に尋ねるケイティに、胸をそらしながら答えた。


「ケイ殿、まさにその通りでござるよ!このビルの1階~9階まですべてがアニマイトなのです。取扱商品は本や雑誌、アニメグッズやゲームにDVDなどをはじめ、上映会用の施設や展示室など多彩なアニメのための施設が入っているのです!これぞまさに聖地!そうは思いませんか、同志ケイよ!」


「同志好代、素晴らしいです。まさに聖地にふさわしいです!」


「わかっていただけて何よりでござる。それでは……いざゆかん!アニマイト本店聖地巡礼ツアーへ!」


こうして好代によるアニマイトの『聖地巡礼』という名のお店の案内が始まったのであった。

1階から順にお店を見ていく四人。時折、好代とケイティが目を輝かせながら商品を入念にチェックしていた。

フロアーごとに入る好代の解説は、お店の店員さん顔負けの内容であった。

そして目的地である4階のアニメグッズ売り場に到着する。


「ここですぞ!例の物を手に入れた場所は!」


「早速ゲットしなくては!」


「ケイ殿、ついてきて下され!遅れてはなりませぬぞ」


「らじゃー!」


そう言って好代とともにケイティは『シティー・クリーナー』のグッズ売り場へとやって来ていた。


「ありましたぞ!ケイ殿、我々の大勝利です!」


こうしてケイティは目的の『風間漣』のアクリルキーホルダーを手に入れたのであった。

その様子を二人の熱量に圧倒されながら見ていた浩紀と杏奈。


「なんだか加相さんって学校にいる時とだいぶ違うわね……」


「やっぱりアンもそう思うよね……。まあ、ケイは楽しめているみたいだしいいんだけどね」


しかしここでの正解は好代とケイティであった。

周りの人にも似たようなテンションの方が多数見受けられた。

浩紀と杏奈はお互いの手を強く握り、ケイたちの買い物が終わるのをじっと待っているのであった。


ーーー


買い物とアニマイトの聖地巡礼を終えた四人は、好代の案内でアニマイト本店近くにある『アニマイトカフェ池袋2号店』へとやって来ていた。


「ここのカフェでは今、期間限定で『シティー・クリーナー』のコラボ企画をやっているんですよ!」


店内に入ってみると、店員たちがくノ一の衣装で給仕を行っていた。

浩紀たちを席まで案内してくれたのは赤いくノ一衣装をまとった女性であった。

座った席でメニュー表を見る4人。

メニューを見ていた好代が三人に提案をする。


「どうせだからみんなのイメージに合った飲み物を頼んでみませんか?」


「私たちに合ったイメージって言われても……」


杏奈が悩んでいるのを見た浩紀が助け船を出した。


「それなら俺たちのイメージに合った飲み物を加相さんに選んでもらえばいいんじゃないかな?」


「それだったら大丈夫ね。逆に私のイメージがどんななのかちょっと楽しみだわ」


そう言って杏奈は微笑んだ。


「私でよければお任せください。ではそれぞれのメニューを決めていきますね。それでもし飲めないものだったりした時は言ってくださいね」


好代はメニューを見ながらそれぞれのイメージに合った飲み物を言っていく。


「まず最初は桐谷君は、『ブラック、漣オリジナルアイスコーヒー』ですね。なんといっても主人公の漣は桐谷君のイメージにぴったりだと思いますから」


「主人公とかってなんか恥ずかしいな。とりあえず俺はアイスコーヒーだね」


「はい。でも注文するときはちゃんと『ブラック、漣オリジナルアイスコーヒー』とフルネームで注文しないとだめですからね」


好代の言葉に苦笑いをする浩紀であった。


「つづいて河合さんは何といっても漣の恋人で許嫁である陽菜のイメージですね。ですから『スカイブルー、陽菜より愛をこめてブルーハワイソーダ』ってちゃんと注文してくださいね!」


「そ、それはちょっと恥ずかしいかな……。でもヒロの許嫁役なのは嬉しいけど……」


そう言って杏奈は浩紀をチラチラと見ながらつぶやいた。


「最後にケイさんはまさにアイリスそのものです!なので『レッド、アイリス特製猪突猛進アセロラドリンク』でいきましょう!」


「アイリスは私もよく自分と似てるって思ってたね!」


ここで浩紀が好代に尋ねた。


「ちなみに加相さんは何にするんだい?」


「私は今日は案内役という情報提供者ですから、この『諜報員霧雨先生、愛の鞭炭酸倍増ジンジャーエール』にします」


こうしてそれぞれの飲み物が決まったため、店員を呼ぶ。

今度やってきたのは緑色の衣装を着た小柄な女性であった。


「ご注文はお決まりですか?」


「私は『諜報員霧雨先生、愛の鞭炭酸倍増ジンジャーエール』を」


続いてケイティが注文をする。


「私は『レッド、アイリス特製猪突猛進アセロラドリンク』でお願いします!」


元気よく注文するケイティはまさにアイリスのイメージにぴったりであった。

つづく浩紀は少々戸惑いながら。


「注文時には全部フルネームで言わないとだめですか?」


「当然です。このお店はキャラクターや作品への愛でできているんです。何も恥ずかしがることなどありません!」


店員は浩紀にはっきりと答えたのであった。


「じゃ、じゃあ、俺は……『ブラック漣オリジナルアイスコーヒー』でお願いします」


「はいお任せ下さい、漣様!」


浩紀を漣に見立てて返事をする店員であった。

好代は店員さんの返しに、(この店員さん、できる!)と鋭い視線を送るのであった。

しかし、当の浩紀は(この独特のノリについて行くのはなかなか……)と感じていた。


「それでは最後に、そちらのお客様は何になさいますか?」


杏奈に尋ねる店員。


「わ、わたしは……」


言い淀みながら、杏奈はヒロの顔をチラチラ見ていた。


「その、……『スカイブルー、陽菜より愛をこめてブルーハワイソーダ』でお願いします」


一気に言い切った杏奈は下を向きながら、浩紀の洋服の裾をぎゅっとつかんでいた。


「はい、確かに。陽菜お嬢様から漣様への愛の告白、確かに承りました!皆様拍手でお二人を讃えましょう!」


店員がそう言うとホールにいた全てのお客と店員が杏奈と浩紀に拍手するのであった。これに苦笑いを浮かべている浩紀の横で、体をより小さくし、顔を真っ赤にする杏奈であった。


ーーー


コンカフェの洗礼を盛大に受けた浩紀たちはお店の外に出てきた。

ここでケイティが好代にお礼を言った。


「好代、今日はホントにありがとう!とってもエンジョイできました。感謝感謝です!」


「なんのなんの、気になさるな。それに、我とて新たな同志を得られたことはこの上ない喜びでござった!」


友情を確認する好代とケイティであった。


「ところでケイ殿は先ほどのカフェの店員のような服装に興味はござらんか?」


「あれは素晴らしかったです!一度でいいから私も着てみたいです」


(これは大チャンス!ここでケイ殿を口説き落としてしまえばあとは何とでもなるはず!)


「それならいい機会がござるよ。5月頭のGW中にコスプレイベントがこの池袋で行われるんです。なのでそれにみんなで参加されてはいかがですか?もちろん私が全面的にバックアップしますよ!」


「それはぜひ参加したいね!浩紀一緒に参加しましょう!」


急にコスプレイベントへの参加をお願いされとまどう浩紀。


「急に参加してといわれても、衣装もないし……」


ここで待ってましたとばかりに好代が口を開く。


「ご安心めされ、桐谷殿、いやあえてこれからは浩紀殿と呼ばせて頂こう!こんなこともあろうかと、ちゃんと浩紀殿をはじめ、ケイ殿、杏奈殿、沙織殿、薫殿の『シティー・クリーナー』の衣装は全員分準備してござるよ」


これに杏奈も驚く。


「え、私も参加なの?っていうか私たちの体のサイズとか知らないよね?」


ここで好代はメガネの真ん中のアーチ部分を中指でクイっと上げ、不敵な笑みを浮かべる。


「私は今年、伊達に保健委員をやっているわけではないのですよ」


そういうと、メガネがきらりと光り、口元がニヤリとしたのであった。


「ちょっと、あなたそれ職権乱用だから!個人情報の漏洩だから!」


「杏奈殿、そんな細かいことを気にしていてはオタク道は極められませんぞ!」


「極める気ないし!」


「まあ、そんな些細なことは置いておいて、沙織殿と薫殿にも是非参加するよう伝えておいてください。『シティー・クリーナー』はやはり5人集まってこそですからね」


言いたいことだけ言うと好代は、「任務終了!これより撤退戦へと移行します。それではアデュー!」と言って、疾風のごとく走り去って行くのであった。

残された三人は、コスプレイベント参加に熱意を燃やすケイティをよそに、浩紀と杏奈の二人はただただ呆然とするしかなかった。

ひとつわかっていることは、GW中のコスプレイベントへの強制参加を回避することは難しいだろうということだけであった。


第2章第10話をお読みいただきありがとうございます。


今回は池袋のアニメの聖地巡礼について書かせてもらいました。

私が大学生だったころはまだアニメの聖地は秋葉原がダントツの一番だったんですけどね。

今や池袋の勢いが凄いですよね。時の流れを感じます(-_-;)


お願い:評価☆&ブックマークでの応援をお願いします。その応援がコスプレイベントのお話を盛り上げてくれることでしょう(笑)

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