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【本編終了】『幼馴染の境界線 ―僕の祈りと、君の憧れ―』  作者: サッサン
アフターストーリー第1部:3年生編 第1章:春休み編

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第1章 第六話:桐谷家へようこそ

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ケイティを連れて帰ってきた浩紀たち。

博康は台所で飲み物の準備をしている間に、浩紀が彼女をこれから使ってもらう部屋へ案内した。


「ここがケイティがこれから使う部屋だよ。荷物はここに置いておくね」


「浩紀、ありがとう。これからお世話になります」


ケイティはそういうと浩紀にお辞儀をした。


「ちなみに隣の部屋が俺の部屋だから、夜中でも何かあったら来てくれればいいから」


「おー、浩紀大胆ね!いきなり夜這いかけていいだなんて」


そう言って浩紀に悪戯っぽくウィンクをした。


「そういう意味じゃないから!」


ケイティのからかいにため息をつく浩紀であった。


「……それより荷物を置いたら一度リビングに行こうか。兄さんが飲み物を用意してくれているはずだから」


「OK、浩紀。それと私のことは『ケイ』って呼んでくれればいいから。親しい人はみんなそう呼んでくれるから」


「わかったよ、ケイ。これからよろしくね。それじゃあ、行こうか」


浩紀が移動を促すとケイティは浩紀の腕に抱き着き、浩紀に身体をくっつけて歩き出したのであった。


「ちょ、ちょっと、ケイ……。なんで抱き着いてるんだよ?」


焦る浩紀。


「これはこれから一緒に住む家族としてのスキンシップね!だから気にしなくていいです。アメリカじゃ家族にこうするの当り前ね。これも文化交流ね!」


「ま、まあそういうことなら仕方ないか……。でも家の中ではいいけど、外ではあんまりやらないようにな」


「OK!約束ね」


そうして腕を組んだままリビングへ降りていく二人。


(ケイの大きな胸が腕に当たる……。意識しちゃだめだ、俺。無心になるんだ!)


浩紀はこの時、腕に当たる柔らかいものに意識を持っていかれ、リビングに誰がいるのかをすっかり忘れていたのであった。

階段を降り、腕を組んだままリビングへ入っていく二人。


「おう、来たか二人とも。って、ずいぶん仲良くなったんだな……」


博康はそう言って、博康を手伝っていた杏奈を見た。

杏奈は仲良く腕を組んでいる二人を見てわなわなと震えている。


「ひ~ろ~!随分と仲良さそうだけど、いったい二人で何をしてたのかな?」


杏奈が発した、聞いた者の心臓を凍らせるような冷たい声がリビングに響いた。


「ア、アン、落ち着いて。これはケイが言うにはアメリカ式の家族とのスキンシップだって……。だから一切やましい気持ちなんてないから!」


「本当に?1ミリもやましい気持ちはないのね?」


疑わしそうに浩紀の目を見つめる杏奈。


(ケイのやわらかいものに意識が行ってたなんて間違っても言えない……)


浩紀は冷や汗を流しながら必死に弁明する。


「も、もちろんだよ。俺が大好きな杏奈を悲しませるようなことをするわけないだろ」


ヒロの言葉を聞いて顔を緩める杏奈。


「もう、ヒロったら。みんなの前で『大好きだ』なんて恥ずかしいじゃない!」


そう言って力任せにヒロの背中をたたいた。

背中をたたかれ、咳き込む浩紀。


「ゴホ、ゴホ、……わかってくれたみたいでよかったよ」


杏奈の反応にほっと胸をなでおろす浩紀であった。

そこでケイティが杏奈に話しかけた。


「杏奈はきっと仲間外れにされて寂しかったね。だからこうすれば万事解決ね!」


そう言うと浩紀と腕を組んでいるのと反対側の手で杏奈と腕を組んだのであった。

慌てる杏奈。


「ちょっと、ケイ。いきなり何するのよ!」


いきなりの事に驚いた杏奈は、ケイティの腕を離そうとするががっちりつかまれており、引き剥がすことはできなかった。


「将来、杏奈は浩紀のお嫁さんね。だから、杏奈も私にとっては家族みたいなものね。こうすれば3人仲良しね!」


そう言って二人と腕を組んで満面の笑みを浮かべるケイティであった。

杏奈も『浩紀のお嫁さん』というフレーズを小声でつぶやきながら顔を赤くしていた。


「これはケイティの勝ちみたいだな」


そう言って楽しそうに笑う博康であった。


「ほら皆、席について。お茶にしよう」


博康が3人を促し席に着く。

博康の入れてくれた紅茶を飲みながらケイティの家族のことなど楽し気に会話する4人であった。

そしてこれからはケイティのことを『ケイ』と呼ぶこともここで決まったのであった。

しばらくして杏奈が席を立つ。


「それじゃそろそろ私は家に戻るね。ケイまたね。博康さん紅茶ごちそうさまでした。ヒロまた後で連絡するね」


そう言って家に帰ろうとする杏奈にケイティがいたずらっ子のような顔をして声をかけた。


「杏奈、そういえばさっき2階にいる時に、浩紀が私に『夜這いしてもいいよ』って言ってたね。だから今夜、浩紀に夜這いかけてもいいかな?」


その言葉に固まる浩紀。その浩紀の目線の先には背中に般若のお面を背負った杏奈がいた。


「ひ~ろ~!これからちょーと、ヒロのお部屋でじっくりお話ししましょうか……」


そう言うと杏奈は浩紀の耳をつまんで浩紀を彼の部屋まで引っ張っていく。


「痛い、痛い!ちょっと、誤解だって!ケイのいたずらだから!これは冤罪だ!」


冤罪をかけられた浩紀の叫びが虚しく桐谷家に響き渡っていた。


第1章第6話をお読みいただきありがとうございます。


今回はケイのいたずらっ子で人懐っこい性格が引き起こしたひと騒動を描かせていただきました。

楽しんでいただけたでしょうか?これからケイによって引き起こされる騒動をお楽しみに。


お願い:皆様からの応援(ブックマーク&【評価★★★★★】)をお待ちしております。その応援がケイを刺激して、さらなる騒動を引き起こしてくれるかもしれません(笑)。


アフターストーリーは基本的に不定期での投稿になりますので、ブックマークの更新通知機能をONにしていただけると嬉しいです。

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