表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『幼馴染の境界線 ―僕の祈りと、君の憧れ―』  作者: サッサン
第8章:絆の証明

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
100/102

第8章 第一話:新たな誘惑、帰るべき場所

この話は記念すべき第100話目になりました。いつも読んでくださっている皆様に大いなる感謝を!

お昼休み、杏奈は浩紀のいるA組の教室にいた。

杏奈は浩紀と昼食を一緒に食べるために、最近は毎日浩紀のクラスへやって来ている。

遊園地でのあの日以来、杏奈の纏う雰囲気は穏やかで、それでいて芯の強さも秘めていた。

それは、昼休みの教室で薫が「勉強を教えてもらう」という建前で、浩紀に誘惑を仕掛けてきた時も、少しも揺らぐことはなかった。


「浩紀さん、数学を教えてほしいんです。放課後、私の教室まで来てくれませんか? 二人きりで。」


A組の入り口で、薫がわざと周囲に聞こえるような甘い声で浩紀にねだる。

クラスメイトたちが「お、またか?」と色めき立ち、浩紀が「あ、ああ。いいけど……」と困ったように頬をかく。

普通なら、ここで杏奈が割って入るか、あるいは不安そうな顔をする場面だ。

しかし、浩紀の隣の席で昼食の準備をしていた杏奈は、微笑みながら二人のやり取りを見守っていた。


「浩紀さん、放課後ですよ。……待っていますからね?」


薫が勝ち誇ったような視線を杏奈に投げ、三階の教室へと戻っていく。

入れ違いに沙織が「ちょっと杏奈、あんなの放っておいていいの?」と心配そうに駆け寄ってきた。


「いいのよ、沙織。ヒロ、少し勉強を教えるだけでしょ」


「あ、うん。……アン、嫌じゃなかったか?」


浩紀が恐る恐る尋ねると、杏奈はくすくすと楽しそうに笑って、浩紀のネクタイを少しだけ整えてあげた。


「全然。だって、ヒロが私を置いてあの子を選ぶなんて、これっぽっちも思ってないもん」


その瞳には、一抹の不安も曇りもなかった。


「ヒロが私にくれた言葉、忘れてないから。ヒロの幸せは私を笑顔にすることでしょ? だったら、私が今こうして笑ってるのが、ヒロにとっての一番なんだもんね」


「……アン」


浩紀は、杏奈が自分を信頼し、そしてそれ以上に深く愛されていることを気付かされ、自然と笑みがこぼれた。


「それにね、ヒロ」


杏奈は浩紀の耳元で、少しだけ小悪魔っぽく囁いた。


「あの子に勉強を教えた後、ちゃんと私のところに帰ってきて、私のことも笑顔にしてね?……待ってるから」


その「信頼」という名の重みは、どんな誘惑よりも重く、そして浩紀を強く縛り付けた。

浩紀は深く頷き、「ああ、約束する」と力強く答える。


その様子をすぐそばで見守っていた沙織は、呆れたように肩をすくめた。


「……最強ね。これじゃ、薫がどんなに足掻いても付け入る隙なんてないじゃない」


一方、三階の階段で足を止めていた薫は、余裕を見せる杏奈の態度から伝わってくる二人の「揺るぎない信頼」を肌で感じ、小さく唇を噛んだ。


「……お姉様。ただ信じるだけが愛だと思ったら、大間違いですよ」


杏奈の信頼と、薫の執着。 平穏に見える日常の裏で、二人の少女の「浩紀を想う意志」が静かに、けれど激しく火花を散らし始めていた。


第8章第1話をお読みいただきありがとうございます。


ここから第8章のスタートです。

この章での主役は何といっても薫です。

これからどのような攻め方をしてくるのかをご覧ください。


この物語を応援して下さる方はぜひブックマーク&評価☆をよろしくお願いします。


明日も19時15分ごろに投稿しますのでよろしくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
100話おめでとうごさいます♪ これからも、まだまだもめそう?デレそう?楽しそう?いろいろありそうですが、ご投稿楽しみにしております!!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ