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目覚めたら異世界で人魚だった  作者: 御餅屋ハコ
目覚めたら異世界で人魚だった 第六章
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第六章 07 その日の成果

07 その日の成果


 町に着き、鑑定屋を探す。町の中心部に向かい、時計塔の近くを見回すと、『鑑定屋・ホクト』の看板を見つけた。

 鑑定屋の様子はタヴィデの町と変わらなかった。区役所のような、かっちりした頑丈な建物。中に入ると広間があり、『換金の方は一列になって並び、空いた窓口にお進みください』という看板がある。その先に窓口があり、『換金』『蓄光石の制作』『その他ご相談』の案内板が天井から下がっている。

 自分以外の魔物狩り屋が何人か『換金』の窓口にいたが、『換金』の窓口はいくつもあるので、私は開いている窓口に向かう。

 窓口には、椅子に座った受付の人魚と、半透明で微笑んでいる鑑定屋の精霊がいる。私が行った窓口はどちらも若い女性だった。人魚も精霊も同じ茶色の制服を着ているが、鑑定屋の精霊は眼鏡を掛けているし、半透明なのですぐに精霊だとわかる。

「いらっしゃいませ」

 椅子に座った受付の人魚が言う。私は首に掛けた蓄光石を外し、カウンターの上に置いた。

「これ、お願いします」

 精霊は微笑み、蓄光石を見つめた。

「では、鑑定いたします。こちらの蓄光石に蓄積された功績は……572テニエルとなります」

「精霊の鑑定にお間違いはございませんか? でしたら、お金を準備いたします」

 精霊が言い、受付の人魚が続ける。

「はい」

 私がうなずくと、受付の人魚がカウンターの下からお金を取り出し始める。

「……あのう、今日はハリーギョとザーコウオとハリャマーを倒したんですけど、どの魔物がいくらなんですか」

 待っている間に、私は精霊に質問した。

「基本価格は、ハリーギョが50テニエル、ザーコウオも50テニエル、ハリャマーが60テニエルですね。個体差によって金額は多少、前後します。今日は十匹ほど倒されたようですね」

 精霊は蓄光石に溜まった光の総量を読み取るという。どの魔物を何匹倒したかは、はっきり答えてくれない。いや、答えられないようだ。

 私は一人で魔物を倒しているが、数人のパーティで魔物を倒した場合は、光が全員に均等に分配されると以前ノアタムが言っていた。蓄光石がそういう仕組みになっているなら、倒した魔物の数を精霊が詳しく読み取れなくても仕方ない。

 でも、精霊は、蓄光石の光から魔物の残り香のような物を感じるのだそうだ。確かに私が今日倒したのは、十匹ほどだった。

 私が精霊に感心しているうちに、換金の準備が整った。

「では、こちらの蓄光石の光を、これだけのお金と交換いたします。ご確認ください」

 受付の人魚が、カウンターの上に置いたトレイを示す。そこには小銀貨が一枚、10テニエル銅貨が七枚、1テニエル銅貨が二枚、並んでいた。

 私がうなずくと、精霊が蓄光石に手をかざした。

「では、光を吸い取らせていただきます」

 銀色に輝いていた蓄光石が、黒色に戻っていく。

「ありがとうございます」

 私はお金を財布に入れ、蓄光石を首にかけ直す。受付の人魚と精霊がそろって頭を下げた。

「またよろしくお願いします」

 手続きは終わった。私は鑑定屋を後にした。

 町は夕方の赤い光に包まれていた。周りに人がいないことを確認してから、私はノアタムに話しかける。

「今日の稼ぎは五七二〇円ってことかあ。早めに帰ったし、魚の魔物しか倒してないもんね。

 宿代が400テニエルだから、食事代と合わせるとマイナスだなあ……」

「宿代が500テニエルでないだけ、他の町よりましだろう」

「うん……。明日はもうちょっと暗くなるまで魔物狩りするつもりだし、稼ぎが出費を上回るようにがんばるよ。

 じゃ、そのために栄養を付けないと……!」

 私はおいしそうな店を探して泳いだ。


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