第74話 1600年6月17日
朝
俺は目を覚ました。湯を沸かし、コーヒーを飲みながら一服する。首里城の客間には長いことお世話になりそうなので、昨日のうちにコーヒー一式を持ち込んでおいた。やっぱり朝のコーヒーと煙草は欠かせない。窓の外を見ると、まだ朝日が昇り始めたばかりだった。
今日は米倉庫の建築を始める予定だ。10メートル×20メートルの高床式倉庫を2棟建てることになっているが、まずは1棟目を完成させなければならない。6月20日には王府直轄の水田開墾が始まる。人夫200人に支払う給与米10.8トンを、それまでに保管できるようにしておきたい。
塩屋村から連れてきた6人には、王府の大工30人を指導してもらうつもりだ。最初の1棟は36人全員で建てる。塩屋村の6人が中心となって作業を進め、王府の大工たちには実際に手を動かしながら覚えてもらう。そして1棟目が完成したら、今度は王府の大工30人を中心に2棟目を建ててもらう予定だ。
塩屋村で高床式住居を建て始めた頃を思い出す。最初は柱を立てるだけでも苦労していた6人が、今では人に教える立場になったのだから大したものだ。コーヒーを飲み終えた俺は、煙草を消して身支度を整えた。
朝食までにはまだ時間がある。昨日連れてきた6人がどうしているか、様子を見に行くことにした。客間を出て廊下を歩いていると、向こうから城の使用人がやって来た。
「ユウマ殿、おはようございます」
「おはよう。昨日連れてきた6人はどこにいるかな?」
「皆様には別のお部屋をご用意しております。ご案内いたしましょうか」
「ありがとう。頼むよ」
使用人について廊下を進み、案内された部屋の前に着いた。中から話し声が聞こえてくる。どうやら6人とも起きているようだ。俺が声をかけると、扉が開いた。
「ユウマ!」
シルーが俺の顔を見て笑った。
「おはよう。よく眠れたか?」
「こんな立派なところで寝たのは初めてだ。みんな落ち着かなくてな」
部屋の中を見ると、ほかの5人もすでに起きていた。
「今日から倉庫を建てる。王府の大工が30人来るから、お前たち6人が中心になって教えてやってくれ」
「俺たちが教えるのか?」
シルーが驚いた顔をした。
「そうだ。塩屋村で何棟も建てただろう。今度はそのやり方を王府の大工に覚えてもらうんだ」
「俺たちにできるかな」
「できるさ。最初は俺が一緒にいる。難しいところは手伝うから心配するな」
6人は顔を見合わせた後、うなずいた。
「それと、今回は村の家よりずっと大きい。10メートル×20メートルの倉庫だ。柱の数も増やすし、床も頑丈に造らないといけない」
「そんなに大きいのか!」
「米をたくさん入れるからな。まず1棟をみんなで完成させる。それが終わったら、王府の大工たちに2棟目を建ててもらうつもりだ」
俺は6人に朝食を済ませたら建築予定地へ向かうよう伝え、部屋を後にした。さて、次は王府の大工30人との顔合わせだ。その前に、尚寧王と三司官にも今日から工事を始めることを伝えておこう。俺は朝食の用意がされている部屋へ向かった。
朝食の席には、すでに尚寧王と三司官が揃っていた。
「おはようございます」
俺が挨拶すると、尚寧王が笑顔で迎えてくれた。
「ユウマ殿、おはよう。昨日は塩屋までご苦労であったな」
「いえ、久しぶりに村のみんなの顔も見られましたし、よかったですよ」
俺は席に着き、用意された朝食をいただくことにした。食事をしながら、今日から始める米倉庫の建築について話を切り出した。
「王様、今日から米倉庫の建築を始めたいと思います。まずは2棟分の土地を整地して、1棟目から取りかかります」
「うむ。塩屋から連れてきた者たちが建てるのか?」
「はい。昨日連れてきた6人が中心になりますが、王府で集めていただいた大工30人にも一緒に作業してもらいます」
俺は、最初の1棟を全員で完成させ、その経験を生かして2棟目は王府の大工たちを中心に建ててもらうつもりだと説明した。
「なるほど。最初の倉庫を建てながら技を覚えさせるわけじゃな」
浦添親方が感心したようにうなずいた。
「そうです。塩屋の6人も最初から大工だったわけではありません。俺と一緒に何棟も建てるうちに覚えたんです」
「それは楽しみじゃな」
尚寧王も興味を示しているようだった。
「それと、6月20日には水田の開墾が始まりますから、それまでに1棟目を完成させたいと思っています」
「ずいぶん急ぐのじゃな」
「人夫200人に支払う米を入れるためです。20日の夕方までには10.8トンの米を搬入しておきたいんです」
「例の給与米じゃな」
「はい。200人に1日2斤ずつ支払えば、45日分になります」
名護親方が指を折りながら計算していた。
「なるほど。開墾に必要な日数と同じというわけですな」
「そういうことです。倉庫が完成すれば、給与米の管理も王府の方々に任せられます」
俺はもう一つ、以前から考えていたことを話すことにした。
「王様、先日お願いした職人と研究者92人のことですが、20日から始まる水田の開墾に全員参加させたいと思っています」
「職人たちも水田を造るのか?」
「はい。実は、職人たちに新しい技術を教える前に、覚えてもらいたいことがあるんです」
尚寧王と三司官が俺の方を見た。
「これから琉球で造る道具や建物は、長さや重さなどを私の知っている単位に統一したいと思っています」
「単位を統一するとは、どういうことじゃ?」
「例えば長さです。私の知っている単位では、1メートルを100センチメートルと決めています。重さならキログラム、水などの量ならリットルです」
俺は、同じ単位を使うことで、離れた場所にいる職人同士でも正確に道具や部品を造れるようになると説明した。
「しかし、職人と研究者92人全員に、私が一人で教えるのは難しいんです。そこで、学問を教えられる先生を12人集めていただきたいと思っています」
「先生を十二人か」
「はい。まず私が先生たちに教えます。そして、その先生たちから職人と研究者に教えてもらうんです」
浦添親方がうなずいた。
「なるほど。ユウマ殿が直接教える者を少なくし、その者たちから大勢に教えを広めるわけですな」
「そうです。ただ、教えるといっても、話を聞くだけではなかなか覚えられません。そこで水田の開墾を利用したいんです」
「水田の開墾を利用する?」
「はい。まず全員で土地を測ります。実際に巻尺を使って100メートルを測り、杭を打ち、水田の位置を決めます。測った数字を使って面積を計算し、図面も描いてもらいます」
俺は続けた。
「昼間は実際の作業を通して覚えてもらい、作業の合間や終わった後には座学も行います。先生12人にも一緒に参加してもらい、私が教えたことを職人や研究者たちに伝えてもらいます」
「座学とは何じゃ?」
「机に向かって学ぶことです。例えば、実際に測った100メートルという長さを使って、足し算や掛け算、面積の求め方を勉強します。現場で体験したことなら理解しやすいと思うんです」
名護親方が感心したように言った。
「なるほど。水田を造りながら学問も教えるというわけですな」
「そうです。鍛冶職人も木工職人も陶器職人も、長さや重さを正確に測れなければ、これから新しい道具を造ることはできません。まず全員に共通の知識を身につけてもらいたいんです」
尚寧王はしばらく考えてから口を開いた。
「よかろう。先生十二人を集めよう。職人と研究者九十二人も、二十日からの水田造りに参加させる」
「ありがとうございます。人夫200人と合わせると304人になります。人夫たちにも測量を手伝ってもらいますが、先生と職人、研究者には特にしっかり覚えてもらいたいと思っています」
「うむ。琉球のためになることじゃ。三司官、手配を頼む」
「はっ、承知いたしました」
これで水田の開墾と同時に、職人や研究者の教育も始められる。まずは全員に同じ単位を覚えてもらい、その後でそれぞれの専門分野の研究に進んでもらうつもりだ。
ここで俺は、城間親方に尋ねた。
「ところで、大工30人はもう集まっていますか?」
「はい。昨日のうちに手配を済ませております。今朝から作業に入れるよう申し付けてあります」
「ありがとうございます。それなら朝食が終わったら、さっそく始めましょう」
朝食を終えた俺は、尚寧王たちに挨拶して席を立った。まずは塩屋の6人を連れて、倉庫の建築予定地へ向かうことにした。
城の外へ出ると、すでに王府の大工たちが集まっていた。30人ほどの男たちが、俺たちの方を見ている。その中から年配の男が一歩前へ出た。
「ユウマ殿、本日より倉庫の建築を任されました。よろしくお願いいたします」
「こちらこそよろしくお願いします。ところで、お名前は?」
「私は大工たちをまとめております、ジルーと申します」
「ジルーさんですね。今回は塩屋村から6人連れてきました。この6人が建築の方法を教えますので、みなさんにも一緒に作業してもらいたいんです」
ジルーは6人に目を向けた。
「この方々が教えてくださるのですか?」
「そうです。塩屋では高床式の住居を18棟建てました。この6人は、その建築に携わってきた経験者です」
俺がそう説明すると、ジルーは納得したようにうなずいた。
「承知いたしました。よろしくお願いいたします」
シルーたち6人も頭を下げた。
「こちらこそ、よろしく頼む」
さて、まずは整地だ。俺は全員を建築予定地へ案内した。そこには、まだ草が生え、ところどころに石が転がっている土地が広がっていた。
「ここに10メートル×20メートルの倉庫を2棟建てます。まずは俺が土地を平らにするので、みなさんは少し離れて見ていてください」
俺はブラックホールを開き、パワーショベルを取り出した。突然現れた巨大な鉄の機械に、王府の大工たちが一斉に声を上げた。
「な、何じゃ、あれは!」
「鉄でできた大きな化け物じゃ!」
塩屋の6人は慣れたもので、驚く大工たちを見て笑っている。俺は運転席に乗り込み、エンジンをかけた。
大きな音が響くと、大工たちはさらに後ずさった。俺は窓を開けて声をかけた。
「危ないから近づかないでくださいね!」
それからバケットを地面に下ろし、整地を始めた。
20トンのパワーショベルは、さすがに力がある。地面に生えている草を根ごと剥ぎ取り、邪魔な石を取り除いていく。塩屋村で使っていた小型のパワーショベルとは、作業の速さがまるで違った。
まずは1棟目の建築予定地を整地し、そのまま2棟目の場所も平らにしていく。倉庫の周囲には荷物を運ぶための通路も必要なので、少し広めに整地しておいた。
途中、大きな石がいくつか出てきたが、バケットで掘り起こして脇へ移動させた。王府の大工たちは、巨大な石が簡単に持ち上がるたびに驚きの声を上げていた。
1時間ほどで2棟分の整地が終わった。俺はパワーショベルを止め、運転席から降りた。
「よし、これで整地は終わりです。みなさん、こちらへ来てください」
大工たちが恐る恐る近づいてきた。ジルーは平らになった地面を見渡し、何度も首を振っている。
「ユウマ殿、これほど広い土地を、たったこれだけの時間で……」
「神様の道具ですからね。人の手でやったら何日もかかるでしょう」
「何日どころではございません。石を取り除くだけでも大仕事です」
塩屋村の6人は、そんなジルーたちの反応を楽しそうに眺めていた。俺はブラックホールを開いてパワーショベルを戻し、代わりに巻尺と杭、木槌、それから図面を取り出した。
「それでは、倉庫の位置を決めましょう。シルー、みんなを6組に分けてくれ。塩屋の6人がそれぞれ1組ずつ担当してほしい」
「分かった。おい、みんな集まってくれ!」
シルーの声で王府の大工30人が集まってきた。塩屋村の6人に5人ずつ付いてもらい、全部で6組に分けた。
「まず、この倉庫は長さ20メートル、幅10メートルです。塩屋で建てた家よりずっと大きいので、柱の位置を正確に決める必要があります」
俺は図面を地面に広げ、全員に見せた。柱をどこに立てるのか、床の高さをどれくらいにするのか、順番に説明していく。
「最初に建物の四隅を決めます。シルーとジルーさん、こちらへ来てください」
俺は巻尺を伸ばし、最初の杭を打つ位置を決めた。そこから20メートルを測り、反対側の位置にも杭を打つ。
次に幅10メートルを測り、残りの二隅を決めた。ただ長さを測っただけでは四角形がゆがむこともあるので、対角線の長さも確認する。
「四隅が正しく決まっていないと、柱を立てた時にずれてしまいます。ここは大事なところです」
ジルーが真剣な顔で図面と地面を見比べている。
「なるほど。先に建物の形を地面に示しておくわけですな」
「そうです。塩屋でも同じようにしました。シルー、覚えているだろ?」
「もちろんだ。最初の頃は何度も測り直したからな」
シルーが笑うと、ほかの5人も笑い出した。
四隅の位置が決まったところで、今度は柱を立てる場所を測っていく。塩屋村の6人がそれぞれの組に分かれ、巻尺の使い方や杭の打ち方を教え始めた。
俺はその様子を見ながら、必要なところだけ声をかけることにした。
最初は緊張していた6人だったが、作業が始まると自然に指示を出すようになった。王府の大工たちも、分からないことがあれば積極的に質問している。
しばらくすると、地面には何本もの杭が打たれ、倉庫の柱の位置がはっきりと分かるようになった。
俺は図面と照らし合わせながら、一つずつ位置を確認していった。
「よし、これで柱の位置は決まった。次は柱を立てるための穴を掘ります」
ジルーが尋ねてきた。
「この人数で掘れば、今日中に終わりそうですな」
「いや、穴掘りは俺がやります。その間にみなさんには木材の準備をしてもらいます」
俺はブラックホールを開き、今度は小型のパワーショベルを取り出した。
「こちらの方が細かい作業には向いているんです」
塩屋村の6人には見慣れた機械だったが、王府の大工たちは再び驚いていた。
俺は運転席に乗り込み、杭で示した位置を確認しながら、柱を立てる穴を一つずつ掘り始めた。
その間、シルーたちは王府の大工たちを連れて、倉庫用の木材を並べ始めた。
これなら俺が穴を掘っている間も作業が進む。
塩屋村で苦労しながら覚えた技術が、今度は首里の大工たちへ伝わっていく。俺はその様子を横目に見ながら、次の穴へバケットを下ろした。
柱穴を掘り終えた頃には、昼近くになっていた。俺は小型のパワーショベルを止め、穴の位置と深さを確認していった。これだけ大きな倉庫になると、柱が少し傾いただけでも後々面倒なことになる。
シルーたちの方を見ると、王府の大工30人と一緒に木材を種類ごとに並べ終えていた。柱、梁、床板と分けられており、作業しやすいように置かれている。
「ユウマ、木材の準備は終わったぞ」
「ありがとう。ちょうどこっちも終わったところだ。昼飯にしようか」
俺が声をかけると、ジルーが近づいてきた。
「ユウマ殿、昼の食事はこちらで用意しております。皆にも運ばせましょう」
「助かります。それじゃ、午後から柱を立てましょう」
しばらくすると、王府の使用人たちが食事を運んできた。俺たちは近くの日陰に腰を下ろし、みんなで昼食を取ることにした。
塩屋村の6人は王府の大工たちに囲まれ、建築の話をしている。最初は遠慮がちだった王府の大工たちも、今では気軽に質問するようになっていた。
「塩屋では、あの神の道具をいつも使っておるのか?」
「そうだ。最初は俺たちも腰を抜かしそうになったぞ」
シルーの言葉に周囲から笑い声が上がった。
「だが、ユウマがいれば仕事が早い。俺たちは木を組むことに集中できるからな」
俺はその会話を聞きながら、午後の作業を考えていた。今回の倉庫は10メートル×20メートル。塩屋の住居とは比べものにならない大きさだ。
米を大量に積むことになるので、柱も梁も十分な強度が必要になる。今回持ち込んだ木材は倉庫用に加工してもらったものだが、組み立てる時には慎重に確認しなければならない。
昼食を終え、少し休憩してから作業を再開した。
「それじゃ、午後から柱を立てます。まずは俺がやり方を見せるので、みなさん見ていてください」
俺はブラックホールからフォークリフトを取り出した。今度は王府の大工たちも、何か大きな道具が出てくることには少し慣れたようだった。
それでもエンジンをかけると、何人かが驚いて後ろへ下がった。
「この道具で重い木材を運びます。柱を立てる時は、俺が位置を合わせるので、みなさんは指示があるまで近づかないでください」
まずは柱を1本運び、穴の近くに下ろした。そこから柱を起こす作業は、シルーたちと王府の大工に手伝ってもらう。
「柱が傾いていないか、こちらの道具で確認します」
俺は水平器を取り出し、柱に当てて見せた。
「中にある泡が真ん中に来れば、まっすぐ立っているということです」
ジルーが興味深そうにのぞき込んだ。
「これは便利な道具ですな。柱の傾きがすぐに分かる」
「そうでしょう。あとで何個か渡しますから、みなさんも使ってみてください」
柱を仮に固定し、位置を確認してから次の柱へ移る。シルーたち6人はそれぞれの組に分かれ、柱の支え方や固定の仕方を教えていた。
最初のうちは俺が何度も確認していたが、数本立てた頃には王府の大工たちも要領をつかみ始めた。
「ジルーさん、次の柱はみなさんでやってみましょう。俺は横で見ています」
「承知いたしました」
ジルーが声をかけると、5人ほどの大工が柱の周りに集まった。シルーが位置を指示し、ほかの者たちが柱を支える。
「もう少し右だ。そう、そのまま!」
「よし、まっすぐになったぞ!」
俺が水平器で確認すると、ほぼ正確に立っていた。
「いいですね。その調子です」
ジルーはうれしそうに笑った。
「ユウマ殿、これなら我々にもできそうです」
「もちろんです。みなさんは元々大工なんですから、やり方さえ覚えれば、俺よりずっと上手に建てられると思いますよ」
そう言うと、ジルーは照れくさそうに頭を下げた。
午後の作業は順調に進んだ。重い木材の運搬は俺が担当し、柱の位置合わせや仮固定は塩屋の6人と王府の大工たちが行う。
途中で何度か休憩を挟みながら作業を続け、夕方になる頃には柱が何本も立ち並んでいた。
俺は少し離れたところから建築途中の倉庫を眺めた。まだ柱だけだが、10メートル×20メートルという大きさがはっきりと分かるようになってきた。
「今日はここまでにしましょう。明日は残りの柱を立てて、梁を組んでいきます」
ジルーが大工たちに作業終了を伝えた。
「ユウマ殿、今日はありがとうございました。まさか初日からここまで進むとは思いませんでした」
「みなさんが頑張ってくれたおかげですよ。明日もよろしくお願いします」
俺は塩屋の6人にも声をかけた。
「みんなもお疲れさん。教えるのは大変だっただろ?」
シルーが笑いながら答えた。
「いや、思っていたより楽しかったぞ。最初の頃の俺たちを見ているようだった」
「そうか。それならよかった」
ほかの5人もうなずいていた。どうやら王府の大工たちとも、うまくやっていけそうだ。
俺はフォークリフトと小型のパワーショベルをブラックホールに戻し、工具類を片付けた。
明日は残りの柱と梁を組み、できれば床の骨組みまで進めたい。20日の夕方までには、何としても1棟目を完成させなければならない。
俺は6人と一緒に首里城へ戻ることにした。




