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ブラックホールの向こうは400年前の沖縄でした〜現代の道具と知識で始める琉球王国改革〜  作者: gere


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第63話 1600年6月2日

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朝。


俺は昨日、塩屋村に帰ってきてすぐに現代へ戻り、金を換金して再び塩屋村へ戻ってきた。


2つの時代を行き来しながら、ずっと起きていたので、相当疲れが溜まっていたようだ。昨夜は布団に横になると、あっという間に眠ってしまった。


ただ、それ以上に今回は儲けた。まさか、これほどの金額になるとは思ってもいなかった。


俺はコーヒーを淹れ、煙草に火をつけると、今回の取引でどれだけ資金が増えたのか、改めて計算することにした。


まず、陳さんと取引する前の現代での残金は10,548,225円だった。そこから陳さんとの取引で金286匁5分を受け取った。


金1匁は3.75グラムだから、全部で1,074.375グラム。現代の買取価格は1グラム23,187円で、売却額は24,911,533円になった。


つまり、陳さんとの取引を終えた時点で、現代の資金は合計35,459,758円になった計算だ。


ただし、ここから那覇へ持っていく商品の仕入れ代金を差し引かなければならない。


今回購入したのは、銀1キロの延べ棒10本で合計10キロ。購入費用は3,370,400円だった。


さらに人工ダイヤモンドを4個購入した。2カラットが10万円、3カラットが18万円、4カラットが25万円、5カラットが40万円。合計930,000円だ。


銀とダイヤモンドの仕入れ代金は、合わせて4,300,400円。


35,459,758円から差し引くと、現代に残っている資金は31,159,358円になる。


そして一昨日の那覇での取引だ。


銀10キロは、華人の商人と金1匁に対して銀10匁5分の割合で交換した。受け取った金は約253.97匁、重さにして約952.38グラムになる。


ダイヤモンド4個は南蛮商人に売却した。2カラットが金50匁、3カラットが金100匁、4カラットが金350匁、5カラットが金500匁。合計金1,000匁だ。


銀の交換分と合わせると、今回那覇で手に入れた金は約1,253.97匁。重さにして約4,702.38グラムになる。


これを現代へ持ち帰り、1グラム23,187円で換金した結果、約109,034,107円になった。


現代に残っていた31,159,358円と合わせると、140,193,465円。約1億4,019万円になる。


それでも、陳さんとの取引前には約1,055万円だった資金が、今回の交易を終えて1億4,000万円を超えた。


俺は思わず笑ってしまった。


とりあえず俺は湯を沸かし、コーヒーを淹れて一服する。それでもニヤけるのが止まらない。何度計算しても1億4,000万円を超えているんだから、仕方ないだろう。


さて、今日の段取りを考えるか。今日は待ちに待った琉球芋の収穫だ。いったいどれだけ収穫できるのか、今から楽しみで仕方がない。


今日は3つの隣村も芋掘りに招待している。自分たちの村で育てている芋が、どれだけ収穫できて、どれほど美味しいのかを実際に体験してもらうためだ。


各村から20人ずつ、合計60人を招待した。そこに塩屋村の50人を加え、総勢110人で芋掘りをする予定だ。


コーヒーを飲み終えた俺は、広場へ向かった。いつものように塩の煮炊き場では、かなさんが大きな鍋をかき回していた。


「かなさん、おはよう」


「おはようございます、ユウマさん」


「今日は芋掘りだね。今日収穫する芋は、とても甘くて美味しいから期待してて」


「はい、とても楽しみです」


かなさんは嬉しそうに微笑みながら、鍋をかき回していた。


俺はかなさんと少し話をしてから、今日の焼き芋の準備について考えた。せっかく110人も集まるんだから、掘りたての安納芋をその場で焼いて食べてもらいたい。


焼き芋用には100kgほど使う予定だ。問題は、これだけの量をどうやって一度に焼くかだな。


俺は畑の近くに焼き場を4か所作ることにした。1か所につき25kgずつ焼けば、合計100kgになる。


まず、長さ2m、幅1m、深さ30cmほどの穴を4か所掘る。穴の中で薪を燃やし、十分な量の熾火を作ってから芋を並べる方法だ。


アルミホイルも新聞紙もないが、そんなものがなくても焼き芋は作れる。昔ながらの焚き火と土を使えばいい。


掘りたての安納芋は土を軽く落とし、熾火を脇に寄せて穴の底に並べる。その上から薄く土をかぶせ、さらに熾火を広げれば、じっくり蒸し焼きにできる。


焼き時間は60分から120分ほどを見込んでいる。途中で太い芋を取り出して火の通りを確認すればいいだろう。


これなら焼き場を4か所同時に使って、100kgの安納芋を焼くことができる。焼き場の担当は各2人、合計8人いれば十分だ。


朝のうちから薪を燃やして準備しておけば、昼頃には最初の焼き芋が食べられるはずだ。


朝食の時間になると、村人たちがわらわらと広場に集まってきた。


俺はサンルー、チラー、クマを起こすため、いったん倉庫へ戻った。3人を起こして広場へ連れていくと、ナビーもウミ、マナ、チヨを起こしに行っていたようで、マカトも含めて皆が揃っていた。


「ユウマ! 今日、芋掘りなんだよね!」


マカトが嬉しそうに聞いてきた。


「そうだよ。今日は皆で芋を掘って食べような。甘くて美味しいよ」


俺がそう答えると、子供たちは皆、嬉しそうな顔をしていた。


朝食を終えた俺は、タルガニとシンガを連れて第一畑へやってきた。


「今日は芋掘りだけど、とんでもない量が収穫できるはずだから、びっくりするなよ」


俺がそう言うと、2人は顔を見合わせていた。


「昨日指示した通り、今日は3つの村から人が来るから、皆で芋を掘ってくれ。俺は収穫した芋がどれだけあるか量るから」


「それから、収穫した芋のうち25貫は、今日ここで焼き芋にして皆で食べるつもりだ」


25貫だから、現代の重さにすると約100キロだ。110人で食べるんだから、これくらいあれば十分だろう。


「最後に、3つの村にはそれぞれ50貫ずつ、お土産として持ち帰ってもらうからな」


50貫は約200キロ。3つの村に渡すから、合計で約600キロになる。


すると、シンガが少し不満そうな顔をした。


「そんなに渡すんですか?」


どうやら、せっかく育てた芋を大量に持っていかれるのが気になるらしい。まあ、どれだけ収穫できるのか分からないんだから、そう思うのも無理はない。


「心配するな。今日の収穫は、この村だけでは到底食べきれないほどの量になるはずだから」


俺がそう言っても、シンガはまだ半信半疑のようだった。


「まあ、実際に掘ってみれば分かるさ。それより、まずは焼き芋を作る準備だ」


俺は畑の端を指さした。


「ここに焼き場を4か所作ろう。1か所につき長さ2間、幅1間ほどの場所を確保して、深さは1尺くらい掘ってくれ」


2間は約3.6メートル、1間は約1.8メートルだ。芋をなるべく重ねずに並べられるよう、少し広めに取ることにした。


「穴を掘ったら、その中で薪をたくさん燃やすんだ。薪が燃え尽きて赤い熾火になったら、焼き芋を作れるようになる」


俺は地面に棒で簡単な図を描きながら説明した。


「まず熾火を脇に寄せて、熱くなった穴の底に芋を並べる。その上から薄く土をかぶせて、さらに熾火を広げる。そうすれば、芋を焦がさずにじっくり焼けるんだ」


「土をかぶせるんですか?」


タルガニが不思議そうに聞いてきた。


「ああ。直接火に当てると表面ばかり焦げてしまうからな。土の中でゆっくり熱を通すんだ。芋の大きさにもよるけど、半刻から1刻くらいでは足りないかもしれない。中まで火が通るよう、余裕を持って焼こう」


「なるほど。それなら朝のうちに薪を燃やしておいた方がよさそうですね」


「そういうこと。焼き場には2人ずつ、合計8人をつけてくれ。火の番をしながら芋の焼け具合を確認してもらう」


俺はもう一度、畑を見渡した。


「よし、それじゃ始めようか」


午前10時頃になると、隣村から続々と人がやってきた。3つの村からそれぞれ20人ずつ、合計60人だ。塩屋村の50人と合わせて、総勢110人が第一畑に集まった。


俺は皆を集め、芋掘りの注意事項を説明した。


「今日は皆で琉球芋を収穫する。芋は傷をつけると傷みやすくなるから、無理に引っ張らず、周りの土を掘ってから取り出してくれ。掘った芋は投げたりせず、丁寧に運んでほしい」


俺は畑の端に置いた籠を指さした。


「掘った芋はこの籠に入れて、こちらへ運んでくれ。全部重さを量るからな。どれだけ収穫できたか、最後に皆に教えるよ」


「それから、芋の葉っぱやつるも捨てないでくれ。これも全部使えるんだ」


俺は畑に茂っている芋の葉を手に取った。


「若くて柔らかい葉っぱは、刻んで汁物や雑炊に入れて食べられる。今日の夕飯にも使ってみよう」


「残った葉っぱやつるは、ヤギや鶏の餌になる。柔らかいところを細かく刻んで、ほかの餌と混ぜてやればいい」


「それでも余った硬いつるや傷んだ葉っぱは、堆肥にして畑へ戻す。だから、芋だけじゃなく葉っぱもつるも、全部集めておいてくれ」


村人たちは感心したように頷いていた。


説明を終えると、いよいよ芋掘りが始まった。


俺はバインダーに紙を挟み、20キロまで量れる計量器を用意した。村人たちが次々と運んでくる芋を量り、その重さを紙に記入していく。


最初の籠を量り終えると、すぐに次の籠が運ばれてきた。俺は休む暇もなく計量を続けた。


量り終えた芋は横に積み上げていく。そのうち100キロまでは今日の焼き芋用だ。担当の村人たちが焼き場へ運んでいった。


100キロを超えても、芋は次々と運ばれてきた。


200キロ、300キロ、500キロ。


俺は数字を記入するたびに、どんどん増えていく収穫量を確認していた。予想通り、なかなかの収穫だ。


やがて合計が1トンを超えた。


シンガは積み上がった芋を見ながら、何度も俺のところへやってきた。


「ユウマさん、これでどれくらいあるんですか?」


「もう270貫を超えたよ」


「270貫ですか!」


シンガは目を丸くしていた。


「まだまだあるぞ。畑を見てみろ。まだ半分以上残っているだろう」


俺がそう言うと、シンガは畑と芋の山を交互に見つめていた。


それからも収穫は続いた。


2トンを超え、3トンを超えても、まだ芋が運ばれてくる。俺はひたすら計量器に籠を載せ、数字を記入していった。


最後の芋が運ばれてきた時には、畑の端に大きな芋の山ができていた。


俺は最後の数字を記入し、これまでの記録を合計した。


4,012キロ。約1,070貫だ。


予想していた4トンを超える安納芋が収穫できた。


「シンガ、全部で約1,070貫だぞ」


「せ、千貫を超えたんですか……?」


シンガは目の前の芋の山を見つめたまま、しばらく動かなかった。


そして、その場にへたり込んでしまった。


どうやら、本当に腰を抜かしたらしい。


俺は思わず笑ってしまった。


朝は隣村に50貫ずつ渡すと聞いて不満そうにしていたのに、今ではその何倍もの芋が目の前に積み上がっているんだから、無理もないだろう。


すると、シンガが俺のところへやってきた。


「ユウマさん、さっきはケチなことを言ってすみませんでした」


シンガは申し訳なさそうに頭を下げた。


俺は思わず笑ってしまった。


「ははは、気にするな。今までこれだけの芋を収穫したことがないんだから、しょうがないさ。俺だって実際に掘ってみるまでは、ここまで収穫できるか分からなかったんだから」


そう言って、俺は少し離れた第二畑を指さした。


「それにな、あと何か月かすれば、あの第二畑からも今日と同じくらいの琉球芋が収穫できるんだぞ」


「えっ! あちらの畑からもですか!」


「ああ。今日と同じくらい収穫できれば、また千貫を超えることになるな」


シンガは第二畑を見つめたまま、しばらく黙っていた。どうやら、もう一度これだけの芋が積み上がる光景を想像しているらしい。


「そんなにたくさんの芋が採れるなんて……」


シンガは恐縮したように頭をかきながらも、嬉しそうに笑っていた。


そんな話をしているうちに、焼き場の方から声がかかった。


「ユウマさん! 芋が焼けましたよ!」


おっ、ようやく焼き上がったか。


焼き場へ行くと、土の中から掘り出された焼き芋が次々と並べられていた。皮の一部が割れ、中から黄金色の芋が顔をのぞかせている。


俺は焼き芋を1個手に取った。熱くて持っていられないほどだが、皮を少し割ってみると、湯気と一緒に甘い香りが立ち上ってきた。


うん、いい感じだ。


俺は焼き芋を手にしたまま、皆に向かって声を張り上げた。


「よーし! 皆、待たせたな! 今から焼き芋を食べるぞ! 準備はいいか!」


「おおーっ!」


大人も子供も一斉に声を上げた。


「熱いから気をつけろよ! 皮をむいて、中の黄色いところを食べるんだ。じゃあ、いただきます!」


「いただきます!」


皆は熱々の焼き芋を手に取り、ふうふうと息を吹きかけながら皮をむき始めた。


そして、あちらこちらで一斉に焼き芋を頬張った。


「うわっ! 甘い!」


「なんだこれは! こんなに甘い芋があるのか!」


「美味しい! すごく美味しい!」


最初に歓声を上げたのは子供たちだった。


「ユウマ! これ、お菓子みたいに甘いよ!」


マカトが焼き芋を両手で持ちながら、目を輝かせている。


「本当だ! 甘い!」


サンルーも夢中になって食べていた。チラーとクマも口の周りに芋をつけながら、嬉しそうに頬張っている。


ウミ、マナ、チヨも負けていない。熱い芋をふうふう冷ましながら、一口食べるたびに顔を見合わせて笑っていた。


「こんなに甘いもの、初めて食べた!」


子供たちの声が畑いっぱいに響いていた。


大人たちも驚いているようだった。


「これは本当に芋なのか?」


「砂糖でも入っているんじゃないのか?」


「いや、畑から掘ったばかりの芋だぞ。そんなわけないだろう!」


そんな会話があちらこちらから聞こえてくる。


隣村から来た人たちは、特に驚いているようだった。焼き芋を半分に割って黄金色の中身を眺めたり、隣の人に食べさせたりしている。


「俺たちの村で育てている芋も、こんなに甘くなるのか?」


「そうだよ。皆の村に植えたのも同じ琉球芋だからな。ちゃんと育てれば、こんなに甘い芋が採れるんだ」


俺がそう答えると、隣村の人たちから大きな歓声が上がった。


「それなら収穫が楽しみだ!」


「早く俺たちの村でも掘りたいな!」


「こんな芋がたくさん採れるなら、子供たちも喜ぶぞ!」


皆、焼き芋を食べながら嬉しそうに話している。


俺はその様子を眺めながら、自分も焼き芋を一口食べてみた。


うん、甘い。


掘りたてだから、もう少し寝かせた方が甘くなるはずだが、それでも十分美味しい。黄金色の身は柔らかく、口の中に自然な甘みが広がっていく。


周りを見ると、あちこちで焼き芋のおかわりを求める声が上がっていた。


「ユウマさん! もう1個食べてもいいですか!」


「もちろん! 今日はたくさん焼いたから、遠慮せずに食べてくれ!」


俺がそう答えると、また歓声が上がった。


子供たちは嬉しそうに焼き場へ駆け寄り、大人たちも笑いながら2個目の焼き芋を手に取っていた。


朝から皆で掘った芋を、その場で焼いて一緒に食べる。たったそれだけのことなのに、畑はまるで祭りのような賑わいになっていた。


俺は焼き芋を頬張りながら、嬉しそうに笑っている村人たちを眺めていた。


2個目の焼き芋を食べ終わった人たちから、今度はこんな声が聞こえてきた。


「いやあ、美味かった。それに、この芋は腹持ちもいいな」


「本当だ。2個食べただけなのに、腹がいっぱいになったぞ」


「これだけ甘くて腹も膨れるなら、毎日の飯にも使えるんじゃないか?」


俺はその話を聞いて、皆に声をかけた。


「そうだな。琉球芋は腹持ちもいいし、いろんな料理に使えるんだ。例えば、いつも食べている雑炊に入れるといいぞ」


「雑炊に芋を入れるんですか?」


「ああ。芋を小さく切って米と一緒に煮込めばいい。米が少なくても腹いっぱい食べられるし、芋の甘みが出て美味しくなる。米の節約にもなるからな」


「なるほど! それはいいですね!」


「それに、芋は焼くだけじゃなく、蒸したり煮たりしても美味しい。味噌汁に入れてもいいし、薄く切って干しておけば保存食にもなるぞ」


皆は感心したように頷いていた。


しばらくすると、焼き芋を食べ終わった人たちが片付けを始めた。俺も最後の焼き芋を食べ終え、隣村の人たちに声をかけた。


「それじゃあ、今日は皆にお土産があるぞ。3つの村に、それぞれ琉球芋を50貫ずつ持って帰ってもらうからな」


「50貫もですか!」


「そんなにいただいていいんですか?」


隣村の人たちから驚きの声が上がった。


「ああ。今日は4,000キロ以上も収穫できたんだから、遠慮するな。それから、残った焼き芋も皆で分けて持って帰ってくれ。村で待っている家族にも食べさせてやってほしい」


その言葉に、隣村の人たちは嬉しそうに顔を見合わせていた。


俺はさらに、持ち帰った芋の食べ方について説明することにした。


「それと、ひとつ覚えておいてほしいことがある。今日食べた焼き芋は、掘ったばかりの芋を焼いたものなんだ」


「はい。とても甘くて美味しかったです!」


「実はな、この琉球芋は、収穫してから2週間から3週間ほど置いておくと、もっと甘くなるんだぞ」


「ええっ! これ以上甘くなるんですか!」


周りにいた人たちが一斉に驚いた。


「ああ。掘ったばかりでも十分美味しいけど、しばらく置いてから焼くと、今日よりもっと甘くなるんだ」


「これより甘くなるなんて、信じられませんね……」


「だから、持ち帰った芋は全部すぐに食べず、少し残しておくといい。ただし、雨に濡らしたり、湿った地面に直接置いたりしないようにな」


俺は皆の顔を見ながら説明を続けた。


「まず、芋についた土は無理に洗い落とさず、傷つけないように扱ってくれ。風通しのいい日陰で数日乾かしてから、皆の村に作った倉庫で保管するといい」


「倉庫に置いておけばいいんですね?」


「ああ、2週間から3週間ほど置いてから食べてみてくれ」


「そういうこと。焼く時も、強い火で一気に焼くんじゃなく、弱めの火で時間をかけてじっくり焼くと、甘みが出やすいんだ」


「今日よりもっと甘くなるのか……」


隣村の人たちは、手元の焼き芋を見つめながら何やら話し合っていた。


「それから、芋を薄く切って天日に干しておけば、保存食にもなる。しっかり乾かして湿気を避ければ、長く置いておけるからな」


「それは助かります。食べ物が少ない時にも使えますね」


「ああ。ただし、傷んだ芋は保存せず、早めに食べるようにしてくれ」


説明を終えると、隣村の人たちは何度も頷いていた。


やがて、各村の人たちが50貫ずつの琉球芋を分けて運び始めた。1つの村だけでも相当な量だから、皆で手分けして籠に詰めている。


さらに、残った焼き芋も分けて渡すと、あちらこちらから嬉しそうな声が上がった。


「家に帰ったら、子供たちにも食べさせてやろう!」


「うちの母ちゃんも驚くだろうな!」


「今日は本当にありがとうございました!」


隣村の人たちは、何度も頭を下げながら礼を言っていた。


「気にするな。皆の村でも、もう少ししたら琉球芋が収穫できるんだからな。今日のことを思い出して、大事に育ててくれよ」


「はい! 収穫が楽しみです!」


そう言って、隣村の人たちはたくさんの琉球芋と焼き芋を抱え、嬉しそうにそれぞれの村へ帰っていった。


俺はその後ろ姿を見送りながら、今日の芋掘りは大成功だったなと思った。


読んでいただきありがとうございます。

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