第七話 昇進
俺の名前は石川池早九
埼玉県警刑事部の刑事だ。
通称、自称、せっかち刑事。
とにかく、早く帰りたい。
なのに、今日も事件が俺を呼ぶ。
「先輩こっちです。刑事部長がお呼びです。」
「事件じゃないのか?」
「は?なんの話です?」
「いや、こっちの話だ。」
いったい、どうゆう展開になるんだ?
読者も気になっているはず。
帰宅するだけじゃないのと思っているはず。
「失礼します。」
俺は刑事部長の部屋に入った。
「石川くん。君、昇進してもらうよ。」
「え?本当ですか?それは、この話のコンセプト的に大丈夫ですか?」
「何の話だ?」
「いえ、こちらの話です。」
「とにかく、今度は管理官として、働いてもらうから。」
「か、管理官ですか?! すごく飛び級の昇進なのですが……」
「君は、意外と優秀だからな。私が上に掛け合ったんだ。」
「ありがとうございます。」
「やってくれるな?」
「もちろんです。光栄です。」
「管理官になったら、少しだけ残業してもらうよ。」
「この話、お断りします!」
「じゃあなしで。」
「よし!帰るぞ!」
俺はさっさと帰宅する。
この話を妻にしなくっちゃ。
昇進、断ってごめんって言わなくちゃ。
5:24
「ただいま。」
何の声もしない。
誰も迎えに出てこない。
あれ?何かあったかな?
テーブルに書き置きが置いてある。
『実家に帰ります』
「くそぉぉぉ、昇進断ってごめんぅぅぅ、なんでもう知ってるのぉぉぉ、せっかちぃぃぃ、言い訳させてぇぇぇ、帰ってきてぇぇぇ……」
明日は、もっと早く帰りたい。




