表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢カレンのシナリオ改変、あれ?他にも転生者がいる??  作者: BIRD


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
22/38

ep22:思い出のホワイトグラタンパイ

 アストルのおまじないが効いたのかもしれない。

 私は、前世で幸せだった頃の夢を見た。



 ◇◆◇◆◇



 私は、日向食堂の料理が好きだった。

 洋食も和食もどちらも美味しくて、大好きだった。

 好き過ぎて、いつもその味を再現したいと思っていたの。

 だから、日向のおじさんやおばさんが作るのを眺めたり、調理補助をさせてもらったりして料理を学んでいたわ。

 おじさんもおばさんも丁寧に教えてくれて、私の料理の腕は確実に上がっていった。


「陽太くん、これ食べてみて」

「ありがとう! ちょうど腹減ってたんだ」


 私の試作料理を最初に食べてくれるのは、いつも陽太くんだった。

 おじさんやおばさんが、「腹ペコ陽太に食べさせてやりな」と言ってたから。

 上手にできたら、まず陽太くんにあげた。

 陽太くんはいつも気持ちいい食べっぷりで、試作料理を完食してくれた。

 彼も好き嫌いなく何でも食べられる子で、日向食堂の料理が大好きだと言っていたわ。

 その味を覚えようと練習を続ける私のことも、応援してくれた。

 そんな彼が特に喜んで食べてくれた料理を、私は今でも覚えている。


 ベーコンとチーズたっぷりの、ホワイトグラタンパイ。


 深めのグラタン皿に角切りベーコンと玉葱とホワイトソースを入れて、とろけるチーズとコーンをパラパラと散らして、上からパイ生地を被せて蓋をする。

 バターと小麦粉と牛乳から作るホワイトソースは、仕上げに生クリームを加えて濃厚に仕上げた。

 それをオーブンで焼けば、サクッとしたパイ生地の下に、トローリとろけるチーズと、ベーコンやコーンが隠れたグラタンパイが出来上がる。


「これ美味い! サクサクでトローッとして最高!」


 一口食べた途端、陽太くんは最高の笑顔を見せてくれた。

 普段から明るくて笑顔が多いけど、そのときは特に嬉しそうに笑った。

 その後はもう夢中でパクパク食べていたわ。


「なんかいい匂いがする~、あ! 陽太ずるい! 1人で全部食べた!」


 陽太くんが満面の笑みで完食したところに美月ちゃんが来て、大騒ぎになったのはいい思い出。

 以来、双子の誕生日に私はホワイトグラタンパイを作ってあげていた。

 飾り切りを覚えてからは、花や星の形に切った人参を入れたりしていたわ。

 二人とも楽しみにしていてくれて、食卓にグラタンパイを置くと拍手するくらいだった。



 ◇◆◇◆◇



 翌朝、目を覚ました私は、また陽太くんを想って泣きそうになった。

 楽しい夢も、二度と戻れない過去だと分かると悲しくなる。

 陽太くんの笑顔がもう見られないことが辛い。


(ホワイトグラタンパイ、久しぶりに作ってみようかな……)


 起き上がった私は、ベッドの上で少しボーッとしながら、そんなことを考えていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ