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WABE ~すべてを失った少年が終末世界に抗い続ける物語~  作者: terakoya-8
再侵攻編

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Twenty-Sixth 杖

 二人は大型のブレードを構え、地面を踏み貫き、前へ飛ぶ。

 

 __ガン!

 黒い何かがブレードを受け止め、空気を揺らす。

 地面から生え、弓のように沿った構造物。

 黒い光沢をもち、刃の当たった部分に小さなひび割れが見えた。


「甘い」

 杖についた円形のユニットを回す。

 握りが黒い構造物に覆われ、黒く光った。

 

 

 __ブン!

 鈍い音とともに空気を揺さぶるとともに、二人の髪がわずかに揺れた。


「高見澤!避けろ!」

 目の前に杖の握りが迫る。

 

 __バリン!

 高見澤の前に人影が浮かび、ブレードの破片が飛び散る。

 割れたひし形のブレードをしまい、両手でギガントを握る。

 高見澤も後ろに回り、飛びかかる。


 突然、杖から黒い霧が立ち込めた。

 

 __ブン!

 二本のブレードが霧を振り払う。


 だが、


「手ごたえが、無い」

 目を見開いて見つめる。


「こんにちは」

 何か、尖ったものが背中を軽く突く。


「ひゃっ!」

 振り返るとともに裏返った声が漏れ、足が棒になる。


 梶山が高見澤の前へ回って蹴り飛ばし、ブレードを前に出す。

 両手を軽く曲げ、しっかりと支える。


 __カーン!

 甲高い金属音が空気を揺さぶるとともに、ブレードが光る。


「チャージ」


 相手の体にブレードを押し付け、飛ぶ。

 杖から霧は出ていない。

 

「ビンゴだ」

 グリップを両手で握り、空中で体をねじる。


 __ガシン!

 ブレードど杖が触れ、相手を飛ばす。


 落下点には、同じブレード。


 __ガン!

 高見澤もブレードを振りきり、弾き飛ばす。

 

 

 空中で円形のユニットを回し、杖を前に出す。

 杖全体が黒く覆われ、光る。

 

 __ガン!

 杖でブレードをたたき、落下点をずらす。


「逃げたか」

 地に足をつけ、逃げた方向を見つめる。


「追いましょう!」

 二人は杖を持った人物の後を追った。

 


 __ストン。

 渓人の背後で靴音が鳴った。

 

「初めまして」

 地面に立てた杖に両手を置く。


「君が飛晶の適合者かね」

 渓人に問いかける。

 

(さっきから、この話しかされてない)

 首を傾げ、言葉に詰まって沈黙する。

 

「飛翔をご存じではない?」

 目を細め、渓人に視線を送る。 


「とぼけるなら、聞き出すまで」

 杖を地面から


 渓人は地面を蹴り、飛びかかる。

 そのまま引き金を引き、腕を振る。

 

 __カン!

 甲高い金属音とともに、刃が止まる。


「さすが、次世代のWABE」

 片方の腕を顎に当て、視線を送る。


「何のことだ」

 困ったように目を細める。


「いずれわかるさ」

 そう言って杖を振り、握りでブレードを叩く。


 武器を持ち替え、照準器を覗く。

 引き金を引き、弾を打ち込む。


 __カン!

 甲高い音とともに弾かれた。

 杖を回し、一歩、もう一歩と迫る。


 円形のユニットを掴んで回し、地に刺す。

 反射的に地面を蹴り、飛び上がる。


 下を見ると、黒いとげが生えていた。

 再び照準を覗き、球を打ち込む。


 目をつぶったまま杖を振り、叩き落とされた。


(このじいさん、何者なんだ)

 渓人の脳内が疑問符で覆われる。

 すぐに首を振り、余計な考えを振り払った。


 地面に着地すると同時に、蹴る。

 刃を対象に垂直に合わせ、腕を振り、引き金を引く。


 杖から黒い霧が立ち込め、人影が消えかかる。

 だが、刃が触れるかすかな感触が腕を伝わった。


「さすがの速さだ」

 杖に刃がなぞった軌跡が刻まれていた。


「さて、これはどうかな」

 円形のユニットに手をかけ、勢いよく回す。

 

 次の瞬間、石ころのような黒い物体が横切った。

 咄嗟に横へ滑り、地を駆ける。

 

 その時だった。

 __ガン!

 鈍い音とともに地面が割れ、空気が揺れた。

 

 高見澤だった。

 刹那の時間で視線を送り、前に飛ぶ。

 後を追うように渓人も地面を踏み抜く。


 高見澤は体をひねり、全身でブレードを振る。


 __ブォン!

 

 (......いない)

 何度仕掛けても、消える。


 瞬く間に、相手の動きが頭を駆け巡る。

 

 __カン!

 死角から飛び道具を放つ。


 __ブン!

 近づけば杖を振る


 __ガン。

 劣勢になったら、弾いて逃げる。


 (もっと、速く)

 刃の角度をわずかに傾ける。


 __カン!

 黒い物体を捌く。

 

 (渓人はそうやって刃を入れたはず)

 杖に入った傷跡とバネが埋め込まれた装備。


 

__バコン!

ブレードが地面をたたき、高見澤とともに飛ぶ。

全身をひねりながら叩きつけ、空を飛ぶ。

叩くたびに刃の光が増す。

 

「......速い」

渓人はその背中を見つめ、後を追う。


「見えた!」

 二人は、杖めがけて飛びかかる。


(......速いな)

 円形のユニットを掴み、腕を振る。

 黒い霧が立ち込める。


「当たれ!」

 霧の中に勢いよく刃を入れる。


「チャージ!」

 ブレードが光る。


「テーザー!」

 電撃がちらつく


 __カン!

 甲高い音とともに、杖が宙を舞った。


 だが、


「杖よ、戻れ」

 しびれで震えながら、手を前へ突き出す。

 杖が引きつけられて手に収まり、霧が立ち込め、姿を消した。


「また消えた」

 大きなブレードを地面に突き刺し、もたれる。


「ここに来る前、戦ってたのか?」

 武器を背中に収め、問いかけた。


「うん、そうだよ」

 首を縦に振った。

 

「まだ、戦いは終わっていない」

 大きな影が落ちる。


「梶山だ、よろしく」

 影の主が視線を落とした。


「よろしくお願いします」

 軽く頭を下げた。


 その瞬間、


 __ガシン!

 遠くから、金属音がこだました。


「行こう」

 三人は音の鳴る方へ駆け出した。

 戦はまだ、終わらない。

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