第8話:押しかける隣国の大軍勢と、ボタン一つの自動迎撃
「レイル様、今日の昼食も言葉を失うほどの絶品でした……っ!」
「はぅ……お腹いっぱいで幸せです……」
食後のリビング。アイリスとエレナは、要塞の『全自動シェフ機能』が振る舞った神級の肉料理を堪能し、ソファで幸せそうに身を寄せ合っていた。
王都からのスカウトを蹴ってから数日。
俺たちの要塞での暮らしは、相変わらず穏やかで快適そのものだった。
だが――そんな平和を切り裂くように、要塞の全領域に真っ赤な警告ランプが明滅した。
**ウーッ! ウーッ!**
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## **【要塞警戒システム・緊急事態】**
『防衛境界線(広域エリア)』にて超大規模な軍勢の接近を感知。
・対象:隣国『帝国軍・第3師団』(兵力:約5,000名、大型魔導兵器10体)
・目的:『全自動要塞』および『神級職人レイル』の武力強制制圧
「兵力5,000……!? 大型魔導兵器まで持ち出してきているのですか!?」
アイリスが素早く立ち上がり、表情を鋭く引き締める。
「帝国……! 王国がレイル様という至宝を得た(と勘違いした)情報を聞きつけ、国力が逆転する前に力ずくで強奪しに来たのですね……!」
「5,000人……。そんな大勢、里の戦力でも到底敵いません……」
エレナが不安そうに俺の袖をキュッと掴む。
要塞の外に設置された広域カメラの映像が、大型モニターに映し出された。
森を切り拓き、重厚な甲冑を着た兵士たちが地平線を埋め尽くしている。先頭には、家ほどの大きさがある巨大な魔導ゴーレムがズラリと並んでいた。
拡声魔法を使った帝国軍の将軍らしき男のダミ声が、要塞の敷地内にまで響き渡る。
『ハハハ! 聞け、要塞に籠もる小僧! 我らは栄光なる帝国軍である! お前が持つ『無限の武具を生むスキル』とこの要塞、すべて我が帝国に捧げよ! 降伏すれば命だけは助けてやるぞ!』
将軍は下種な笑いを浮かべ、巨大な魔導兵器の砲身をこちらへ向けさせた。
『断るというなら、この最強の魔導砲で要塞ごと灰にしてくれるわ! 発射準備――』
敵の大軍勢を前に、アイリスが剣の柄に手をかける。
「レイル様! 私が打って出ます! 命に変えても、この神域を汚させはいたしません!」
「まあまあ、落ち着いてアイリス」
俺は焦るアイリスの肩を優しく叩き、リビングの壁にある操作パネルへと歩み寄った。
「わざわざ外に出て戦う必要なんてないよ。せっかく『全自動』なんだから」
俺はパネルに表示された大きな赤いボタン――【要塞自動防衛:害虫一括駆除モード】を指でぽちっと押した。
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## **【全自動神造通知】**
『防衛機能:広範囲圧迫力場(重力波)』を起動します。
⇒ 出力を【0.1%】に設定(※相手の全滅を防ぐため自動手加減)
「え? ボタン……?」
アイリスとエレナが呆気にとられた、次の瞬間。
**――ズウゥゥゥゥン……!!!!**
要塞の外から、空間そのものが軋むような恐ろしい重低音が響き渡った。
「「「ひぐぁっ!???」」」
画面に映し出されていた帝国軍5,000人の兵士たちが、一瞬にして全員同時に地面へと叩きつけられた。
目に見えない超重力の波が、敵軍全体を襲ったのだ。
「な、なんだこれはぁぁぁっ!?」
「身、動スラできん……! 身体が壊れるぅぅっ!」
誇らしげに並んでいた巨大な魔導ゴーレム10体は、まるで紙くずのようにメキメキと音を立てて全潰。兵士たちは武器も防具も一瞬で粉砕され、ただ地面にへばりついて悲鳴を上げるしかなくなっていた。
死者は一人も出していない。
だが、戦意など1ミリも残らないほどの圧倒的な力の差。
わずか、ボタンを押して一秒後の出来事である。
「……え?」
モニターを見ていたアイリスの口が、ぽかんと開いた。
「5,000の大軍と、城塞破壊級の魔導兵器が……指一本で……全滅……?」
「一応、死なないように出力を0.1%にしておいたよ。あとは王国軍に連絡して、全員引き取ってもらおうか」
俺が何事もなかったかのようにハーブティーを一口飲むと、エレナが感極まったように抱きついてきた。
「レイル様ぁ……! かっこよすぎます! 本当に神様みたいです……!」
「ちょ、エレナ! レイル様に抱きつくのはズルいです! 私も……!」
アイリスまで一緒になって抱きついてきて、俺はハーレム状態のまま苦笑いするしかなかった。
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その後、連絡を受けた王立騎士団が慌てて駆けつけ、地面に転がっていた帝国軍5,000人を全員捕縛していった。
「た、たった一人で帝国軍の師団を無傷で壊滅させた……!?」
報告を受けた王国の最高幹部たちは、恐怖で震え上がったという。
「絶対にレイル殿の意に反する行動をとるな」「全力を挙げて彼のご機嫌を伺え」という極秘通達が、王国中に回されたのは言うまでもない。
一方、俺の要塞には今日も平和な時間が流れていた。
「さて、今日は庭で採れた野菜で何を作ろうかな」
「レイル様! 私、お手伝いします!」
「私もです! レイル様のお隣は譲りませんよ!」
世界を震撼させた当の本人は、美少女たちに囲まれながら、今日も自由で気ままな最強スローライフを満喫するの
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