第13話:魔界の決戦と、要塞の全自動平定
要塞の『神級露天風呂』を満喫し、さっぱりとした表情のルミアがリビングに戻ってきた頃。
天空を浮遊する要塞の周囲の空間が、歪むように黒く染まり始めた。
**ウーッ! ウーッ!**
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## **【要塞警戒システム・緊急事態】**
『空間転送門(次元の亀裂)』の発生を感知。
・対象:魔界・反乱軍主力『天空魔導艦隊』(旗艦1隻、大型浮遊戦艦20隻、魔導兵10,000名)
・指揮官:反乱軍総帥・ゼノス将軍
「なっ……!? ゼノス将軍自らが、魔界の主力艦隊を率いて追ってきたというのですか!?」
ルミアの顔から一瞬で血の気が引いた。
窓の外を見ると、黒銀の装甲に身を包んだ無数の巨大な浮遊戦艦が、異空間から続々と姿を現していた。
旗艦の甲冑に身を包んだ巨漢――ゼノス将軍が、魔法の拡声器を使って高笑いを響かせる。
『ハハハ! 見つけたぞルミア姫! 人間の小娘やエルフと空でままごととは滑稽な! 我ら『天空魔導艦隊』の全火力をもって、その怪しげな城ごと灰にしてくれるわ!』
戦艦の砲門が一斉に要塞へと向けられ、漆黒の破壊魔力が充填されていく。
「レイル様、逃げてください……! ゼノス将軍の艦隊は、一国を数時間で焦土に変える魔界最強の武力です! 私を渡せば――」
ルミアが震える声で俺の前に出ようとする。
だが、俺は彼女の頭を優しく撫で、ポンポンと叩いた。
「大丈夫だよルミア。せっかく綺麗にお風呂に入ったんだから、汗をかくような真似はさせないよ」
「え……?」
俺はリビングの操作パネルの前に立ち、全自動防衛の画面を開いた。
「それにしても、空の景色を邪魔するゴミが多すぎるな。アイリス、ルミア、ちょっと耳を塞いでて」
俺は防衛ボタン――【全自動要塞砲:神聖浄化砲】をぽちっと押した。
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## **【全自動神造通知】**
『要塞メイン砲』出力を起動。
⇒ 自動手加減【0.01%】(※魔界の消滅を防ぐため極小出力)
**――ドドォォォォォォン!!!!**
要塞の先端から放たれたのは、眩いばかりの純白の光束だった。
それは極太の光の帯となって空を塗り替え、ゼノス将軍が誇る20隻の大型浮遊戦艦を一瞬で包み込んだ。
「「「な、なんだこの光はぁぁぁぁぁっ!? 魔導バリアが紙くずのように――ガハッ!???」」」
ゼノス将軍の絶叫も束の間。
戦艦の装甲、魔導砲、そして彼らの凶悪な兵器群は、傷一つ負わせない(服と兵器だけを一瞬で蒸発させる)完璧な浄化光線によって、すべて消去された。
わずか一秒。
魔界最強と謳われた『天空魔導艦隊』は全機沈没し、全裸になったゼノス将軍を含む10,000人の反乱軍兵士たちが、そのままパラシュート状の要塞自動救助網に捕らえられて地上へと落下していった。
「……え?」
ルミアは口をぽかんと開けたまま、空を見上げて固まっていた。
「一瞬……? 魔界を恐怖で支配したゼノス将軍の艦隊が……指一本で……?」
「うん、服と武器だけ壊して、全員生かして捕縛しておいたよ。これでクーデターの首謀者も捕まったし、魔界も平和になるんじゃないかな」
俺が何事もなかったかのようにハーブティーを一口飲むと、アイリスが納得したように頷いた。
「さすがレイル様です。これで魔界の権力闘争も一瞬で全自動解決ですね」
「レイル様……! ありがとうございます……! 父の無念を晴らし、魔界を救ってくださって……!」
ルミアはボロボロと大きな涙を流しながら、俺の胸へと飛び込んできた。
「私、決めました! 私が次の魔王になって、魔界とレイル様の要塞を永遠の友好同盟で結びます! そして……私もレイル様の側にずっといさせてください!」
「もちろん大歓迎だよ、ルミア」
俺が優しく抱き返すと、両脇からアイリスとエレナも「ずるいです!」と言いながら抱きついてきた。
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その後、全裸で捕縛されたゼノス将軍たちは、レイルの要塞の圧倒的な『神の力』に恐怖し、完全降伏。
病に伏していた前魔王も、レイルがルミア経由で贈った『黄金リンゴ』の一片を食べたことで瞬時に全快。
前魔王は涙を流して感謝し、正当な継承者としてルミアに魔王の座を譲るとともに、「レイル殿の要塞を魔界の絶対神域・筆頭同盟国とする」と全魔族に宣言した。
こうして、人間界だけでなく、魔界の政治と歴史すらも、レイルの「全自動要塞」によって一瞬で平和へと導かれたのだった。
「ふう、今日も平和だったな」
「はい、レイル様! 今夜は魔界から届いた最高級の素材で、私が宴の準備をいたしますね!」
美少女3人に囲まれながら、天空を飛ぶ要塞の中で、俺たちの規格外すぎるスローライフはどこまでも続いていくのだった――。




