表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/22

ショック・・・

日曜日


時刻は、11時・・・・


ひろみは、いつになく新鮮な気持ちで中村を待っていた・・・


そして


少し遅れて中村がやってきた。


もちろん


服装は昨日購入した物だった。


「ごめん、ごめん・・・これを着るのに手間取って・・・」


「いいですよ。・・・なかなか似合っているじゃないですか・・・」


「よせよ。・・」


中村が少し照れた。


「じゃぁ・・・とりあえず食事でも、行きませんか。」


ひろみが言うと。


「田中さん・・・今日は、私の行きつけに行きませんか?」


ひろみは不安に思った・・


中村の素性を全く知らないからだ・・・


ひょっとして


メイド喫茶なんてことないよね・・・


と祈りつつ・・


中村は


「こっち・・」


とひろみを連れて行った。


そっちは


この界隈で有名なオタクの殿堂がある所・・・


ひろみは思わず・・・


「そっちはいや・・!!」


と言った。


中村は気づいたらしく・・・


「じゃぁ、遠回りしようか・・・」


「えっ・・・」


「この向うの通りなんだ。ここが近道だけど・・・確かに女性には、抵抗があるね・・・ごめん・・・」


「そうですよ・・ここを通る姿が見られているから、なおさら オタクって言われるんです。」


「そうか、じゃぁ、今後は気をつける

よ。」


そこには


昭和レトロな感じたっぷりのこじゃれた洋食屋があった。


「へぇ~、こんなところに・・・」


ひろみは感心した。


「はいりますか?」


中村が聞くと


「はい。・・・」


二人は洋食屋に入った。


ギィ・・・と


ドアが開き


カランカランと


ドアベルが鳴る


中から


「いらっしゃい・・」


と声がして。


「あっ・・・りょうちゃん。久しぶり・・・おや・・・今日は2名・・・」


「はい、お願いします。」


「じゃぁ。いつもの一番奥の部屋が空いているから・・・そこで・・」


とマスターが言う。


「田中さん・・・あそこのドアの奥です・・・」


二人で・・・奥に向かう


すれ違いざまに・・・


マスターが中村にボソッと


「しばらく、一人と思ったら・・・違う娘つれて・・・」


「たまにはね・・・」


中村は、軽くかわしていた。


奥の部屋は、


明るく落ち着いた感じ・・


ところどころ


かわいい小物があり、


ひろみは、すぐに気に入った。


そして


「中村さん・・・こんな素敵な・・・場所があるんですね・・」


思わず笑みがこぼれた・


マスターがきて


「りょうちゃんは、いつもの・・・」


「いつものって、なに?」


ひろみが聞くと


「特製洋食コースかな?」


「じゃぁ、わたしもそれで・・・」


ひろみの乗り気になった。


最初は今日のスープ・・・


前菜として野菜サラダ・・


そして


コロッケ・・・


エビフライ・・


ご飯の代わりにデミグラスソースのかかったミニオムライス


見た目は、普通の洋食に少し、気落ちしたひろみ・・・


しかし


単なるコロッケと思って食べたものが、絶品・・・


「なに、このクリームコロッケ・・」


ひろみは思わず声を上げた。


オムライスもしかり・・・


「中村さん・・・なんで、ここは有名にならないの・・・」


ひろみが聞くと


「取材NG・・・ マスターが気に入らないと。普通の洋食しか出さない。

といっても、かなりおいしいんけど・・・」


「そうなんだ・・・」


感心するひろみ


ふたりが食事を終える頃、マスターが来た。


「今日は、どうでしたか?」


中村が答えようとすると・・・


「お嬢さん・・・」


「おいおい・・俺じゃないのか・・・」


マスターは中村をチラッと見て


「りょうちゃんは、いつも同じのしか注文しないし、新しい人の意見を聞きたいから・・・」


ひろみは、素直に答えた。


「すごくおいしくて、すべてに感動しました。」


「はて、すべてに感動とは?」


マスターが質問すると。


「雰囲気からすべてです・・・本当に、ご馳走様でした。」


マスターは、にこっと笑みを浮かべ


「ありがとうございました。」


挨拶した。


「ところで、りょうちゃん・・・さっき、えみちゃんがきてたよ・・」


「神沼が?・・」


「そう、そして、りょうちゃんを探してたよ。」


「そうか・・・」


中村の顔が少し曇った。


「彼女の前だから・・なおさら・・・」


「ありがとう・・」


中村が答えた。


「中村さん、ちょっと聞いていいです?」


ひろみが言うと


「えみちゃんは、誰・・でしょう?・・」


と中村が答えて・・・


「あっ・・・別に言いたくなければ、いいんですけど・・・」


「元カノだよ・・・」


「えっ・・・彼女いたんですか?」


驚くひろみ


「なぜかいたんですよ・・・」


中村はおどけて答えた・・


二人は、洋食屋を出た。


少し気落ちしたひろみ・・・


駅前のモールへ二人で向った。


そこで


目の前にモデルかなと思うほどのスタイルのいい美人が立っていた。


その人を見て


ひろみは最近人気のモデル、”神原 えみ”だと思い出した・・・


その美人がこっちを振り向く


そして


にこっと笑いこちらへ歩いてくる


多分、私達の後ろの誰かと待ち合わせ?


と思っていると目の前に立ち止まった。


「りょうちゃん・・・久しぶり・・」


え~っとひろみが思っている


「上沼か・・・ひさしぶり・・・」


中村は、そっけない態度・・・


「冷たいのねぇ、本当にひさしぶりなのに~それに、上沼はやめて・・・せめて昔みたいに、えみと呼んでほしいんだけど」


「なんで・・・本名じゃないか・・・」


「だってぇ・・」


この人が、さっきの”えみちゃん!!”とひろみが驚いていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ