閑話 あの日の手紙のやり取り
前話でも少し触れた、あの日の手紙のやり取りです
短いお話です!
『耳飾りに付いた香色の石は、やっぱりソユン様の髪のお色のようで、見ているだけで幸せな気持ちになります。少し気恥ずかしくて言えませんでしたが、ソユン様の耳元を飾った赤色の方は、私の髪色に似ていると思って選んだのですよ。とてもよくお似合いだったので、なんだか嬉しくなってしまいました。穴を開けた耳たぶはまだ少し赤いですが、すぐ収まると思います。着けたら、ぜひお見せしたいです。…………』
届いた手紙を片手に、一枚、二枚と読み進めていく。
先日会ってから、それはほとんど日を空けずにソユンの元へ届いた。
いつも通り可愛らしい手紙だが、文字が少し乱れていて、かなり詰まっている。
内容も、それからそれからと思ったままに書き連ねたような印象を受けた。
(あの娘には、明るい笑顔がよく似合うのに……)
無理をして笑っている様子が浮かんで、ソユンはやわりと眉を下げた。
一度目を伏せ、静かに息を吐く。
それから、筆を執った。
◇ ◇ ◇
『――都合は、なるべく君に合わせるようにするよ。どこで、何がしたい?』
届いてから何度も眺めた手紙を前に、メイメイは考えていた。
もう少しで日が暮れて、アンリも仕事が終わる頃だ。
一人でじっくり思い悩む時間も、そう残されてはいない。
「どこ、か……。ソユン様と二人きりで、特別なことができるなら、どこでも。……家かな」
最近行った北部の別邸は素敵な屋敷だったが、あの時の光景がちらついてしまう。
東部の別邸も頭に浮かんだが、治安隊の出張所が近い。
最後に、南部の別邸を思い描く。
初めて招かれ、告白をした場所。そして、初めて唇を重ねた場所。
ぱっと顔を上げて、筆を持つ。
『日付をいくつか挙げるので、ソユン様がいちばん都合の合うお日にちにしてくださればと思います。南部の別邸に、伺いたいです』




