↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
4/9

第4話 放課後の攻防

放課後になり、俺は部室へ向かう。


「黒瀬、さすがに来てないよな。悪いことしたな。」


思いがけない事故だった。勢いよく開いたドア。


誤(あやま)って部室で黒瀬を押し倒し、あられもない姿にさせてしまった。


「また来てくれるかな。」


......ってなに考えてんだ俺!


別に来なくたって困らない。なのに昨日からずっと黒瀬のことを気にしてしまう。


いつの間にか黒瀬が部室に来ることを楽しみにしていたらしい。


「ああもう!!いい!今日は昨日の続きの1期62話から見るぞ。」


そして俺は部室のドアを開けた。


「あ、やっほ。笑」


「いや、いるんかーーい。」


昨日のことなんてなかったかのように、黒瀬はいつも通り靴下を脱ぎ、リラックスした様子だった。


......しかし、なぜかニヤニヤしている。

嫌な予感がする。


「ま、まさか黒瀬、聞こえてた?」


「うん笑」


_____終わった。


黒瀬は立ち上がり、俺に顔を近づける。


「また来てくれるかなーって??笑」


「やめろぉぉぉぉ!!!!」


「ああぁぁぁぁぁ!!俺をどうにかしてくれぇぇえ!!!!」


_____誰か、俺を殺してくれ。ルミナ。手足バラバラにしてくれ。


「えーなに?私がもう来ないと思って心配だったのー??」


「うるさいぞ!!だまれぇぇ!!」


「ほらほら。もう一回言ってみなよー笑」


「私とー?ずーっと一緒に??なんだってー?」


黒瀬を完全に調子に乗らせてしまった。


「は、はぁ!?そんなこと言ってないわ!!」


「ほら、顔真っ赤じゃん笑。大丈夫かなー?笑」


よし。やられっぱなしなわけにもいかない。


「黒瀬こそ!クールキャラ演じてるくせになんだあの顔は??」


「すごかったなぁ?あんなの誰にも見せられないなぁ?」


「女帝の黒瀬澪央が!?たかが幼馴染のオタクに押し倒されて、あんなメス顔するなんて!!!」


黒瀬は顔を真っ赤にし、俺に背を向けた。


(やばい少し言いすぎたか?)


「や、やめてよぉ。ごめんねって......あんなの初めてで、どうすればいいか分かんなかったんだから......。」


「男の子にあんなとこ見られるのなんて。和泉だからだよ。許したの。」


チラッと見えた目は少しうるんでいて、涙が溢(あふ)れそうに見えた。


「黒瀬っ!?ご、ごめん。」


ウグッ


俺が咄嗟(とっさ)に謝った瞬間、黒瀬は俺の

頬(ほお)を両手でつねる。


「バーカ。和泉のバカぁ。責任とってよ。」


「痛ってぇ。......ったく責任ってなんだよ!」


よくラブコメにありがちなセリフだ。


実際に聞いてみるとなんだか恥ずかしいな。


「ってかさ。和泉。」


「なんだよ黒瀬?」


どうしたのだろう。黒瀬は急に立ち上がり、俺を見る。


「コミケに行きたい。行ってみたいんだよ。」


オタクなら一度は夢見るであろう。コミックマーケット。俺も小学生の頃は憧(あこが)れたもんだ。


「急になんだ。いいけどさ。目当ては何だ?ルミナ、シオンのペア推しだったよな?そこら辺か?」


「いや、それもそうだけどさ。そうじゃなくて。」


ではなんだろう。何か他のアニメとか漫画だろうか。


「あー分かった。レイヤーの写真でも撮るんだな?いいね素晴らしい!」


「違うよ。私、同人誌描きたい!」


黒瀬はスタイルもいいし、顔もいい。コスプレならまだ考えれたが、予想外の答えに俺は驚(おどろ)いた。


「は。嘘だろ!?コスプレしたいとかじゃなくて!?」


「へー?和泉は私のコスプレ姿が見たいんだー。すけべー。」


「ちがうわ!!!」


さっきの涙は嘘だったのだろうかと思わせるほどきりかえが早い。


「で、なんで急に同人誌なんだよ?」


「んー、なんか楽しそうじゃん?」


(舐めてやがる。世の中の同人誌作家さんごめんなさい。俺が代わりに謝ります。)


「えー?和泉は描けないの?」


「描けるわけないだろ!俺は読む専門だ!」 


もちろんだが、描こうとしたことはあった。いや結構本気で描いた。しかし、かなりの駄作(ださく)っぷりに俺は挫折(ざせつ)し、制作をやめた。


「じゃあ、私が描くから和泉が手伝ってよ。」


「……は?」


「だーかーら!一緒に同人誌作ろうよ!」


……こうして俺は、思いがけず同人誌制作に巻き込まれることになった。


しかも、相手はクラスの女帝。


一体どうなることやら。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。