軍事学校卒業②
そこに1人の男が現れた。マリーはその男の姿を確認すると、すぐに高笑いを止め、敬礼の姿勢を取る。これに釣られてルイやシャルル、うなだれていたアレクたちも同じ姿勢を取った。男は、軽く手を上げ、休めと伝える。アレクたちが休めの体勢を取ったのを確認すると
「これにて、我が校での最後の模擬戦を終了する。両班は直ちに校舎に帰還するように。」
「はい!」
男が手短に告げると、6人が口を揃えて返答する。返答を聞いた男は、すぐに踵を返して元来た道を引き返した。
「これで、私の班が主席で卒業になりましたわね。」
やがて、男が見えなったのを確認するとマリーが得意げな顔でアレクたちに話しかけた。
「うるせー!次は戦場での戦果で勝負だ!」
それにベインが食って掛かる。
「おほほほほ!負け犬の遠吠えとはこのことですわね!ねぇ、そう思わないかしら、ルイ、シャルル?」
「「全くその通りでございます。」」
マリーはさらに得意げな顔でベインを挑発する。しばらく、マリーとベインでぎゃあぎゃあと口論をしている横を我関せずといった感じでアレクが通り過ぎ、その後を背中を丸めて小さくなったサーニャが通り過ぎた。
「俺たちは先に校舎に戻っておくぞ。」
通り過ぎ様にアレクがマリーたちに言う。だが、聞こえていなかったのか、それを無視しいまだにマリーとベインは口論を続けていた。
アレクは黙々と歩を進める。それの後をサーニャが少し気まずそうに2、3歩下がった位置で付いて行く。
「あの・・・、ごめんね?私の火の魔術が弱くて先頭のマリーさんを倒せなかった。」
サーニャが消え入りそうな声で謝罪の言葉を伝える。アレクは歩を止め、サーニャに振り返る。
「俺とベインもルイとシャルルを倒せなかったんだ。責任は俺たち全員にある。だから、サーニャだけが気にかけることはない。だから、気にするな!それに、2番目の成績で卒業だぞ?凄いんだぞ?だから、もっと胸張って歩け!」
アレクはそう言うとサーニャの横に並び、背中を手のひらで軽く音が出るくらいの強さで一発叩いた。
「さ、校舎に着いたら最後の晩飯食べて明日の卒業式に備えて寝よう!」
背中を叩かれてきょとんとした顔でアレクを見上げるサーニャに、笑顔でそう言い再び歩を進めた。サーニャは、しばらく先ほどと同じきょとんとした顔をしていたが、次第に口元が緩んでいった。そして、再び歩を進め、またアレクの2、3歩後ろを歩く。だが、今度は先ほどと違い満面の笑みを顔に浮かべていた。




