告白の返事
――やっぱ俺、ミレナのことが大好きだ。
心の中でそうつぶやいた直後、ミレナがものすごい速さでこちらを見た。
彼女の顔が、みるみるうちに赤く染まり、目が潤んでくる。
その反応を見て、自分の気持ちが口から漏れていたこと、そしてミレナに知られてしまったことを悟った。
――やってしまった……。
これまで味わったことがないほどの、激しい後悔と恐怖が押し寄せる。
ミレナとの関係が変わってしまう。拒絶されれば俺はミレナの隣にいられなくなり、彼女を守れなくなる。
それは、俺が恐れていたことであり、これまで気持ちに蓋をし続けてきたのはこれが理由だった。
「ねえ、グレイン。もう一度……ちゃんと言って?」
ミレナは小さくうつむき、震える声で言った。
彼女の形の良い唇も、小さく震えている。
その言葉と仕草から察するに、ミレナは俺の発言をうやむやにするつもりはないらしい。
退路を断たれた以上、前に進むしかない。
例えどんな結末が待ち受けていたとしても。
早鐘を打つ心臓を鎮めようと何度か呼吸を繰り返すが、鼓動は痛いほど激しいままだ。
すぐに気持ちを落ち着かせるのは諦めた。
俺は覚悟を決めると、言葉を探しながら気持ちを伝える。
「俺は……ずっと前、王都にいた頃からずっとミレナのことが好きでした。ミレナの頑張り屋なところ、夢に向かって努力している姿、何事にも一生懸命なところ、それから……ええと……」
だんだんと、自分が何を言っているのかが分からなくなってきた。
ミレナもそれを気にする余裕が無いのか、何も言わずにうつむいたままだ。
これ以上続けると余計なことを口走りそうだったので、締めにかかる。
「きみのことは絶対に幸せにします! だから、俺と付き合ってください!」
勢いに任せてそこまで言い切ると、俺はじっとミレナを見つめる。
彼女の返事を待つ時間は、永遠にも感じられた。
「はい!」
その言葉とともに、ミレナが顔を上げる。
笑顔で涙を流す彼女は、これまで見た何よりも美しかった。




