ロシア戦線
マリオカートやマリオゴルフ、そしてウルフェンシュタインザニューオーダーを買いましたので更新頻度が、ただでさえ遅いのですが更に遅くなります。
今月末辺りにはウォッチドッグスも買いますので、気長に待って頂ければ幸いです。
同時刻
神聖ロシア帝国ノギンスキー
午後7時を過ぎ、坂上中佐は食事を採っていた。
「しかし中佐、どうなるんですかね。」
石川中尉が味噌汁を飲みながら呟いた。それを言われた坂上中佐は、首を降りながら答えた。
「厳しいわね。」
現在坂上中佐の第18戦車大隊が属する第7機甲師団は、イガルカから400キロ南東に離れた、ノギンスキーに後退している。大隊長として第18戦車大隊を率いていながら、後退しなければならない事に坂上中佐は悲しみを堪えていた。このロシア戦線は圧倒的に連合国側が不利であった。ソ連陸軍の電撃作戦に連合国陸軍は押されに押され、イガルカから400キロも押し出された。そして現状大日本帝國の強烈な物量で戦線を完全崩壊から救うのが精一杯であった。
大日本帝國の国鉄(大日本帝國国有鉄道機構)は全国の鉄道広軌を神聖ロシア帝国建国後、シベリア鉄道と同じ1524ミリに拡大させた。満州帝国の満州鉄道も同様に1524ミリに拡大させている。それまでは1435ミリであったが、シベリア鉄道に合わせて拡大させたのである。これにより国鉄朝鮮線~満州鉄道~シベリア鉄道の一本化が成された。更にシベリア鉄道自体も大日本帝國が出資し、レールの強化と枕木の間隔を狭めて補強する工事を行った。蒸気機関車に関しても大日本帝國製D52を輸出。D52は最大出力5800馬力を叩き出し、5200トンの貨物を搭載する貨物列車を運行出来るようになった。この鉄道一本化と大日本帝國製蒸気機関車によりロシア戦線に最大1日20~25編成の貨物列車を送り出せるようになった。これらの物量により戦線を維持出来たのである。蒸気機関車とは大日本帝國国内が電気列車である事を考えれば、古めかしいかも知れないがシベリア鉄道は蒸気機関車である事が重要なのである。それは気候だ。シベリア鉄道の殆どは極寒地帯を走る。その中を電気列車を通そうとすればそれまたシベリア鉄道全線に渡り改修工事が必要になる。そしてディーゼル機関車にすれば燃料が寒さで凍り付く。不凍対策を燃料に施す必要が生じ、経費の高騰は計り知れない。それに比べて蒸気機関車なら石炭である。これならそのまま放り込める事が出来るし、神聖ロシア帝国は大規模な炭田を何ヵ所も有している。蒸気機関車唯一の欠点が蒸気を発生させる為の水の補給であるが、これを考慮すれば蒸気機関車はシベリア鉄道にとって必要不可欠なものであった。満州鉄道も同様の理由で蒸気機関車を使用している。その為大日本帝國朝鮮線は両国の蒸気機関車が乗り入れる場所でもある。
「ソ連陸軍は相変わらず進撃を続け、それを迎え撃つ連合軍に有力な戦車は無いわ。頼みの綱は空軍の爆撃機だけよ。」
「そうですね。空軍の爆撃機が無ければ戦線は国防総省の試算では、更に500キロは下がっていたと言われてますからね。」
石川中尉は溜め息混じりに呟いた。それを坂上中佐は焼おにぎりを頬張りながら見詰めた。
大日本帝國陸軍の補給体制は帝国自動車がFUJIを量産し、機械化されてから劇的に変化した。1人1人の歩兵が背負う背嚢の重さが軽減された。兵士の背嚢から糧食が消えたのである。それに代わり車輌搭載の保温庫に入れられた温かい飯、味噌汁に主菜、それに焙じ茶が最前線に届くのである。もちろんこれが南方戦線になれば、保冷庫版が最前線に届く。大日本帝國陸軍は最前線と後方の分け隔てなく、食事を提供する体制を整えたのである。
「とにかく今は耐えるのよ。本土では新型戦車の開発が行われてるから。時間が助けてくれるわ。」
坂上中佐の言葉に、石川中尉は頷いた。
1941年11月2日午前4時
八尾空軍基地第1航空軍司令部3階第2会議室
「眠いわね。何かしら?」
「戦闘機隊じゃないですからね。緊急発進体制に無いにも関わらずですからね。」
第1爆撃隊隊長川江奈美子中尉と第2爆撃隊隊長澤田早苗中尉が眠たさを堪えながら話していた。
大日本帝國空軍はその巨大組織を3種類に分類している。戦闘機や攻撃機・双発爆撃機を主力とした『戦術空軍』、4発爆撃機と戦略偵察機を主力とした『戦略空軍』、輸送機と戦術偵察機を主力とした『輸送空軍』と言った内訳である。この3種類に完璧に分類されて指揮系統も別れているかと言われると、そう言う訳では無い。国防総省空軍庁で便宜的に分けているのである。現場部隊では何も関係ない。大日本帝國空軍の編制は方面軍に相当する『航空軍』が各地に司令部を構え、その航空軍が空軍の最上位単位となる。その後は上から順に『航空軍団』『航空師団』『航空団』『航空群』『飛行隊』『飛行小隊』『編隊』となる。この内『編隊』は戦闘機隊・攻撃機隊専用で、それ以外の爆撃機と偵察機・輸送機は『飛行小隊』からになる。機数は『飛行隊』を基準にすれば、戦闘機や攻撃機は24機が定数で、双発爆撃機は16機、4発爆撃機と輸送機は12機が定数となる。そして呼び方は編隊以外は、『航空』や『飛行』の単語を抜いて呼ぶ。例にすると川江中尉と澤田中尉の爆撃隊は編制では『飛行隊』になる。しかし呼び方は爆撃機の飛行隊であるから爆撃隊となる。これが戦闘機や攻撃機・輸送機・偵察機なら当然、戦闘隊等と呼ぶのである。
「まあ緊急の用件なのは確かね。」
川江中尉が呟くのと同時に、会議室の扉が開いた。
「全員、気を付け!!」
「休め。皆、座って。」
峰川中佐がいきなり入って来た事で、最先任の川江中尉が号令を掛けたが峰川中佐は冷静に切り返した。
「朝早くから申し訳無いわね。」
「何か緊急の用件でしょうか?」
「当り。これを見てちょうだい。」
峰川中佐はそう言うと、大型電映機の電源を入れて映像を流した。映像は海軍の正規空母大鳳級を映していた。
「皆、私達は海軍の正規空母大鳳と祥鳳からアメリカ合衆国本土を一式爆撃機で空襲するわ。」
「!?」
峰川中佐の言葉に、会議室は騒然とした。何せ当然空母から爆撃機で飛び立ちアメリカ合衆国本土を爆撃しろ、と言われたら騒然とするのは当たり前ではある。
「驚くのも無理は無いわね。何事も訓練すれば不可能は無い。」
「で、ですが隊長。」
「地上に引いた線の上を歩くなら誰にでも出来るわ。けど空中の綱を渡るのは至難の技よ。けどね、それも訓練をすれば出来るようになるの。やる前から諦めていたらダメ。」
「……それはそうですが。」
川江中尉は小さく呟いた。
「皆は私が選抜した精鋭よ。大丈夫。」
峰川中佐は全員を安心させるように言った。
「4時間後に訓練を開始するわ。朝食を食べ、体調をしっかりと整えるように。解散!!」
そう言うと峰川中佐は会議室を出ていった。それを見詰める川江中尉は小さく呟いた。
「大変な訓練になりそうね。」




