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帝國大戦〜枢軸殲滅!!最終決戦を勝利せよ〜  作者: 007
第1章 開戦

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五大財閥総帥会談

本日の読売テレビ開局55周年記念特別ドラマ『お家さん』を記念してです。

1941年10月13日午前10時

兵庫県淡路市妙見山


妙見山一帯は鈴木商店会長の屋敷がある所として知られている。神戸に本社を構える鈴木商店は世界最大の総合商社として君臨し、俗に『鉛筆から戦艦』までと呼ばれるようにあらゆる商品を顧客に提供していた。淡路市に限らず淡路島各地に鈴木商店関連施設が建てられている。それは広く兵庫県全体にも及び兵庫県に対する鈴木商店の経済影響力は絶大であった。その影響力の最たる物が、明石海峡大橋の建設である。世界最長の吊り橋となる明石海峡大橋の建設は困難を極めたが、18年の年月をかけ3910メートルの巨大吊り橋は建設された。大和級1隻に匹敵する巨額の資金を有した計画であったが、鈴木商店の資金力を背景に建設された。この明石海峡大橋の恩恵は大きく、淡路島の経済を大いに活性化させた。明石海峡大橋を建設し淡路島を実質上支配下に入れた鈴木商店は、先程述べた通り関連施設を建設したのである。そんな鈴木商店が支配下とする淡路島の鈴木商店会長屋敷に、大日本帝國の経済界の首脳が集結した。





屋敷1階大会議室


「本日は皆様御足労頂きまして、誠にありがとうございます。」


そう言うと鈴木商店会長木川香織は頭を下げた。木川会長の頭を下げる先には、三井物産社長小林里菜・住友本社総理事加西亜沙美・三菱商事社長野中悠里・安田保善社社長藤江理子がいた。大日本帝國五大財閥の総帥が、世界経済を牛耳る世界最大の財閥集団が鈴木商店会長の屋敷に集まっていた。五大財閥の資本力は強大で中小国家ならその国家予算以上はあった。五大財閥では最下位に数えられる安田財閥もその基幹銀行である安田銀行でさえ、今や大英帝国やアメリカ合衆国の全銀行を敵に回しても圧倒出来る資本力があった。五大財閥最大手となる鈴木商店の基幹銀行である台湾鈴木銀行(1929年に台湾銀行を買収。鈴木銀行に吸収合併されたが、台湾銀行に敬意を表し鈴木の前に台湾を付けた。)に至っては、もはや化け物並の資本力があった。本気を出せば大英帝国の全植民地を買収出来る資本力があるのだ。五大財閥で一番歴史が長いのは住友財閥である。住友財閥はかのロスチャイルド財閥よりも老舗であり、世界最古の財閥と称される。そんな財閥総帥を招集した木川鈴木商店会長は、ある内容を財閥全体で話し合う必用があるとして全員を集めた。頭を下げる木川鈴木商店会長に野中三菱商事社長が口を開いた。


「木川会長、頭を上げて下さい。私達に頭を下げる必要はありません。所で本題に入って頂けますか?」

「分かりました。それではお話致します。皆様、まずはこちらをお受け取り下さい。」


木川鈴木商店会長はそう言うと、書類の束を全員に配った。今回は完全な頂上会談であり、秘書等は全員別室に待機させている。その為に木川鈴木商店会長が自ら書類の束を配る必用があったが、そのせいで先程から恐縮しまくっている藤江安田保善社社長は更に縮こまった。


「御配りしたのは皆様への御提案内容となります。」


木川鈴木商店会長の言葉に全員が書類に目を落とした。時間が掛かると考え木川鈴木商店会長は、用意されていた急須からお茶を湯飲みに入れ飲み始めた。

全員が書類を読み終わるのに、30分は掛かった。そろそろ頃合いだと見て、木川鈴木商店会長は口を開いた。


「皆様、お読み頂けましたか?」

「木川会長、これは本気でしょうか?」


藤江安田保善社社長が木川鈴木商店会長の質問に答えた。


「本気ですよ。」

「しかしこれでは私達の領域に皆さんが入ってくるでは無いですから!!」


藤江安田保善社社長は必死に声を張り上げた。その逼迫した内容に他の者は少し驚いた。

藤江安田保善社社長が声を張り上げた内容。それは書類の一番始めに書いてあった事が理由である。

木川鈴木商店会長が提案した内容。それは『軍需兵器の自由生産』にある。現在五大財閥は軍需兵器の生産を得意分野で分けていた。鈴木商店は海軍戦闘艦艇・三井財閥は陸軍戦闘車輌・住友財閥は陸軍航空機・三菱財閥は海軍航空機・安田財閥は陸軍銃砲火器をそれぞれ独占生産していた。経済効率からすれば非常に非効率極まりないが、五大財閥の対立を避ける為に大日本帝國政府が苦肉の策として制定した。それが1913年である。各財閥が強大な生産設備を有していた為今まではそれで済んだが、今回の第三次世界大戦はまさに国家の存亡を掛けた総力戦となった。前回も確かに大きな戦争であったがその時は大日本帝國は片手間で戦った。だが今回ばかりはそれが通用しないと木川鈴木商店会長は考えていた。五大財閥が総力をあげて戦わないともしかしたら負けると考えたのだ。台湾奇襲の影響がこんな所にも出たが、木川鈴木商店会長は真面目であった。そこで五大財閥を集め、兵器の自由生産を提案したのだ。だが安田財閥にとってそれはまさに危機であった。自分達の市場占有率が脅かされるからである。そんな事をハイそうですかと、受け入れれる筈がなかった。


「御安心下さい。その代わりに安田総合保険に加入する私達の海運保険に対する支払いを今時大戦に限り免除します。」

「!?」


木川鈴木商店会長の言葉に藤江安田保善社社長だけで無く、全員が驚いた。安田総合保険とは今や世界最大の保険会社である。1929年に大英帝国のロイズ保険を買収し、安田総合保険は世界最大手に君臨した。そしてそれは安田総合保険が世界中の加盟する海運会社に対して無限補償の義務を負うことを意味した。掛け金は第三次世界大戦勃発により急激に跳ね上がった。それを木川鈴木商店会長は免除しようと言うのである。鈴木商店傘下の帝國海運商社は世界海運業最大手でスエズ・パナマ両運河を通行する船舶の3割が帝國海運商社の物である。その保険金を払わなくて済むのなら、それはとてつもなく有り難かった。


「しかしそれでは鈴木商店が損をするのでは?」


小林三井物産社長が木川鈴木商店会長に質問した。


「大丈夫です。私達は少々の被害は覚悟しています。それに海軍から大量の建造要請が入りました。それを考慮すれば何も問題はありません。」

「分かりました。それなら大丈夫かもしれません。」

「安田財閥さんには護衛空母や輸送船の建造部分を融通致します。護衛空母はこれは凄まじい建造数になるので、財閥皆様に広く分配したいと思います。」


木川鈴木商店会長の言葉に全員が笑顔を見せた。確かに護衛空母は凄まじい建造数である。連合艦隊用に加え連合国各国への輸出用も建造する事となったのである。それが東京級と関ヶ原級になり、その後1週間に1隻は完成する事から『週間空母』と呼ばれる事になる。


「更に後ろに書いてありますように新型航空機・戦闘車輌の協同研究を速やかに行う事が必用になります。」

「そうですね。それは帝國自動車にも要請しないと行けませんね。」


小林三井物産社長が呟いた。三井財閥だけが、帝國自動車と陸軍戦闘車輌の生産で市場占有率を争っていた。


「もちろんです。それは必ず帝國政府に要請します。どこぞの財閥みたいに、焼き討ちをやらせる訳にはいきませんからね。」

「……」


木川鈴木商店会長の言葉に、小林三井物産社長の顔が曇った。その理由は1918年に起きた鈴木商店焼き討ち事件である。

鈴木商店は帝國政府の要請を受け兵糧確保として米の大量購入を行っていた。購入された米は欧州遠征の兵糧として利用された。だがその買い占めにより米の卸売り価格は急上昇。国民からは不満が高まった。それを知った三井財閥は傘下の新聞社を使い鈴木商店を盛大に吊し上げた。それに煽られた国民は鈴木商店の本社を始め、関連会社を焼き討ちした。それが世に言う『鈴木商店焼き討ち事件』である。その後帝國政府の命令により三井財閥は巨額の賠償金を鈴木商店に対して支払う事になった。


「まあ今となってはそれは過去の話です。今は第三次世界大戦を乗り切るのが先です。」


木川鈴木商店会長の言葉に、全員が頷いた。



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