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ここは魔界  作者: 除野 歌猫
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第四話 「登場、それは勇者」

王の間の扉が爆発した。

それと共に入ってきたのはなんと勇者一団だった。

どうなる魔王!?

 ここは魔界。

 魔物達巣食う、混沌の世界。魔界である。


 そもそも魔界とは、人間達が住む世界とは違う次元に存在するもので、通常行き来することはできないのである。

 なのになぜ、勇者と呼ばれる人間が魔界に来て魔王の命を狙えるのか、当然そこに疑問の矛先は向くのだが、その説明をしようとすると少々長くなるので、この話は追々。




 突如魔王城、王の間に現れた勇者一団であるが、


「魔王。今日こそはその首、討ち取ってみせる!!」


 華麗を体現したかのような少女、勇者。


「へっ、張り切ってんなぁ勇者は」


 その身体は戦うために生まれて来た、筋骨隆々な男、武闘家。


「・・・僕達も頑張らないと」


 目深にローブのフードを被り、自分よりも大きな杖を持つ、物静かな少年、魔法使い。


「うふふ、そうね。頑張らないとね」


 その美しさは勇者をも凌ぐ、しかし一度弓を構えれば、その姿は狩人そのもの。絶世の美女である、弓使い。


 四人の周りの土煙が晴れる。

 そしてその四人の目に映ったのは、口をあんぐりと開け、なんとも阿呆な顔でこちらを見る、そんな魔王と副臣であった。


「おい、貴様ら!」

「はっ、はいっ」


 急に呼ばれたせいで声が上ずる魔王。


「魔王はどこだ?」

「え?どこって・・・」

「隠しておくといいことはないぞ?」

「いやぁ、隠すというか」


 そう、勇者は阿呆面の二人を魔王と副臣とは思わなかったのである。


「魔王はどこだ!出て来い魔王!」


 勇者は叫んでいた。


《魔王様》


 副臣が魔王に近づき話す。ちなみに二人は魔王軍直伝『敵がいる時とか相手に聞こえないように話せるやつ』という技を使い会話をしている。魔力を使ったりとかではないのがこの魔王達らしい。


《なんだ副臣?》

《あ奴ら、魔王様が魔王様だと気付いておりませんぞ》

《は?ここにいるじゃないか》

《だから気付いてないのでしょう?》

《・・・・・・そうだな》


 自分達の状況を見て冷静に判断できる。魔王の長所である。

 玉座の前で一見へんてこな机に入り、のんきにしている者を魔王と誰もは思うまい。


《というか・・・》

《どうかしましたか?》

《あの勇者、女だぞ?》

《確かに・・・珍しいですなぁ》

《勇者って女もなれたんだな》

《私も知りませんでした》

「おい」

「「うわっ!」」

「さっきから何をこそこそしている」

「「いや、なんでも!!」」

「ふーん」


 声を掛けられ焦る魔王と副臣。それを怪しそうな眼で見る勇者。


「・・・魔王様はここにはいない」

「え?」


 急に嘘をついたのは、もちろん副臣であった。それを驚いた顔で見る魔王。


「は?ここは魔王城の王の間だろ?なぜ魔王がいない」

「今、花を摘みに行っておる」

「「花ぁ!?」」


 勇者と一緒に魔王も驚く。


「なぜ魔王が花など摘みに行くのだ?」

「????」


 疑問を持つ勇者。頭が疑問符でいっぱいの魔王。この二人、以外と馬鹿である。


「勇者。察しなさい」

「ん?弓使い、どういうことだ?」

「あなただってお花くらい摘みに行くでしょう?」

「私は花なんか摘みに・・は・・・あ」

「わかった?」

「あぁ、魔物も、そういうもんなんだな」


 納得した様子の勇者。若干だが顔が赤い。

 だが、まだ我らが魔王はその意味を理解出来ていなかった。


《おい、どういうことだ副臣》

《私が奴らの相手をしますので、魔王様は一旦この部屋を出て準備を》

《あ、あぁ、わかった。でも花ってー》

「だが、貴様らが魔王様に合うことはない!」


 勇者一団の前に出る副臣。


《さ、今のうちに》

《わ、わかった。でも花ってー》

「なんだと!どういうことだ!?」

「わからんのか?なぜなら私が貴様らを・・・・」


 副臣の全身に禍々しい闇が集まる。


「―殺すからだ!!」


 次の瞬間、副臣の身体には漆黒の甲冑が現れていた。

 その威圧感に先程までのおふざけはなく、その殺気は周囲の空気を痺れさせる程であった。


「貴様、何者だ!?」


 勇者一団はその殺気を察し、一斉に臨戦体制に入る。


「我は魔王が副臣。この漆黒の鎧姿、見たからには生きて家路に着けると思なよ」


 副臣の手に先程と同じ闇が集まる。


「く、来るぞ!!」


 そして、ここから副臣と勇者一団の激闘が幕を開ける。


「花って、なんなんだ・・・?」


 魔王はまだわからずにいた。


 どうなる!?

 待て、次回!!


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