第三話 「結局そうなるのは致し方ないこと」
ここは魔界。魔王は暇を持て余していた。
なぜならば、先代魔王が来る勇者をほぼ倒してしまったから。
そんな暇な魔王城、近衛兵がなにか連絡をしに来たようだが・・・。
ここは魔界。
悪名高き魔物が住む魔界。
魔界魔界魔界。
魔界なのだっ!!
え?第3話にしてこの前説が苦しくなって来ただろって?
よくわかってらっしゃる。もういい感じのが浮かばないのですよ。
さて話を戻して、魔界といえど敵がいなければ争いは起きない。
先代魔王が勇者をほぼ殲滅したせいでなんだか平和になった魔界では、暇を持て余した魔王がグダクダダラダラしていた。
「で?」
「・・・はい?」
王の間に近衛兵がやってきてようやく落ち着いたので内容を聞く体制へと入る魔王と副臣。
「はい?じゃねぇよ、なにくつろいでんだよ」
「魔王様、あまり近衛兵を目の敵になさるな。挨拶しなかったからといって」
「それはもういいんだよっ!前回で終わったの!蒸し返すなっ!」
「お見事なツッコミ、ありがとうございます」
「うるせぇぇぇぇぇ!」
見事な漫才を繰り広げる魔王と副臣。それを近衛兵は見つめていた。
「お二人は仲がよろしいのですねぇ」
「そうだろう?」
「そうだろう?っじゃねぇよ!近衛兵も早く要件を言え!」
「魔王様、ひとつ前のツッコミと種類が被っていますぞ」
「・・・もういい」
「申し訳ありません魔王様、余りにもこの机がぬくぬくしていたので」
「ぬくぬくする机だからぬくえというらしい。魔王様が命名なさった」
「ぬくえ?そのままですね」
「私もそう思っとった」
「「あははははは」」
「だぁぁぁぁぁぁ!!!!早く話をしろってば!」
魔王の顔も三度まで。三回も我慢はしていないが、さすがの魔王にも限界が来た。
「そうですな。もう尺も取れたし、いいでしょう」
「尺とか言うなよ」
「・・・・・・・」
「ん?どうしたのだ近衛兵」
「あ、いえ、その・・・」
「なんだ?もしかして、なかなか話をしなかったのは話しにくい内容だったからか?」
魔王と副臣、二人が見つめる。その目線の先には気まずそうに俯いた近衛兵がいた。
「いえ、そのようなことは」
「じゃあなんだよ」
「・・・・―した」
「「え?」」
「・・・内容、忘れてしまいました」
「「「・・・・・・・・・・・」」」
黙る三人。まるで時が止まったかのようである。
「っふざけんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
魔王、爆・発!
「てめぇ何をしに来たんだよ!お前の存在を消し去ってやろうか?あぁ?」
「ひぃ!」
「お、落ち着いて下され!」
立ち上がり近衛兵に掴みかかろうとする魔王。それを止める副臣。なんなのだろうこの状況。魔王、王なのにこれではまるでチンピラである。
「わ、忘れるということは大した事ではないのでしょう!ほれ近衛兵、早く確認しに行け!」
「は、ははは、はいぃぃぃぃ!!!」
ものすごい勢いで王の間から出ようとぬくえから飛び出す近衛兵。魔王の二倍はあろうかという王の間の扉に駆け寄りノブに手を伸ばす。
その時だった。
バゴォォォォォォォォォン!!!!
扉が、爆発した。
今何が起きたのか、しっかりと状況を説明しよう。
近衛兵が扉に手を伸ばしたら、扉が、爆発した。
説明が別に増えてないのは気にしないで欲しい。これが全てで、これ以上の説明が出来ないのだ。
「「・・・・・・・・・・」」
扉の方を見ながら固まる魔王と副臣。
「魔王よ、いざ尋常に勝負!!」
そして、扉の白煙が晴れ、現れたるは、
「なっ!貴様らは!?」
純白のローブを身に纏い、自分よりも大きな杖を持った小柄な少年。
装備などを過度に身に付けず、鍛え抜かれた肉体が見える男。
美しい容姿をもち、身体には煌びやかな衣装を纏い、弓を持つ女性。
そして、その三人の中心には、気迫と魅力に満ち溢れ、全身にに甲冑を着け、瞳からはその強い意思を感じることができる。片手で持った剣先を玉座に向け。凛々しく立ったその姿は、まさに華麗の一言で表せる。そんな少女がいた。
「――勇者!!」
そう、この四人は魔王の命を狙う、勇者一団だった。
待て、次回!




