第二話 「近衛兵と魔王」
ここは魔界。魔王は暇を持て余していた。
魔王が考案したぬくえ(我らで言うこたつ)に入りながらグダグダダラダラ、そこに近衛兵が来て・・・。
ここは魔界。
悪鬼羅刹の魔物が、魔獣が巣食う魔界。
楽しい、愉快、そんな物からは遠く離れた暗き世界魔界!!
魔界である‼
たがしかし、そんな魔界にも平穏が訪れていた。
今から十数年前、先代魔王が玉座にまだ座っていた頃、圧倒的な力を有した先代魔王は、来る勇者来る勇者をなぎ払い、殲滅にまで追い込んだ。
そのおかげで現魔界は争いもなく、平和になっていた。なってしまった。いつも血生臭かった魔界が平和、それが良いのか悪いのかはあなたの想像にお任せしよう。
「あったかいなぁ」
「ですなぁ」
最早勇者も滅多に魔界には攻め込んで来ず、魔獣はただの動物のように、魔物達は人間達のような日々を過ごしていた。
「・・・なぁ」
「どうしました?魔王様」
「今更だけどさぁ、なんで勇者って魔界に来るんだ?」
「・・・・・・・さぁ?」
「えっ!?知らないのっ!?」
こちらで言う『こたつ』のようなぬくぬくする机、通称ぬくえ(命名者、現魔王)に入りグダクダダラダラの二人は現魔王と副臣である。
「考えた事もありませんでしたなぁ、なぜでしょうなぁ?」
「今まで戦って来たんだろ?なんか言ってなかったのか?伝説の秘宝を寄越せっ‼とか、姫様を返せっ!!とかさぁ」
「・・・そういえば」
「なんかあったか!?」
「なんにも聞いた事が無いですなぁ」
「おぉっふ、・・・マジかぁ、今までなんでこっち来たのか目的もわからない奴らと戦ってたのかぁ・・・」
「今度来た勇者に聞いてみましょう」
「そ、そうだな」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
「暇だなぁ」
「ですなぁ」
こんなグダクダダラダラな魔王が仕切る魔界、このままで大丈夫なのだろうか。
「失礼します!!」
そんなグダクダダラダラな『王の間』に入って来たのは魔王城の近衛兵。
近衛兵は魔王城の内部を守備する兵隊達の中でも、魔王の周りを守る兵達なのだ!!
「どうした?近衛兵?」
「あ、副臣様、お疲れ様です」
「あぁ、ご苦労。で、どうしたのだ?」
「はい、それが―」
「まぁまぁ、とりあえず入れよ」
「え?というかこれは、どういった状況で・・・?」
ぬくえに近衛兵を導く魔王。
しかし、近衛兵の目に入ったのは、魔界のトップである魔王とNo.2である副臣が、なぞの毛布と板が乗っている机に入りグダクダダラダしている姿だった。
「まぁあれだ、副臣には挨拶をするのに魔王様に挨拶をしない兵がいるようじゃあないか、・・・だからこれから説教だ‼」
アゴをぬくえの上に乗せ、手までもぐった魔王が叫ぶ。
「魔王様」
「・・・なんだよ副臣様」
「・・・・嫉妬ですかな?」
「うるせぇよ!!!!なんだよそうだよ悪いかよっ!!だいたい、なんで近衛兵は俺に挨拶しなかった!?」
「えっと・・・」
「なんだよ?怒んないから言ってみ?」
「魔王様・・・いらっしゃったんですね。その姿勢のせいで気付きませんでした。」
その言葉を聞き、副臣をチラ見した後、自分を見る魔王。
その姿たるや、もはや魔王の貫禄も覇気もなく、ただの堕落した者にしか見えなかった。
「その・・・なんだ、ご苦労さん・・・」
「あ、お疲れ様です」
こんなんでいいのか魔王!?
近衛兵はなぜ『王の間』に来たのか!?
そして話が進まないぞ作者!!
どうなる!?魔王達!?
「・・・・・・・・・」
そんな中、魔王城の廊下にて、ローブの人物は佇んでいた。
「待っていろ・・・魔王」
待て、次回!!
なにかありましたらお気軽にどうぞ。




