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5 スタート


4日後。


「2回目のSOS信号が届いた。」


アズル中尉が厳しい表情で言う。


「そのため、予定より早く怪物出没地域に入る。」


予定より早く入る?どうやってだ?


と考えていると、アズル中尉が初日にいじっていた謎の機械を持って船尾へ向かう。


「あの機械なんですか?」


レピに聞くと、


「.....あれは怪物の体の一部を使って作られたものなんです。怪物は種類ごとに謎の力を持っています。今回

はその力で船の速度をあげるんです。その代わり、船が揺れますけど。」


「なるほど。」


「謎の力についてはよくわかっていないんです。......でも色々なことに使えますし面白そうですよね。」


「へぇ〜。そうなんですね。」


俺にはよくわからないが、無口なレピがいつもより喋っているぐらいだから結構すごいのかもしれない。


隣に立っていたチェリーが


「それにしても、2回目のSOS信号が届くってことは一応生存者がいるのね。」


「そうだな。」


空に視線を向けると、俺の不安な気持ちを表すように少し曇っていた。



*** ***



「降ってきましたね。」


ルズがエラに言う。


「うん。そうだね~。」


窓には小さな雨粒がついている。


俺はビショビショになるから雨が嫌いだ。


甲板を濡らし始めた雨を見ながらため息をつく。


地図を見ていたアズル中尉がふいに、


「あと10分で怪物出没地域だ。準備しろ。」


と言って甲板に出ていく。


準備....俺…ちゃんとできるか……?


軍の訓練で教えられたが、普段やらないから不安だ。


ルズが俺に、


「とっとと、着替えるぞ!」


と言って船室に入っていく。



それに急いでついていくと、中ではすでにレピが防弾チョッキみたいなのを着て銃の最終点検をしていた。


俺も着替えると甲板に上がる。船がだいぶ揺れている。


もともとあの機械で揺れていたのが、天候のせいで悪化したらしい。


「.....エイデンさん。こっちです。」


レピが船尾の方を指さす。


「はい!」


船尾に行くと、レピが小型の機械を取り出す。


「?それなんですか?」


「.....レーダーです。これで怪物が接近してないか見張るんです。.....忘れちゃいましたか?」


「あ、えっーと、はい、忘れてました.....」


「そうですか.....」


レピの返答とともに、アズル中尉の声が響く。


「怪物出没地域に入るぞ!」


その言葉に一気に不安と恐怖を感じる。


緊張しながら銃を構える。


1分。2分。


「あ、あの、怪物出没地域に入ったんですよね?」


波の音以外は何も聞こえないし、レーダーにも何も写っていない。


「はい。入りましたよ。」


海を見つめながらレピは答える。


だが全く何も起きない。


そんなにたくさん出るわけではないのだろうか。


そう思ったとき、


「みんな!来たよ!」


エラの大声を合図にレピが銃を構える。


レーダーに突然大きすぎる”何か”がうつる。


ガタン!


足元が大きく傾いて、思わず手すりにしがみつく。


船が大きく揺れる。


そのときだった、


『グオオオォォォーーー』


巨大な咆哮が荒れた海に響き渡った。

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