3 始まりの朝
当日。
「気をつけろよ!死ぬなよ!」
レイルが心配そうに言う。
「おう!もちろん死なねぇよ!」
俺は返事をして、港へとむかう。
港につくとレピが表情を全く変えずにものすごく重そうな木箱を運んでいた。
あいつ大丈夫なのか.……?
そう思いながら船の方に目線を移す。少人数で行くからか、巨大なサイズではないがそれなりに大きい船
だ。船の中ではスミス少尉が船の点検をしている。
よし!俺も手伝うか!
俺は置いてある金属製の箱や木箱を運び始める。
しばらく運んでいるとチェリーがやってきた。
チェリーは
「おはよ。」
というと箱などを運び始める。
チェリーが重そうな箱を軽々と運んでいるのを見た俺は、
負けてたまるか!
と急いで運んでいるうちに全部運び終わる。
「疲れた〜。」
と俺が声を上げるとチェリーが
「そんなんで疲れてたら後々困るわよ。」
「?」
「おい、お前ら早く乗れ。」
スミス少尉が船の上から言う。
「はーい。」
チェリーが返事をして船に乗り込むのにレピとついていく。
「へぇ〜すげぇな。」
船にほとんど乗ったことのない俺には、なんだか特別感がある。
「とりあえず荷物置きに行きましょうか。」
レピが船の下へと続く階段を指さして言う。
「はい!」
*** ***
荷物を置いた俺たちが甲板に出るといつの間に来たのかアズル中尉がスミス少尉と何か話していた。
アズル中尉は俺の方を見ると、
「エイデン。最後のメンバーだ。」
と言って操縦席の近くに立っている人物を指さした。
「.....なんでお前が!?」
俺は驚いた声を出す。
なぜなら最後のメンバーは同じく驚いている俺様野郎ルズだったからだ。
「ん?あぁ、お前らそういや部屋同じだったな。」
思い出したようにアズル中尉が言う。
「アズル中尉、こいつがいるなんて聞いてませんよ!」
ルズが言うと、アズル中尉は少し不思議そうに
「エラに言っておくよう頼んだはずだが。」
その言葉と同時にエラが走って船の中に降りていく。
ボソリとレピが、
「……逃げた。」
アズル中尉はため息をつきながら、
「……とりあえず、もうすぐ港を出る。荷物の確認しとけよ。」
と、言うとスミス少尉と地図を見ながらなにか話し始める。
エラのこと叱りに行かねぇんだな.....
「おい。」
「?」
うしろを振り向くとルズが仏頂面で立っていた。
「なんでお前みたいな雑魚が、怪物出没地域に行けるんだよ!」
「それは俺が……」
俺が言いかけた言葉を遮るようにチェリーが、
「ルズ。あんたの偉そうなところは共感できないけど、セルザが雑魚で怪物出没地域に行くことに納得いか
ないっていうところは同感。」
「ザコザコいうな!」
*** ***
少し離れたところから、三つ巴の言い合いを見ながらレピはため息をついた。
新しいメンバーが増えたのは嬉しいのだが、少しだけ不安を感じてしまう。
いつのまにか帰ってきたエラがペットボトルを3本持って、コッソリ言い合っている3人に近づいているの
を見ながら、またため息をつく。
抜けるような青空に、ゴンッ!という音と悲鳴が響いた。




