2 集合
俺とチェリーの頭に飛んできたペットボトルが当たって、二人同時に声を上げる。
飛んできた方向を見ると、身長小さめの白衣を着た女性が立っていた。
「喧嘩はダメだよー」
女性が首を少し傾けながら言う。
こいつ誰だ......?
いかにも研究者という格好をしている。
チェリーが白衣の女性に
「納得いかないんですけど!こいつが怪物出没地域に行くなんて.....」
チェリーの言葉が切れる。
ふと前を向くと、アズル中尉が見るからに重そうな大きな黒い箱を持ってドアを閉めたところだった。
アズル中尉はこちらを見ると、
「お前らそこに突っ立って何してんだ。」
と訝しげに聞く。
「えっーと.....」
俺が言葉に詰まっていると、白衣の女性が
「いろいろだよー、それでこの人がー、セルザ・エイデン?」
「あぁ。おい、レピ!こいつ見といてくれ。」
アズル中尉が黒い箱を少しだけ持ち上げて言う。
「わかりました。」
レピは黒い箱を受け取ると倉庫の奥へ歩いていった。
アズル中尉が手招きして、
「エイデン。話があるからこっち来い。」
「はい。」
アズル中尉がデイナ帝国の地図を取り出す。
「明後日、この港から船に乗ってクレオメ島に向かう。怪物出没地域に入るのは船に乗って、二週間後
だ。」
「わかりました。」
「もし怪物が現れた場合の対応はわかるな?」
「は、はい。」
自信はないが多分できるはず!
怪物のことを考えると怖いが出世のためにも.....
中尉が続ける。
「よし、じゃあ今から救出部隊のメンバーを紹介しておく。」
「はい。」
メンバーは今のところチェリー以外全員ほとんど知らない人たちだ。
「まず、ジョン・スミス。階級は少尉だ。船の操縦と怪物を殺すのが得意だ。」
怪物を殺すのが得意.....ということはスミス少尉は怪物出没地域に行ったことがあるのか。
「そこで武器を見てくれてんのが、レピイア・アレイト。階級は軍曹。基本的に全員、レピって呼んでる。
機械いじりと武器修理が好きだから武器が壊れたら、あいつに修理頼め。」
レピは倉庫の奥でドライバーを片手に黒い箱のなかをいじっている。
「次に、白衣着てるあいつはエラ・セネイラ。軍医だ。実家から送られてきた大量の作物押し付けてくるから気をつけろ。」
「……??」
実家が…農家さんなのか?
「わかると思うが、段ボール運んでるのがチェリー・アンレラ。階級は伍長。前とは昔からの知り合いらしいな。」
「はい。」
「あと、1人いるんだがここには来てない。当日紹介する。」
「わかりました。」
「他の詳しい話とか当日必要なものはこの紙に書いておいた。聞きたいことがあったら聞け。以上。」
そう言うとアズル中尉は倉庫の奥の方へ歩いていった。
アズル中尉の紹介はないのか........?というか、必要な物の量多いな.....
渡された紙を見ると色々なものが書かれている。
そのとき、ふと俺は考えた。
てか、今のところ救出部隊のメンバー全員、階級俺より上じゃねぇか!
*** ***
「はぁ〜。疲れたー。」
ため息をついて俺はベッドに寝転ぶ。
「お疲れだな。」
声が聞こえて俺は起き上がる。
俺に話しかけてきたのは、俺と同じ二等兵のレイル・ジャナンだった。こいつとは仲が良い。
「あ゙〜もうめちゃくちゃ疲れた〜。」
「スミス少尉に呼ばれたんだろ?怒られたのか?」
「えーっと、クレオメ島の救出部隊に配属された。」
「え!ま...」
レイルが何か言いかけた途端、別の声が響く。
「お前が?そんなわけないだろ。」
声が聞こえた方向に目を向けると、黒髪で青色の目をした男がたっていた。
「ホントだっつうの!」
俺がムッとしてそう言い返すと、男の呆れたような声で返答が返ってくる。
「普通、二等兵が怪物出没地域に行くなんてありえないんだ。嘘も大概にしろ。」
「嘘じゃねえわ!」
そう言っても男は嘘つけという顔をしている。
こいつはルズ・パジョスという名で、上等兵だ。いつも偉そうな態度だが優秀なものだからとてもムカつ
く。
睨み合っている俺達にレイルが気まずそうに、
「まぁ、とりあえず落ち着かねぇか?セルザも明日忙しいだろうし......」
「本当に救出部隊に任命されてたらな。」
とルズは返事をするとベッドに入る。
「お、おやすみ〜」
レイルがさっきよりも気まずそうに俺に言うとベッドに入る。
俺もベッドに再度寝転ぶ。白い天井を見つめながら俺は絶対にあいつを見返してやる!と決心した。




