23 黒い穴
「な、何これ……」
チェリーが青白い顔で呟く。
「読んだ感じ、コード333は何かの作戦名ぽいよね〜。」
エラが顎に手を当てて言う。
「可能性はあるな。」
スミス少尉が呟く。
俺は隣にいるレピに
「なぁなぁ。レピ。」
「…何?」
「この内容、要するにここで秘密の怪物研究してたってことか?」
「……そうだと思う。」
救出任務がめちゃくちゃヤバい話になってきてる……
ルズがボソリと呟く。
「正体不明の人影ってだれだ……?」
「可能性が高いのはあの宇宙人たちか、さっきの奴らの誰かだろうな。」
アズル中尉は何か考えるように、左のこめかみを押さえて言った。
「この4/5の記録、SOS信号が届く前日に書かれたやつだね〜。」
エラが資料をじっと見つめながら言う。
「え……」
俺は思わず顔を上げる。
じゃあ、このHelpは4/6に書かれたのか……?
「どんどん死者数が増えてんの、不気味だな。」
「怪物が毒でも出してたのかもねー。」
エラとスミス少尉の会話に俺は不思議に思う。
「なんで毒なんですか?」
「種類によって毒を出す怪物もいるからねー、それに毒の種類にもよるけど、外傷もなく職員が死んでた理
由も説明がつくからね〜。適当な仮説だけど。」
「なるほど……」
さらにあの巨大怪物に、近づきたくなくなってきた……
そのとき、ドアがガン!とひときわ大きな音を立てる。
「あの怪物たち……どこから来たんだろう。」
チェリーがぽつりと呟く。
「このままドアの前にずっと居座られたら、この部屋から出れねぇぞ。」
「え!?」
スミス少尉の言葉に俺は驚いて声を漏らす。
じゃあどうやって出るんだ……
「一か八か強行突破! ってわけにも行かないしね〜。」
エラがドアを見つめながら言う。
「…どうしましょうか。」
この状況でも無表情でレピが呟く。
「他の方法を探すしかないですよね。」
「そうだな……」
ルズの言葉にそう返しながら、アズル中尉は部屋を見渡す。
俺の隣ではすでに、レピが何か脱出に使えるものはないか、棚の中などを覗き込んでいる。
「とりあえず脱出に使えるもん、探すか。」
スミス少尉の言葉とともに俺たちは探し始める。
エラがアズル中尉に
「アズルはまだ座ってて。」
「……」
俺は棚の中を漁りながらレピに言う。
「脱出に使えそうなものって何だ……?」
「…隠し通路とか。」
「いやいや、普通の研究施設にあるわけ……」
「…あった。」
「……へ?」
レピがどかした棚の下の床がない……
どうやらレピが床の一部を取ったらしい。
近寄って見てみると、ちょうど人が通れるサイズの穴で、はしごがある。
チェリーが穴を覗き込みながら言う。
「これでここから出れるわね。」
俺はボソリと
「何であるんだよ……」
「…普通の研究施設じゃないから?」
レピの返事を聞きながら俺は穴を見つめる。
先の見えない黒い穴が地下へと続いていた。
10/18 エピソードタイトルを一部修正しました。内容に変更はありません。




