14 クレオメ
歩くたびに床がきしむ。
基地の中を見渡すと、そこら中に破壊の跡がある。
あのデカい怪物がやったのか…
今もよく耳をすませば、少しだけ怪物の足音が聞こえる。
「地上には何もなかったんですか?」
ルズがアズル中尉に聞く。
「一つだけあった。」
アズル中尉はそう言ってとある部屋の前で足を止める。
「ここだ。」
部屋の扉を開けると、中には大量に黒い箱が積まれていた。
「なんですか?これ。」
俺が聞くと、
「怪物用の毒薬だ。」
「えー!これ全部!?」
エラが驚いた表情で言う。
「あぁ。あともう一つ。エラ、これ聞いたことあるか。」
アズル中尉が黒い箱から一本、ラベルの貼られた怪物用の毒薬を取り出してエラに渡す。
ピンク色の液体が入った試験管を見ながらエラが呟く。
「トラルト〜?初めて聞くね〜」
「だろうな。」
「どういうことですか?」
俺が首を傾げて聞くと
「えーっとね〜まず、怪物用の毒薬は結構最近に開発されたのと、作るのが難しいって理由で軍が持ってる
量が少ないんだよね〜。」
え、ってことは.....
エラの返答にルズが呟く。
「つまり…」
「一つの基地にこんなに量があるのはおかしいってこと〜。それともう一つ。」
「?」
エラがさっきの怪物用の毒薬を持って続ける。
「今ある正式な怪物用の毒薬は〜16種類だけなんだけどーこのトラルトって毒薬、16種類の中にないんだよね〜。」
「つまり、新種ってことですか!?」
俺が驚いて聞くとアズル中尉が言う。
「あぁ。俺たちが知ってるものを合わせてここには20種類あった。」
めちゃくちゃここ怪しい……
俺はそう思いながら毒薬を一本手にとってみる。
液体が容器の中で揺れている。
毒薬を戻そうと黒い箱に視線を向けると、変なことに気づく。
黒い箱の中の液体が誰も触っていないのに揺れている。
「地下に行くぞ。」
とアズル中尉が口にしたのと同時に音が響いた。
『ドーン』
棚がカタリと揺れる。
巨大怪物の足音!
その瞬間全員が走り出す。
基地が揺れて砂埃が立つ。
一歩一歩、足を踏み出すたびに怪物の足音が大きくなっていく。
近づいてきてる…!
アズル中尉が頑丈そうな扉の前で足を止める。
あれ…パスワードつきの扉!?パスワード知らないし……どうやって開けるんだ?
だが、アズル中尉は迷うこともなくパスワードを打つと、扉がガシャンという音とともに開いた。
「入れ!」
全員急いで中に入る。エラは扉の段差でつまずきそうになっていたが。
そして最後にスミス少尉が扉を閉めると俺は安堵の息を吐いた。
「アズル中尉、なんでパスワード知ってるんですか?」
チェリーが不思議そうに言う。
「調べてきた。」
アズル中尉はそう言うと、歩き出す。
目の前には薄暗い地下への階段がある。
俺は強く銃を握りしめた。
10/10 エピソードタイトルを一部修正しました。内容に変更はありません。




