11 怪物
足が五本ついていて、目が青色に光っている。ゴツゴツとした岩のような皮膚をした、巨大な怪物が木をな
ぎ倒しながら歩いていた。
何だよ.....あのサイズ........
数十メートルサイズで、今まで見たどの怪物よりも大きい。
空気が揺れる。
『ギャァァァァーーーーー!!!』
耳が痛い.....音デカすぎだろ....!
そのとき、急にアズル中尉が海の方向を見て舌打ちをする。
「どうしたの?」
「暴走だ。」
「え!今!?」
エラが驚いた声を出す。
「移動するぞ。」
全員が立ち上がって、アズル中尉についていく。
「スタンピードってなんだ?」
「簡単に言うと.....怪物が一気にたくさん来る現象。」
「.....ヤバすぎるだろ.......」
レピの答えに俺は驚きの声で呟く。
一体だけでも大変なのにそれが大量に......
突然。
『キィィィィィ……!』
大きな咆哮とともに翼竜のような見た目をしている怪物が10匹ほどこっちに向かって飛んでくる。
「いきなりかよ!」
そのときグイッとレピが俺を引っ張る。
ビュッ
風切音を出して目の前を、赤い三本角を生やした怪物たちが通過する。
「.....!」
アズル中尉が角を生やした怪物に向かって銃を撃つ。
ぐぉぉぉっ!という咆哮をあげる角の怪物の背に、スミス少尉が撃ち落とした翼竜が一体墜落する。
そのとき、海の方向から大量の足音や鳴き声が聞こえてきた。
マズイ.....どんだけ来るんだよ!
「全員バラけろ!」
アズル中尉の大声とともにレピが、近くにいた俺とルズを引っ張って走り出す。
「どこに向かうんですか!」
「とりあえず海から離れます!」
レピは走りながらルズに言う。
辺りには轟音と巨大怪物の足音が響いている。
しばらく走っていると、周りから聞こえてきていた音がほとんど聞こえなくなる。
アズル中尉たちと完全にはぐれたな.....
「.....ここに隠れる?」
レピが小さな洞穴を指さして言う。
「そうだな。それにしてもアズル中尉はどうやって合流する気なんだ?」
そう言ったと同時に急に、防弾チョッキ?のポケットからアズル中尉の声が聞こえた。
『全員無事か?こっちはジョンといる。』
「!??」
「こっちはセルザとルズさんといます。全員無事です。」
レピが淡々となぜか右耳をおさえながら言う。
『私はチェリーといるよ〜。無事だよー。』
次はエラの声が聞こえてくる。
「なんで声が.....?」
「ポケットにイヤホン型無線機が入ってるんだよ。訓練で説明されてただろ。」
ルズが呆れたように言う。
そういやそんなこと言ってたような.....?
ポケットを探ると、白いイヤホンが出てくる。
これか。
つけるとアズル中尉の声が右耳から聞こえてくる。
『合流は基地の正面入口で。交戦はできるだけ控えろ。以上。』
『了解。』
全員同時に言うと、俺たちは動き出した。




