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女神様はスピード狂  作者: 赤坂秀一
第六章 SFシーズン2年目
147/156

147 Q2ミーティング

Q1B組、残り1分を切ったところで結菜は4位です。なんとかQ2へ通過出来そうです。

 スーパーフォーミュラ開幕戦Q1B組で今現在結菜(ゆいな)が4位です。


 しかし、Q1終了までまだ1分程あります。結菜はもう時間が無いので、コースを回ってピットへ戻りますが、まだ、アタック中のマシーンが走っています。


 松島(まつしま)が珍しく、現在6位でアタック中です。それとルーキーのライブリーが5位、谷山(たにやま)が3位、坂本(さかもと)が7位です。


「ねえ、今アタック中のマシーンがQ1通過ラインに入ったら、結菜は予選落ちなの……」


杏香(きょうか)、予選落ちじゃなくて決勝スタートが13位以降のグリッドになるだけよ」


 まったく縁起でもない…… でも、そうなると決勝での作戦も考えないとだね……


 残り時間10秒を切りました。今、松島が1分36秒932でフィニッシュ! そして、ライブリーが戻って来ました。1分36秒897でフィニッシュしたところで、Q1B組が終了しました。


「終了間際に何台か戻って来たけど……」


 結菜は結局Q1B組6位で終わる事が出来ました。


「はあ、危なかったわね……」


 結局、A組はトップが杏香、2位中森(なかもり)、3位にヨハンソン、4位にパンドラー、5位に小島(こじま)、6位に大嶋(おおしま)が入りました。


 B組は、トップがメンゼル、2位にマクレー、3位にライブリー、4位に松島、5位に谷山、6位に結菜が入りました。


 この後、10分間のインターバルがあって予選Q2が始まります。


「杏香、結菜さんはあなたと一緒にQ2を走った方が良くない?」


 私は、さっきの結果を見る限り、出来れば杏香に結菜を引っ張ってもらった方が良いと思ったんですけど……


「うーん、それでも良いけど…… 私はマクレーやメンゼルにマークされているから難しいと思うよ」


 杏香はそう言うけど、本音としては結菜が背後にいると気が散るから嫌なんだと思います。前にもそんな事を言っていたから……


「そうだな、杏香の背後を走るのは難しいかもな」


 (げん)さんもそう言ってます。なんだか娘の肩を持っているようにも聞こえるけど、私の気の所為かな……


「やっぱり、私以外の速いマシーンの背後を追うような形が良いと思うよ! 例えばカーナンバー21番とか22番、もしくは1番とか5番でも良いけど」


 それは、すべて杏香のライバル達という事か…… そうすれば、結菜が邪魔でタイムを落としてくれるとか……


「パンドラーの背後でも良いんじゃない」


 私がそう訊きましたけど……


「パンちゃんは大した事ないから大丈夫だよ!」


 杏香がそう言った時、結菜も頷いています。というか、パンドラーはパンちゃんなんだね……


「しかし、小山内(おさない)さんの背後に結菜がいれば邪魔される事はないんじゃないかな」


 鈴木(すずき)オーナーはグッドアイデアとも言わんばかりのパフォーマンスでそう言いますけど。


「確かにそうかも知れないけど、正面を塞がれたら同じじゃないかな……」


 岩崎(いわさき)チーフの考えの方が説得力があります。


「それより、結菜にライバル達の背後に着いてもらった方が、それなりの成果はあるかも知れません」


 なるほど、岩崎チーフの言う通り、杏香の思惑通り、結菜に後方から邪魔をしてもらうって事だね!


「うん…… じゃあそれで行こうか」


 鈴木オーナーからそう言われ杏香と結菜はマシーンに乗って準備万端のようです。


「杏香、3番手くらいで良いからね」


 私は開幕戦だから様子見のつもりでそう言ったんですけど……


「えっ、ポールは駄目なの?」


「うーん、駄目じゃ無いけど、開幕戦からそんなに飛ばさなくても…… それに外国人カルテットの件もあるから」


「うん、解った。あまり無理しないようにするよ」


 杏香はそう言ってコースへ出て行きました。その後、隣のピットの松島が出て行ったので結菜も後に続きました。


 いよいよQ2がスタートです。


「山口さん、杏香のマシーン給油しなくて良かったんですか?」


 水上君が変な事を訊いています。


「えっ、どれくらい入れたんだ?」


「えっ、Q1の前に40リットル給油しただけですけど……」


 スーパーフォーミュラの燃費はリッターあたり2.4kmから3kmです。鈴鹿では1周2.5リッターで計算しますので……


「Q1で7周走ったんだよな」


「はい、うち3周がアタックです。Q2でもそれくらいだと思うから計算上は大丈夫だと思うんですけど…… ただ杏香は予選だと燃料を多く入れたがらないから……」


 まあ、少しでも軽い方が良いからなんだろうけど……


「計算上は大丈夫なんだな!」


「はい」


「解った、美郷さんには言うなよ!」


「あっ、はい……」


 この時、こういう密談がされてた事を私は知りませんでした。


「美郷さん、小山内さんの1回目のアタックが始まりました」


 Q1の時と同じように攻めた走りをしています。その後方にはヨハンソンもいますけど……


 今、逆バンクを通過してダンロップコーナーへ、その時ヨハンソンが杏香の背後にピッタリ着けています。


「まさか、予選でオーバーテイクとかしないよね……」


 このままの状態でデグナーカーブを回ってヘアピンカーブへ……


「やっぱりヨハンソンは仕掛けるつもりは無いですよね」


 小林さんもそう言うけど……


「まあ、警戒してた方が良いわね」


 しかし、ヘアピンでインをつかれそうになった杏香は慌ててブロックしました。


 隙あらばアタック中でもオーバーテイクも辞さないという事か……


 杏香がメインストレートに戻って来ました。ヨハンソンに邪魔されたから、タイムは期待出来ないかな……


 今、杏香とヨハンソンが通過して行きました。


「小山内さんの1回目、1分36秒328です」


 モニターでは、ヨハンソンより0.2秒杏香が速かったようです。


 はあ…… 予選からそんなに攻めなくても良いのに……


「菜穂子さん、結菜のタイムは?」


「今、西側ストレートだからもう少し待って!」


 そう言ってる間に結菜も戻って来ました。


「結菜の1回目、1分36秒726で、5位です」


 結菜も今のところ順調のようです。

Q1を通過した2人は、1回目のアタックが順調に終わりました。まあまあのタイムですけど、このままで終われるかな……

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