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女神様はスピード狂  作者: 赤坂秀一
第六章 SFシーズン2年目
145/155

145 開幕戦Q1A組

開幕戦前に結菜の姉、光瑠さんがプロジェクトNinaの広報担当と訊いて驚いたけど、結菜も杏香もレースにマイナスになるような事は無かったようで、フリーは思う存分楽しんで走っていたようです。


 杏香(きょうか)の2年目スーパーフォーミュラ開幕戦です。昨日はフリーを楽しそうに走っていた二人です。今日も問題なく普通に車検とドライバーを含むマシーンの計量がされたと思ったんですけど……


小山内(おさない)さんが680kg、木村(きむら)さんが682kgで設定してますので」


 山口(やまぐち)チーフから、そう報告を受けました。


「ねえ、何故私は杏香よりも2kg多いの?」


 まあ、たったの2kgでも少ない方が良いんだろうけど……


結菜(ゆいな)はレース後に3kgほど体重が落ちるから、それと燃料消費も考えて設定している」


 岩崎(いわさき)チーフからそう説明がありました。


「えっ、結菜ってそんなに痩せるの?」


 そういえば、同じような事が本多(ほんだ)君ともあったわね……


「杏香だってそうでしょう!」


 結菜は羨ましそうに杏香を見てますけど……


「私の体重ってレース後1kgくらいしか変わらないんだよね…… 結菜みたいに痩せれるなら良いダイエットになるのに」


 今度は杏香が結菜を羨ましそうに見てます。いや、嫌味なのかな……


「えっ、どうして変わらないの?」


「さあ、なんでだろうね……」


 なんだか他人事みたいな会話だな……


「まあ、レース後、マシーンとドライバー込みの重量が677kgを下回らないようにしないとだからね」


「あっ、レギュレーションだよね……」


 結菜、今頃? もう3年目の先輩だよね…… Team Aoiの時は何も言われなかったのかな?


「こんにちは、今日も賑やかですね!」


 そう言ってうちのパドックへ入って来たのは……


「あっ、神田(かんだ)さん!」


 月刊フォーミュラの神田さんです。


「神田さん、どうして1月のテストに来なかったんですか?」


 いや、チームはうちだけじゃ無いし、神田さんはうちのスタッフでもないんだから……


「いや、本当は来たかったんだけど、いつテストをするのか公式発表がなかったから」


 まあ、公開してなかったから普通はそうなるんだけど……


中森(なかもり)とマクレーは来てたんだよ」


 ちょっと杏香、それは言わない方が……


「えっ、合同テストだったんですか?」


 もう、いらん事杏香が言うから……


「神田さん、向こうが勝手に偵察に来てたんですよ! 何処でどういうふうに情報を得たのか判りませんけど……」


 一応私が説明しました。


「まあ、昨シーズン中森とはやり合ってますからマクレーも興味があったという事でしょう」


 神田さんも納得のようです。


「杏香そろそろ準備をして、Q1A組が始まるわよ」


「うん、6位までに入ればQ2に行けたよね」


 何を今更、A組の時の杏香はメンタル弱いな……


「うん、とにかく開幕戦だから無理せずに6位までに入ってね」


 私がそう言うと、杏香はだるそうにピットへ行きました。


「小山内さん、調子が悪いんですか?」


 神田さんから見ればそう見えるのかも知れませんが……


「あっ、気にしないでください! ルーティンみたいなものなので……」


「はあ……」


 そう、昨シーズンからそうだけど、Q1A組を引いた杏香のメンタルは弱いです。マシーンに乗り込むまでは……


「杏香、イケる?」


 マシーンに乗り込んだ杏香に私は言いました。


「うん、任せて!」


 そう言った後、杏香はピットレーンを通ってコースへ出て行きました。まあ、いつものことだけど、さっきまでのメンタルの弱さはなんだったのか……


「杏香、大丈夫かな……」


 結菜はそう言って、心配そうに杏香の走りをモニター越しに見てますけど……


「大丈夫よ、結菜も準備して!」


 私がそう言ったので、結菜はピットの方へ行ってしまいました。


北島(きたじま)さん、本当に大丈夫なんですよね」


 心配する神田さんに私は……


「はい」


 一言だけ返事をしました。


「杏香が戻って来たよ。小林(こばやし)さんよろしく」


 私がそう言った時、ウォーミングラップを終えた杏香がメインストレートを通過して行きました。タイムアタックスタートです。


 まずは第1コーナーを回ってS字からの逆バンクです。昨シーズンの初めは逆バンクはスピードを落とさないとGが掛かるからとか言ってた杏香だけど、今は得意気にそこでオーバーテイクを狙ったりするくらいまで成長しています。


 去年の事だけど懐かしいな……


 そんな事を思ってる間に、杏香はスプーンカーブを回って西側ストレートを快調に飛ばしています。


「結構速いタイムですよ」


 小林さんも嬉しそうだけど、その隣でストップウォッチを覗き込むように菜穂子(なほこ)さんもワクワクしてるかな。


 杏香は今、シケインを抜けて最終コーナーを回ってメインストレートに戻って来ました。


「これ、凄いですよ」


 小林さんがそう言った時、杏香がメインストレートを通過して行きました。


『ピッ』


 モニターに杏香のタイムが表示されました。


「1分36秒129です」


「えっ、何それ!」


 私は、ただ驚きました……


「私、そんなタイム見た事ないです」


 菜穂子さんも唖然としています。神田さんも驚きのあまり無言です。


「どうかしたんですか?」


 鈴木(すずき)オーナーもパドックに来ましたけど、モニターを見てフリーズしています。


「これ、小山内さんのタイムですか?」


「はい」


 鈴木オーナーはその後すぐ嬉しそうにピットの方へ行ってしまいました。


「小林さん手元のタイムは?」


 私がそう訊くと……


「えっと、2分26秒、27秒……」


 えっ、LAPしなかったの? ストップウォッチを止め忘れていたみたいです。


 その後、2回アタックしましたけど、杏香はA組をトップ通過しました。次は結菜です。

今シーズンも杏香はやってくれました。まだQ1A組が終わったばかりだけど、杏香のベストタイムが出ました。

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