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女神様はスピード狂  作者: 赤坂秀一
第六章 SFシーズン2年目
138/152

138 速くなった!?

訓練の後、午後からは通常のテスト走行です。これはやっておかないとね!

 今シーズン最初のテスト走行を鈴鹿でやっています。


 まず最初にやっているのが川嶋(かわしま)君の助言通り、マシーンの性能を引き出す訓練をしています。


 しかし、タイムは5秒くらい遅いです。杏香(きょうか)結菜(ゆいな)もかなり疲れているみたいで、一度は休憩をしたんだけど……


 まあ、このままではまずいので午後からは通常のフリー走行をやろうと思います。


美郷(みさと)さん、そろそろ良いんじゃないですか?」


 まあ、お昼も近いから……


「そうね、ボックスの指示をして」


「了解」


 数分後、冴えない顔の二人がピットに戻って来ました。


「はあ、やっとお昼か……」


「姫、お昼からは通常のテスト走行だって!」


「やった! 気兼ねなく飛ばせる」


 えっ、抑えて走っていたの?


「ねえ、思いっきり走って良いのよ! ただマシーンに集中してれば良いんだから」


 私はそう言いましたけど……


「うーん、美郷さんはそう簡単に言うけど、難しいよ」


 杏香からそう言われました。確かに、口で言うのは簡単だよね…… でも、結菜は私の方をジッと見て、無言の訴えのようです。


「うん、そうだね、でもそれを成し遂げる様に頑張って! 協力するから」


 私にはこれくらいの事しか言ってやれない…… でも、一緒に頑張ろう、一緒にF2へ行こう!


 昼食を食べた後は、1時間くらい休憩をした後、通常のテスト走行をしました。


 やっぱり、これをやらないとマシーンの仕上がり具合も確認しないとだしね。


「ねえ美郷さん、何も考えずに走って良いんだよね」


 午後からのテスト走行出発前に結菜が私に訊きました。


「うん、何も考えないのは可笑しいけど…… 普通に走って良いのよ」


「うん、解った! これで思いっきり走れる」


 そう言って結菜はピットレーンを駆け抜けて行ってしまいました。


「もう、結菜は若いな」


 杏香は彼女のマシーンを見送りながらそう言いますけど、あなたも充分若いから、もっと言えば結菜よりあなたはひとつ年下じゃなかったかな?


「杏香、変な事を言わないで良いからあなたも行きなさい」


 私はそう言って杏香にスタートするようにジェスチャーをしますけど……


「美郷さん、小林(こばやし)さんは?」


 あっ、上手くはぐらかされたかな…… 小林さんなら今日の初日は用事があったとかで……


「もうすぐ来るんじゃないかな、午前中深田(ふかだ)GMに呼ばれたらしいから」


「深田さんって、まだうちのGMなんですか?」


 あっ、そうか…… team SHOWGOのGMは、鈴木(すずき)オーナーが兼任でしたね……


「えっと、今は(かえで)オーナーと一緒に仕事してたんじゃないかな?」


「ねえ、GTとかやってるの?」


「さあ、知らないわよ! それより早くテスト走行行きなさい」


「はーい」


 そう言うと杏香は渋々マシーンを走らせて行ってしまいました。


 楓オーナーが何処で何をやっているかなんて判らないわ! 新規でteam SHOWGOを作ったかと思えば、teamKAEDEを移籍させてチームを休止したり…… あの人は良い人なんだろうけど何を考えているのか全然判りません!


 まあ、今始まった事では無いですけどね……


青木(あおき)君と水上(みなかみ)君、あれ持って来てくれる?」


 岩崎(いわさき)さんが、意味深な指示を出してますけど……


「えっ、僕は動かせないですよ!」


 えっ、水上君は何の事を言ってるのかな……


「だから二人で行って押して来れば良いでしょう」


 岩崎さんはそう言ってます。


「あれも整備するんですか?」


 山口(やまぐち)君もそう言ってるけど、何をするつもりだろう……


「この後使うんだから整備しないとな」


 まあ、何の事かは解らないけど……


「あっ、お疲れ様です」


 小林さんが来ました。


「あっ、お疲れ様です。でもタイムは、私が測ってますよ!」


 菜穂子(なほこ)さんが得意気にそう言ってますけど……


「うん、そのままよろしく」


 と、話を交わされています。それで、私は気になった事を訊きます。


「小林さん、楓オーナーは何をやるつもりなの?」


 私は小さい声で訊きました。こんな話をこのチームでは出来ないとは思いましたが気になります。


「さあ、今日はGT300のマシーンが来てて、ずっとタイムを測っていたから」


 はあ、何をするつもりなんだろう……


「美郷さん、1周目のタイム出ました。姫は1分37秒256です」


 なんだか速くなってない?


「杏香は?」


小山内(おさない)さんはまだ計測中です」


 そうか、杏香は結菜に1分以上遅れて出て行ったもんね……


 その時、杏香が最終コーナーを回ってメインストレートに戻って来ました。


「小山内さん1分36秒753です」


 杏香はあまり変わらないかな、でも訓練始めてすぐには無理かな……


「やっぱり小山内さんはあまり意味が無いかな」


 鈴木オーナーはそう言いますけど……


「訓練を始めたばかりでいきなり良いタイムは出ないでしょう」


 私はすかさずオーナーに言いますけど……


「うん、でも、結菜は、少しだけだけど速くなったと思う」


 確かに、私もそう感じたけど、本当にそうなのかな……


「岩崎さん、持って来ましたよ」


 そう言いながら水上君と青木君がピットへ持って来たのは、杏香のF2マシーンでした。この後、今日も杏香に乗せるんだね。

午後からのテスト走行で、ほんの少しだけど結菜のタイムが速くなりました。まあ、午前中にちょっと訓練しただけでそうはならないと思いますけど……

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