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女神様はスピード狂  作者: 赤坂秀一
第六章 SFシーズン2年目
137/151

137 秘密と目標

今シーズン最初のテスト走行ですが、川嶋君が言った事がきっかけで、マシーンの性能を引き出す訓練をすることに……

 いよいよテスト走行が始まりました。早速、二人ともマシーンの性能を引き出す訓練をする様です。


「普通にテスト走行をするんじゃないんですか?」


 私はオーナーに訊きましたけど……


「普通のテストは良いでしょう。二人とも昨シーズンはシリーズ3位と8位ですから」


「まあ、そうですけど……」


 本当に良いのかな…… 私は少し不安です。


「まあ、小山内(おさない)さんなら今シーズンの終わりにはF2への道が開けるかも知れません! 結菜(ゆいな)はまだ無理かも知れないけど……」


 あっ、そう言えばそうでした、その事をオーナーにも伝えておかないと。


「あのオーナー」


「はい、なんでしょう」


「はい、実はダムスのジェームズ シュナイダーが来シーズンはF1へステップアップするそうなんです」


「それは、何処からの情報ですか?」


 まあ、そう訊かれても仕方がないですよね……


川嶋(かわしま)君からの情報です。来シーズン成績次第で、アルピーヌのセカンドドライバーかリザーブドライバーになる事がほぼ決まっているそうです」


「そういう事は、小山内さんのF2ステップアップの可能性があると……」


 ハハ…… えっと……


「いえ、それが…… ダムスの育成ドライバーは杏香だけでは無くて、他にも数名いるみたいなので……」


「という事は、今シーズンの成績とかF2シートを掛けたテストがあるかも知れない…… しかし、これを逃せばF2へのステップアップも無くなるという事か……」


「はい」


 オーナーは少し頭を抱えているかな…… 今シーズンの終わりに杏香(きょうか)がステップアップ出来なければ、ダムスのシートも無くなる…… そうなると私のイギリス行きだって…… いや落ち着け、まずは今シーズンシリーズチャンピオン、そしてステップアップ出来れば、うんいける!


「えっと美郷(みさと)さん、あの……」


「あっ、はい」


 はあ、自分の世界に入り込んでいました。オーナーは変に思ったかな……


「あの、この事は小山内さんには?」


「いえ、まだ話していません」


「そうですか、では暫くの間、秘密という事でお願いします。あまり精神的に負担を掛けない方が良いでしょう。それに結菜(ゆいな)の事もありますので」


「はい」


 まあ、まだはっきりした話では無いですからね。


 その後、集中力を切らした二人がピットへ戻って来ました。


「あーっ、疲れた!」


 杏香の第一声がそれでした。


「何言ってるの! まだ始まったばかりでしょう」


「だって、これって凄く疲れるよ」


 しかし、その横にはグッタリした結菜が杏香を見ています。


「杏香はよく喋れる元気があるよね……」


 結菜はそういう元気もないような、それだけ集中してマシーンに乗っているからだろうけど、これって明日まで持つのかな……


「でも杏香、川嶋君と勝負したいんでしょう! 今のままじゃ勝負にならないよ」


「だって川嶋さんはF2ドライバーなんだから仕方ないよ」


 あら簡単に諦めるのかしら……


「あらそう、でも川嶋君がF1ドライバーと一緒に走った時、あっという間に抜かれて行ったんだってよ! でも彼は諦めずにF1目指して頑張っているみたいだけど」


「えっ、川嶋さんが……」


「杏香は諦めるの?」


 まあ、杏香は事情を知らないからあの川嶋君がと思うかもだけど、F1って、チームによってマシーンの性能が違うんだよね。だからF2の川嶋君が、あっという間に置いてきぼりになっても仕方がないんだけどね……


「諦める訳ないでしょう! 私だって絶対F1へ行くんだから」


 杏香は少しくらい元気がでたかな、でも結菜は……


「美郷さん、この後も走るんだよね……」


 はあ…… 結菜は、もう根を上げているのかな……


「当たり前でしょう! テストをするためにサーキットをレンタルしてるんだから、あなた達勝てなかったらレンタル料払ってもらうからね!」


「……」


 つい、言ってしまった、大人気ないよね、余計に留めを刺したかな……


「美郷さん、今年もよろしくお願いします」


 えっ、なに!? 私はびっくりした表情だったに違いないです。


「あの、岡田菜穂子(おかだなほこ)ですけど……」


「あっ、お、おめでとう! いや、勿論解りますよ」


 いや、本当に解ってはいたんだけど、いきなりだったから……


「ところで、小山内さんも姫もなんだか辛そうなんだけど」


「あっ、今ね、マシーンの性能を引き出す走り方の訓練中なのよ」


「はあ、そうなんですか……」


 なんだか菜穂子さんまで気分が悪そうです。


「菜穂子さん、大丈夫ですか?」


「あっ、大丈夫、大丈夫、姫や小山内さんに比べたら…… ただあの二人を見てたら、私も心配になります」


 まあ確かに、あの二人を見ていたらこっちまで辛くなるわね。


 休憩が終わり、また二人はコースへ出て行きました。


「菜穂子さん、一応タイムをお願いします」


「はい、でも、この走り方じゃ良いタイムは期待出来ないですよね……」


「そうね……」


 まあ、それは仕方が無いです。マシーンの能力を発揮するためにエンジン音や足まわりとかにも気をつけながら集中して走っていますからね。


 でも、まだ始めたばかりだし、何かヒントでも掴めれば違ってくるんだろうけどね……


「美郷さん、小山内さんのタイムが1秒くらい速くなりました。と言っても1分40秒259でまだまだ遅いですけど……」


「結菜は?」


「姫は1分41秒125です」


 うん、少しづつ速くはなってるのかな、午前中はこのまま練習して午後からは通常のテストもしておかないと、このままだと公式テストはまともに走れなくなるかもね……


 まあ、どっちにしてもまだ始まったばかりです。

マシーンを感じる訓練をしています。タイムも通常より5秒くらい遅いんじゃ無いかな…… まずは慣れてからフリー走行もしないとね。

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