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女神様はスピード狂  作者: 赤坂秀一
第六章 SFシーズン2年目
136/151

136 マシーンの性能を引き出す

年が明けて二十日目、二月の公式テスト前にチーム内で調整をしておかないと、それに秀樹が言っていた事も気になります。

 一月二十日、今日は鈴鹿サーキット場でteamSHOWGOのテスト走行の日です。ここから今年のレースが始まります。


杏香(きょうか)、マシーンの性能を引き出すって解る?」


 私は、秀樹(ひでき)に言われていたので、取り敢えず話をしますけど、杏香は解るのかな……


「うん、解るけど…… SFの場合、直列4気筒2000ccターボエンジンで550馬力だから、それを出し切る走りが出来ればって事だよね」


 えっ、解るんだ! 私は疑った事を反省しました。やっぱり流石はレーサーだね。私は嬉しくなりました。


「それじゃ、マシーンの性能を出し切った走行をやってみて!」


 私はストップウォッチ片手に杏香にそうお願いしました。


「うん、良いけど…… それって、どうやれば良いの?」


「えっ?」


 私の疑問視する言葉に彼女も……


「えっ?」


 解るんじゃないんかい!


「ねえ、解るんじゃなかったの?」


 私はもう一度確認しましたけど……


「いや理屈は解るけど、どうやれば良いのかは解らないよ」


「そ、そうか……」


 やっぱり難しいのかな……


「ねえ、それって誰が言ったの? オーナー? それともお父さん?」


 杏香はチームの誰かが言ってるとでも思っているのかな……


川嶋(かわしま)君がそう言ったのよ」


 私がそういうと……


「えっ、川嶋さん? 来てるんですか?」


 来る訳ないでしょう。3月にはF2が開幕するのに……


「ううん、お正月に金沢で逢ったのよ」


「えっ、そうなんですか…… それで何か言われたんですか?」


 うん、だから…… イギリスへ来て…… あっ、いや、そうじゃなかった。


「たがら、F2へステップアップをするならマシーンの性能を最大限引き出せないと駄目だって」


 はあ、変な事思ったから顔が赤面するかと思ったわ……


「うーん、そんな事言われてもな……」


 やっぱり杏香は、そういうのは解らないよね…… あーあっ、私はいつイギリスへ行けるのかな……


「うーん、速く走れるように集中して走れば良いのかな」


 それって、いつもは集中してないんかい! まったく……


「朝っぱらから何騒いているんだ、まだ走らんのか?」


 (げん)さんも来ました。


「お父さん、マシーンの性能を引き出す走りってどうすれば良いの?」


「えっ、うーん、杏香もそろそろそこを考える時期なのか……」


「お父さん、解るの?」


「解らん! 俺はメカニックだ! 最大限の性能が出るマシーンに仕上げる事しか解らん」


 そうか、源さんはそうだよね……


「ほらね翔吾(しょうご)さん、三人でなんだか考えているみたいでしょう!」


 そう言って結菜(ゆいな)鈴木(すずき)オーナーを連れて来ました。


「何かあったんですか?」


「あっ、オーナー! ねえ、マシーンの性能を最大限に発揮して走るにはどうしたら良いんですか?」


 杏香が、いきなりそう訊きました。


「あっ、そこですか……」


 いや、それってそんなに難しい事なの?


「それは、誰が言ったんですか?」


 オーナーの訊き方ががちょっと不気味で怖いです。


「そ、それは……」


 私が説明しようとした時……


「川嶋さんが言ったそうです。それが出来ないとF2へステップアップ出来ないって!」


 杏香がそう言い切りました。


「そうですか、でも、小山内(おさない)さんはマシーン性能の80パーセントは発揮出来てると思います」


 オーナーはそう言いますけど……


「それを100パーセント引き出す事は……?」


 私がもう一度そう訊きました。


「出来ると思うけど……」


 オーナーはそう言いますけど……


「それをやられるとメカニックが大変だ!」


 今度は、岩崎(いわさき)さんがそう言いながら私達の側へ来ました。


彼方(かなた)、どういう事だ?」


 今の言い方はオーナーとしては気になりますよね……


「要するにマシーンに負担が掛かりすぎると整備が大変って事です。翔吾はドライバーだったから気にしてないと思うけど」


 そうか、マシーンの性能を最大限高める事は出来るけど、今まで以上に整備も大変になるって事か……


「まあそういう事だが、最初から最後までそういう走りをする必要はないよ」


「えっ、どうしてですか?」


 杏香は普通にそう思うよね、でも、どういう事?


「そんな走り方をしてたら凄く疲れるし、大事なところで最高の走りが出来ないよ」


 鈴木オーナーがそう言いました。


「オーナーも性能を引き出す様な走りが出来ますか?」


 なんだか縋る様に杏香はオーナーに訊いています。


「うん、出来るけど」


「教えてください! 少しでも早く川嶋さんと勝負したいんです」


 えっ、杏香はそんな事を考えていたの?


「もう、私を無視して話を進めないでよ!」


 あっ、そういえば結菜を放ったらかしで話をしてましたね……


「私だってF2へステップアップしたいんだから」


「うーん、解った! でも、すぐに出来る事じゃない。訓練が必要だ」


「訓練?」


「ああ、ギアチェンジひとつでもエンジン回転数を何処まで上げた方が良いのか、エンジン音がどんな音の時が一番良いのか、マシーンの一番良いところで操作する。要するに神経を研ぎ澄ますって事だ」


 杏香はワクワクしながら鈴木オーナーの説明を訊いてるけど、それって出来るの? 私は訊いてるだけで物凄く疲れそうなんだけど……


「私もやる! 杏香には負けないんだから」


 結菜も素質はあるはずなんだよね……


「うん、二人でF2へステップアップしよう!」


 まあ、そんな簡単な事では無いけどね、まずF2のチームに呼んで貰わないとだしね……

マシーンの性能を引き出す走りが出来るように訓練をするみたいだけど、そんなに簡単ではないよね…… それよりも開幕までにきちんとした調整をした方が……

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