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女神様はスピード狂  作者: 赤坂秀一
第五章 teamSHOWGO
135/150

135 冬休みの終わり……

私は実家に顔出しに来ただけなのに、あいつと一緒に来たのが…… お父さんとあんな約束を……

とんでもない事になってしまった。

 もう、とんでもない事になってしまいました。


「もう、なんであんな事言ったの!」


 実家を出た後に、私は秀樹(ひでき)に訊きました。


「俺は前からそのつもりだ! おまえが、スーパーフォーミュラに未練があるからF1に行ってからと言ったんだ」


「うちのお父さん、本気にしてるけど」


「俺も本気だよ! だから一緒にイギリスにって何度も言ってるだろう」


 そうだけど……


「私はあの娘をF1へステップアップさせたいの! だから、まだ秀樹の元へは……」


 私の声は、自然とフェードアウトしてしまいました。


美郷(みさと)、だからその事は協力するし、俺は待っているから」


 秀樹はやっぱり優しいです。


「だから、あいつにはマシーンの性能を最大限引き出すような走りをだな……」


「うん、杏香(きょうか)にそれが出来るなら……」


「しかし、それが出来なければF1もF2もステップアップなんか出来ないからな……」


「うん……」


 でも、そんな漫画みたいな事、出来るのかな…… 私はまだ半信半疑です。


 すると秀樹は私の手を握って歩き出しました。


「えっ、なに、どうしたの?」


 私がそう訊いたら……


「神頼みに行こう! 正月だから初詣だな」


「えっ、初詣ってどこに行くの?」


 まあ、金沢市内にも神社はあるけど……


「市内で神社といったら平岡野神社だろう」


 そうか…… 秀樹ともよく行ったよね。


「でも、人多くない?」


「まあ、正月だからな」


 いや、そうだけど……


「でも、元旦に神頼みなんだから、そこは苦労しないとな」


「うーん、そうだね……」


 そういう事で、私達は平岡野神社に来ましたけど…… かなり人が多いです。鳥居から拝殿までも沢山の人で賑あっています。


 あっ、出店も結構ありますね…… たこ焼きが美味(おい)しそう。まだ、お昼ご飯を食べてないもんね。


「あっ、焼きそばが美味(うま)そうだな」


 秀樹もこの美味しそうな匂いには空腹を抑えるのが厳しいようです。


「美郷、初詣が終わったら何か食べようぜ!」


「うん、良いけど駅まで戻った方が温かくて美味しいのがあると思うけど……」


「まあそうだな、ちょっと誘惑に負けそうだが……」


 そんな話をしながら40分くらい待ったのかな、やっと拝殿まで来て、次にお詣り出来ます。


「やっとここまで来たな」


 秀樹はそう言いながら御賽銭を入れます。私ももちろん、ちゃんと御賽銭を入れますよ。


 そして、私は杏香のステップアップの件と私と秀樹の事もお願いしました。


 私も、もうそんなに若くないですから秀樹との事は上手く行って欲しいです。まあ、今のところ誰からも反対はされていませんけどね……


「美郷は何をお願いしたんだ」


 解ってるでしょう! でも……


「秘密」


 ところでこいつは何をお願いしたのかな……


「よし美郷、駅に行くぞ!」


 秀樹はそういうけど……


「ねえ、おみくじくらい引こうよ」


 折角初詣に来たんだからと、私がそう言うと、秀樹は仕方がないと言わんばかりに私に従いました。


「ねえ、昔よくやったよね!」


「ああ、大吉が出るまでおみくじを引いたな……」


 あれって、大吉が出てもご利益はなさそうだけどね……


 早速、私がおみくじを引きました。


「吉だよ!」


「それじゃ、俺も」


 そういって秀樹も引きました。


「おっ、大吉じゃん!」


「えっ、凄い!」


 私はそう思いましたけど……


「でも、お正月だから大吉も二割り増しくらいにしてるのかもな」


 もう、なんで素直に喜べないかな…… 私はそう思いました。


「そんな訳ないでしょう!」


「でも、大吉だけど内容はあまり良くないぞ!」


 健康運、体調注意。旅行、そこそこ良い。待ち人、来ない。


「これって、本当に大吉なのか?」


 確かに、ちょっと不安になりそうな感じですね!


「それじゃ、運気が上がるようにおみくじを結んで行きましょうか」


 そういう事で、この後私達はちょっと遅めの昼食を食べました。




 年が明けて早くも五日経ちました。私は名古屋に帰ります。あいつは……


「それじゃな、美郷」


「えっ、一緒に帰らないの?」


「俺はイギリス、おまえは名古屋だろう」


「うん、関空からじゃないの?」


「違う、成田だよ!」


 という事は、小松から羽田、そして成田に行って帰るのか……


「秀樹!」


 私はそう言って、彼の胸の中へ……


「おいおい、一緒にイギリスへ行く気になったのか?」


「うん、必ず行くから待っててね!」


 私がそう言うと、彼は朝早くに帰って行きました。


 私は時間があるので……


「叔母さん、お世話になりました」


「いいえ、また遊びに来てね」


「はい」


 そう言って白山荘を十時くらいに出ました……




 私が名古屋のガレージに着いたのは午後二時くらいです。


「あっ美郷さん、どこに行っていたんですか?」


 杏香と結菜がシミュレーションをやっていました。はあ、好きだね……


「うん、ちょっと金沢までね」


「金沢?」


「うん、私の実家があるのよ」


 そう私は言いました。


「ふーん、行くところがあると良いね」


 いや、別に実家じゃなくてもドライブとかでも行けば良いと思うんだけど……


「あっ、金沢プリンを買って来たから食べる?」


 ちょっと話題を変えよう……


「うん、食べる!」


 という事で、プリンと実家で作ってるお饅頭を出しました。


「あっ、美郷さんおかえりなさい」


 鈴木オーナーもいました。


「オーナーもお土産どうぞ」


 私がお饅頭を差し出しました。


「あっ、ありがとうございます」


 そう言ってひと口で食べています。甘い物は好きなのかな……


「美郷さん、このプリン美味いね!」


 杏香と結菜は金沢プリンを、オーナーはお饅頭を美味しそうに食べています。


「このお饅頭美味しいですね! 何処のお饅頭ですか?」


 オーナーがそう言いましたけど、実家が和菓子屋さんというのは内緒です。


久々にガレージに戻って来ました。このスペースがとても落ち着きます。でも二十日からテストを始めます。あいつが言っていた事も訊かないと……

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