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俺が『見』てるセカイ、君の生きるミライ  作者: 六錠鷹志
第二章 昇らない陽 と 静かな海
22/33

16R はぁ、はぁ、はにゃぁ

気づいている人もいるかもですが、タイトルに『R』がついているものの、「セリフ」はランド語になっています。

<セリフ>は日本語を表します。

 秋刀魚、サンマ、さんま、、、とブツブツ思いながら、帰ってきたは『旅人の止まり木』。

 バルトのやっている宿屋兼、飲食店の名前なのです。

 ………ネーミングセンスがこれっぽっちも感じられない名前だが、俺の訳し方の所為(せい)だと思い・・・たい。


(バルトはこんなに残念な名前を店につける訳ないもんね…ね……)


 俺たちは飲食店のフロアの隅の席に腰かける。

 そんな、ことを考えながらミーシャとラブラブしていると、うるさいやつが喋るわ、しゃべる。


「んで、あんたはその気持ち悪ぃ顔やめる」

「そうだぞ、<ニート>。…<ああ、ミーシャ見てはいけませんぞ>」

「<わかった>」


 ゴフッ!


「<痛った>、なにするんだよ」

「なにがなによ。あんたに言っているのよ、あんたに」

「はぁ? なんで俺に。俺のこの<クールフェイス>に」

「<く、く~りゅっ、ふぇっ。>あ~あ~、もう、このっこの、、、あんたよ」

「語彙力が俺未満かよ。よっぽどだぞ、そっそれぇぇぇ、、、」

「………泣くならなんでいうのよ。これだから、バカは困るのよ」

「うぅぅ、、、ミーシャ……」


(俺、こう見えても、日本じゃ偏差値高いとこ行ってたんだぞ。高学歴、俺、高学歴なんです)


 「<だいじょうぶ、だいじょうぶ>」と、ミーシャに励まされ、俺は元気を取り戻す。

 目の前のこいつは悪魔だ。

 空色の髪の毛を短く切って、胸は居乳だ。巨乳ではなく、じっとしてひっそりとしている。

 身長は俺よりちっちゃい。


(身長だけではなく、胸も、器もないとは………カワイソス)


「あんた、その目をやめなさい。キモイわ。謝りなさい、この私に謝って」


(うるさいな~。しゃべってないと、死ぬのか、コイツ。誤ってるのはお前の脳細胞だけだよ)


 あと、こんな話し方をする。

 コイツ、まさか。


(………本当は、男なんじゃないのか)


「<痛ってぇぇぇ。>マジなんだよ。ラウラ」


(あっ、ちなみに、こいつの名前は、ラウラさんです)


「なっ! あっあんたに名前で呼ばれる筋合いないのよ!」


(ちょおぉっと、思考回路がおかしなことになってますね。パリティパリティ! 誤り訂正ちゃんとして! マジで!)


 んで、今まで黙っていたやつが動き出す。


「えっ、じゃあ俺はどういうことなんだよ、ラウラ。俺名前で呼んでるよな、、、もしかして、もしかしてだが、」

「<にーと>のバレルは黙って、役所に行きなさい」


 ラウラはソファに座っていたバレルの頭をはたくわ、叩くわ、踏むわ。


(べっ別に、ちょっとやってみて欲しいとか、思ってないんだからね)


 俺は涙目のバレルのために、助け船を出してやる。


「ラウっ、なあ、役所ってなんだ。俺も行ってみたいんだが」

「やっやめるんだ、タケル。あそこには行ってはいけない。」

「なんでなんだ」


(なんだ、なにかあるのか? その役所には)


 ラウラはなんか「はぁ」って、ため息吐いてるし、どうせ、ろくなことじゃないのは、わかる。俺でもわかる。


「タケル、役所の奴らはな………」

「………役所の奴らは…」


 バレルはそこで、息を吸い込み、深刻な顔?になると、口をゆっくりと開く。


「………仕事を紹介してくるんだ!」

「はぁ」←俺

「はぁ」←ラウラ

「はにゃぁ」←ミーシャ


(そんなことだと思ったよ。どーせ。………てか、ミーシャその声はあかん、かわゆすぎて、俺死んでまう)


 バレルはおろおろしながら続ける。


「おっおい。お前らそんな顔して。事の深刻さをわかってんのか? 仕事をやらせようとするんだぞ、役所の人間は!」

「ミーシャ、あんな人に将来であったら、何もせず、声をかけず、そっと、目を合わせないように逃げるんだぞ」


 ミーシャとは最初からの成り行きと2人の時間を楽しみたいので(理由の大半は後者に収束するのだが…)、ミーシャと俺は基本的に日本語でしゃべるのだったが、あえてバレルに『わかる』ように言った。


「わかった、たけりゅ」

「お前らぁぁぁぁぁぁぁっフガッ」

「おい、時間だ。帰れ。あと、仕事探せ。」


【速報】バレル、店の奥から出てきた、バルトにつまみ出される。


(バルトさんって優しいのか、厳しいのか………)


 一仕事終えたバレルがキッチンに戻るのを、眺めたあと、ラウラ。


「んで、さっきのは何だったの」

「なんだ、<居乳(きょにゅう)>」

「あんた、今、なんていった」

「<居乳、じっとして何も努力も主張もしない乳>」

「<きょうぅ?> まぁ、いい。何だったの、あんたは?」


(なんのことだよ)


「あれよ、帰るとき泣いていたじゃない、若干」


(それのことか)


 俺は何とかその時の俺の気持ちを打ち明ける。


(こう言うと、なんか告白するみたいだな)


 秋刀魚のすばらしさ、季節のこと。

 ってか、ここで、生物が食えないことに、ふんがーしてたことを何とか伝える。


「魚が食べたいってこと」

「ん~、ちょっと違うが、食えるもんなら食いたいな」

「あっそう」


 そういって、ラウラはう~んと考え込むと、思いもよらないことをいう。


「<さんま>っていうのは知らないけど、魚なら食べさせてあげてもいいわよ」

「ほっ本当か!」


 ラウラはにっこりとほほ笑むとーー


「一緒に実家まで来てくれたらね」


 ーー旅の始まりを告げる言葉をいった。


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