16R はぁ、はぁ、はにゃぁ
気づいている人もいるかもですが、タイトルに『R』がついているものの、「セリフ」はランド語になっています。
<セリフ>は日本語を表します。
秋刀魚、サンマ、さんま、、、とブツブツ思いながら、帰ってきたは『旅人の止まり木』。
バルトのやっている宿屋兼、飲食店の名前なのです。
………ネーミングセンスがこれっぽっちも感じられない名前だが、俺の訳し方の所為だと思い・・・たい。
(バルトはこんなに残念な名前を店につける訳ないもんね…ね……)
俺たちは飲食店のフロアの隅の席に腰かける。
そんな、ことを考えながらミーシャとラブラブしていると、うるさいやつが喋るわ、しゃべる。
「んで、あんたはその気持ち悪ぃ顔やめる」
「そうだぞ、<ニート>。…<ああ、ミーシャ見てはいけませんぞ>」
「<わかった>」
ゴフッ!
「<痛った>、なにするんだよ」
「なにがなによ。あんたに言っているのよ、あんたに」
「はぁ? なんで俺に。俺のこの<クールフェイス>に」
「<く、く~りゅっ、ふぇっ。>あ~あ~、もう、このっこの、、、あんたよ」
「語彙力が俺未満かよ。よっぽどだぞ、そっそれぇぇぇ、、、」
「………泣くならなんでいうのよ。これだから、バカは困るのよ」
「うぅぅ、、、ミーシャ……」
(俺、こう見えても、日本じゃ偏差値高いとこ行ってたんだぞ。高学歴、俺、高学歴なんです)
「<だいじょうぶ、だいじょうぶ>」と、ミーシャに励まされ、俺は元気を取り戻す。
目の前のこいつは悪魔だ。
空色の髪の毛を短く切って、胸は居乳だ。巨乳ではなく、じっとしてひっそりとしている。
身長は俺よりちっちゃい。
(身長だけではなく、胸も、器もないとは………カワイソス)
「あんた、その目をやめなさい。キモイわ。謝りなさい、この私に謝って」
(うるさいな~。しゃべってないと、死ぬのか、コイツ。誤ってるのはお前の脳細胞だけだよ)
あと、こんな話し方をする。
コイツ、まさか。
(………本当は、男なんじゃないのか)
「<痛ってぇぇぇ。>マジなんだよ。ラウラ」
(あっ、ちなみに、こいつの名前は、ラウラさんです)
「なっ! あっあんたに名前で呼ばれる筋合いないのよ!」
(ちょおぉっと、思考回路がおかしなことになってますね。パリティパリティ! 誤り訂正ちゃんとして! マジで!)
んで、今まで黙っていたやつが動き出す。
「えっ、じゃあ俺はどういうことなんだよ、ラウラ。俺名前で呼んでるよな、、、もしかして、もしかしてだが、」
「<にーと>のバレルは黙って、役所に行きなさい」
ラウラはソファに座っていたバレルの頭をはたくわ、叩くわ、踏むわ。
(べっ別に、ちょっとやってみて欲しいとか、思ってないんだからね)
俺は涙目のバレルのために、助け船を出してやる。
「ラウっ、なあ、役所ってなんだ。俺も行ってみたいんだが」
「やっやめるんだ、タケル。あそこには行ってはいけない。」
「なんでなんだ」
(なんだ、なにかあるのか? その役所には)
ラウラはなんか「はぁ」って、ため息吐いてるし、どうせ、ろくなことじゃないのは、わかる。俺でもわかる。
「タケル、役所の奴らはな………」
「………役所の奴らは…」
バレルはそこで、息を吸い込み、深刻な顔?になると、口をゆっくりと開く。
「………仕事を紹介してくるんだ!」
「はぁ」←俺
「はぁ」←ラウラ
「はにゃぁ」←ミーシャ
(そんなことだと思ったよ。どーせ。………てか、ミーシャその声はあかん、かわゆすぎて、俺死んでまう)
バレルはおろおろしながら続ける。
「おっおい。お前らそんな顔して。事の深刻さをわかってんのか? 仕事をやらせようとするんだぞ、役所の人間は!」
「ミーシャ、あんな人に将来であったら、何もせず、声をかけず、そっと、目を合わせないように逃げるんだぞ」
ミーシャとは最初からの成り行きと2人の時間を楽しみたいので(理由の大半は後者に収束するのだが…)、ミーシャと俺は基本的に日本語でしゃべるのだったが、あえてバレルに『わかる』ように言った。
「わかった、たけりゅ」
「お前らぁぁぁぁぁぁぁっフガッ」
「おい、時間だ。帰れ。あと、仕事探せ。」
【速報】バレル、店の奥から出てきた、バルトにつまみ出される。
(バルトさんって優しいのか、厳しいのか………)
一仕事終えたバレルがキッチンに戻るのを、眺めたあと、ラウラ。
「んで、さっきのは何だったの」
「なんだ、<居乳>」
「あんた、今、なんていった」
「<居乳、じっとして何も努力も主張もしない乳>」
「<きょうぅ?> まぁ、いい。何だったの、あんたは?」
(なんのことだよ)
「あれよ、帰るとき泣いていたじゃない、若干」
(それのことか)
俺は何とかその時の俺の気持ちを打ち明ける。
(こう言うと、なんか告白するみたいだな)
秋刀魚のすばらしさ、季節のこと。
ってか、ここで、生物が食えないことに、ふんがーしてたことを何とか伝える。
「魚が食べたいってこと」
「ん~、ちょっと違うが、食えるもんなら食いたいな」
「あっそう」
そういって、ラウラはう~んと考え込むと、思いもよらないことをいう。
「<さんま>っていうのは知らないけど、魚なら食べさせてあげてもいいわよ」
「ほっ本当か!」
ラウラはにっこりとほほ笑むとーー
「一緒に実家まで来てくれたらね」
ーー旅の始まりを告げる言葉をいった。




