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真夏の雪  作者: Than Nen
幕開け
16/23

幕開け14

『人類は、自分達の個体差はほとんど無いことを理解し、世界を統治するのは不可能だと結論付けました』


『…なるほど』


『言わば、先頭に立つ人間が無力であると知ってしまったのです。それで、議論の末生まれたのが全知全能の、人類を導く者、神が生まれました』


『…その段階では、実際に神様は存在していたの??』


『いえ、勿論最初は空想の存在でした。しかし、時を重ねるごとに人類はありもしない神を信仰するようになります。その思念が徐々に神を創りだしました』


『…無から有を創りだすきっかけというやつだね』


『そうです。神というのは人類の空想により誕生しました。しかし、また人類の手によって滅びました』


『だったらさ…少し変じゃないかな??』




話の内容はなんとなく理解した。


けど、それでは繋がらないことがある。




『変なことと申しますと??』


『神様が死んだのになんでその時の記憶を、過去の記憶を君は知っているの??』


『ありがとうございます。そこまで理解していただければ、幸いです』




少女はニッコリと笑う。


何故、感謝されたのか理解できなかったけど。




『この世界は、神が死ぬ瞬間に創ったもう一つの世界です』


『…うーん。でも神は死んだんだよね??なら何故この場所を創ったの??』


『それは、この世界に私をお創りになり、人類がまた同じ過ちを繰り返さぬようにと、神が望んだ世界なのです』


『君はじゃあ神様なの??』


『そうですね、厳密に言えば代行者といったところでしょうか』


『…なんかよくわからないけど、神様はもう一度宇宙を創って死んだ。その時にこの世界を創った。んで、君は神様の代わりとして、ここに居る』


『はい、その通りです』


『んじゃさ、君はここで何しているの??』


『Akashic Records-アカシックレコード-…聞いたことはありませんか??』


『うーん…たしか…全ての情報がある本か何かだっけ??』


『そうですね、噛み砕いて言えばその通りです。私がアカシックレコードです』


『ふ~ん…なんかすごいんだね!!』


『はい、私すごいんです』




少女はニッコリと笑った。


僕は事の重要さも分からず、一緒に笑った。

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