幕明け10
『お目覚めですか、鏡也様』
目が覚めると、そこは一面銀世界。
そして、何度か見た少女。
『ああ…おはよう。えっと…名前聞いてなかったね、そういえば』
『そうですね、お伝えしていませんでしたね。ただ、お伝えするのは私の話をしてからでよろしいでしょうか??』
『別に構わないよ。色々と聞きたいことがあったし』
『ありがとうございます』
少女はニッコリと微笑んで、軽くお辞儀をした。
前から思っていたが、本当に礼儀が正しいと思う。
年齢は自分と同じぐらいなのに、敬語で、振る舞いも上品だ。
『では、少々お時間を頂いて、お話をしたいと思います』
『どうぞ、お願いします』
『まず、この世界が生まれた経緯から説明をしたいと思います』
…この世界が生まれた経緯??
そんなこと、僕に関係あるのかな??
それよりも、聞きたいことが山ほどあるのに…。
『…っと。鏡也様、安心してください。鏡也様が聞きたいことは、後々、明らかになります』
まるでこちらの心を読んだかのように、少女はニッコリと笑みを浮かべそう言った。
『…はあ。承知しました』
『ありがとうございます。では…。まずこの世界が生まれた経緯ですが、それは…人間の希望です』
『人間の…希望…??』
意味が分からない。
人間が何故こんな場所を望んだのか…。
『私達は、元々存在しないはずでした。宇宙が生まれて、地球が生まれて、生命が生まれて、人間が生まれて、神が生まれました』
『…ちょっと待ってくれよ。順番がおかしくないか??神様が宇宙や人間を作ったんじゃ…??』
僕自身、別段神様を信仰しているわけではない。
しかし、宇宙はどうやって生まれたのか??と考えた時、何者かの介入がないと不可能ではないか??
そして地球という存在。
あまりにも人間にとって都合の良すぎる環境。
これも何者かが用意したとしか思えない…。
それが神様という存在なんだと、心のどこかで思っていた。
『では鏡也様、お尋ねしますが、神様は誰がお作りになりましたか??』
『…そうか。神様が元々存在してたということは、神様をまた何者かが作った…』
『その通りです、鏡也様。無から有を作り出すには、何かきっかけが必要なのです…』
頭が混乱してきた…。
神様は僕がいた世界にスタートラインからいたと思っていた。
しかし、その神様でさえも何かの影響で生まれた。
ということは…。
『さっき君が話してくれた順番。それが答えと言う事か!?』
『流石鏡也様。お察しが早いですね』
少女はニッコリと微笑んで、そう答えた。




