↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
39/48

第39章:キャンプ到着

(バスのエンジンの唸りがようやく消え、ドアが開くと同時に圧縮空気の抜ける音が響いた。松の香りと湿った土の匂いが車内に流れ込み、旅の疲れを一気に吹き飛ばしていく。生徒たちは順序よく降り立ち、山の冷たい空気に顔を打たれながら足を伸ばした。森の縁には木造のコテージが並び、その前には夕闇を映す鏡のように静まり返った湖が広がっていた)


高木 蓮:(真っ先に降りて、骨が鳴るほど力一杯背伸びをする。そして悪戯っぽい笑みを浮かべて白を振り返った) —「やっと着いたぜ! 足が座席に張り付くかと思った。おい白……お前、山の中でも華ちゃんの専属ボディガードとしてずっと後ろをついて回るつもりか?」


粕美 白:(名前を聞いた途端、自分のリュックに躓きそうになる。白崎さんが降りてくるのを待ちながら、慌ててストラップを直した) —「そ、そんなんじゃないって! ただ……みんなが怪我なく過ごせればいいなと思ってるだけだよ」


森田 大輝:(白の肩をポンと叩き、穏やかな笑顔を見せる) —「蓮、5分くらいは休ませてやれよ。落ち着け、白。俺たちはキャンプに来たんだ、戦争じゃない。少しは景色を楽しめよ」


黒瀬 雪菜:(無関心そうにコテージを眺めながら、ジャケットの襟を口元まで上げる) —「ここの空気、冷たいわね……でも、嫌いじゃないわ。少なくとも、教室に閉じこもってるよりはマシ」


清水 海斗: —「落ち着け、白。まだ着いたばかりだ。そんなに緊張してたら何も楽しめないぞ」 (海斗はいつもの分析的な冷静さで雪菜を見る) 「厚着して正解だ、雪菜。これから気温は急激に下がり続けるからね」


(装備を降ろす生徒たちの喧騒の中、近藤先生が掲示板の前でホイッスルを鳴らした)


近藤先生: —「注目! コテージの割り当てを確認しろ。一棟につき5人だ。異性のコテージへの出入りは禁止、夜9時以降のエリア外への外出も認めん。さっさと荷物を運べ!」


(グループが掲示板に集まる。先日のお泊まり会を経て、彼らの間の信頼関係は確固たるものになっていた。以前のような距離感はなく、自然な動作で動き出す)


高木 蓮: —「えーっと……第3班! 第7コテージは、粕美、高木、清水、森田、それに相沢先輩だ!」 (蓮は楽しそうに笑う) 「怪談話の夜は決まりだな!」

清水 海斗: —「お前の家でのあのお泊まり会よりはマシだろうが、白。あんなカオスは御免だぞ」


粕美 あかり:(華のすぐ隣で女子のリストを確認する) —「第8コテージは、白崎さん、直美さん、雪菜さん、私、それに未来さんね」 (兄を挑発するように不敵な笑みを向ける) 「完璧。向かいの窓からお兄ちゃんがバカなことしないか見張っててあげる。私たちのコテージ、隣同士だしね」


相沢 陸:(リーダーらしい佇まいで現れ、状況を確認する) —「よし、お前ら……山に来たんだ、今回こそはコテージを壊さないようにしてくれよ」 (白に向かってわずかに微笑む) 「粕美くん、水缶を運ぶのを手伝ってくれるか? かなり重いんだ」


粕美 白: —「はい、相沢先輩!」


(数分後、荷物を置いた白と華は、小さな展望台の柵の近くで居合わせた。太陽が沈み、オレンジ色に染まった湖面に山々が映り込んでいる)


白崎 華:(木製の柵に手を添え、穏やかな表情で地平線を見つめる) —「ここ、すごく静かですね、白くん。学校での悩み事が……すごく遠くに感じます」


粕美 白:(風に揺れる彼女の髪を見つめながら) —「そうだね。……みんなに『少しリラックスしろ』って言われたけど、その通りかもしれない。この瞬間を楽しむのを忘れてたよ」


白崎 華:(白の方を向き、顔を輝かせるような優しく誠実な微笑みを浮かべる) —「嬉しいです……。白くんと一緒にこの旅行に来られて。……二人一緒なら、何が起きても大丈夫な気がします」


粕美 白:(寒さを忘れるような温かさを胸に感じながら) —「この旅行が君にとって良い思い出になるように、頑張るよ、白崎さん」


(その瞬間、コテージエリアから蓮の叫び声が響いた)


高木 蓮: —「おーい、そこのバカップル! 早く来ないと、相沢先輩が夕食の肉を全部食っちまうぞ!」


(夜の帳が下りる中、一行は設営を終えた。湖には最初の星が映り込み、コテージに灯る温かい光が一つ、また一つと点いていく。山の第一夜が始まった)


粕美 白の心の声:(この旅行……僕の心臓には、かなり危険かもしれないな)


(学校から遠く離れて……白崎さんへの気持ちは、今までになく鮮明になっていた)


(あの午後、山の空気は束の間の平穏を運んできた。しかし、コテージの明かりが灯るにつれ、白は悟っていた。本当の試練は大自然ではなく……自分自身の心の中にあるのだということを)


つづく


著者ノーツ:


皆様、こんにちは!


第39章、ついに一行がキャンプ場に到着しました! 湖畔の静かなコテージ、隣り合わせの班割り……カオスと胸キュンが同居する準備は万端です。

展望台での白と華の会話、少しずつ素直になっていく二人の距離感を楽しんでいただけたら嬉しいです。ですが、第3班にはあの相沢先輩や未来もいます。一筋縄ではいかない山の夜が始まります!

今後の夜のアクティビティが気になる方は、ぜひ「星(評価)」やブックマークをお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。