27 7月26日 行き先
新潟県新発田市。
紫雲寺オートキャンプ場。
ACサイト。
日本海の絶景が広がる最高のビュー。
トイレも清潔でシャワーも綺麗。
見晴らしのいい広いエリアでは、、、、
「ひゃっほうーーーーーーーー!!」
トモが叫ぶ。電動キックボードだ。
その後ろからヒメとチアキも追いかける。
ユウキャン、タイサは仲良く電動バイクで仲良くサイクリングをしている。
「いいところだな」
ケンジがつぶやく。
「お前はやらんのか?」
隣にいるジュンが答えるが、そういうジュンもベンチでPCをいじっていてアクティビティには興味がないようだ。
だがケンジはそれに答えず、タバコに火をつけた。セブンスターの芯がゆっくりと赤く燃える。
スーパーソニックでは完全禁煙なので、外に出ている時だけ。喫煙者はケンジだけだ。
「新潟は天候が悪いことが多いと聞いていたが、ラッキーだったな。こんなに晴れていて」
「ああ」
ケンジはぶっきらぼうに答える。
「あまり来たことはないが、悪くない。食事もうまそうだ。まあ、日本全国うまいもんはあるんだが」
ジュンもたいして意味のない話をしている。ジュンは誰とでもうまく話せる天才だ。10分話せと言われたらその通りにできる。澱みなく、つらつらと。
「そうだろうな」
ケンジはそれに比べたら正反対だ。
「なにしろ酒処だしな。お前、日本酒いけるんだよな?」
「ああ」
「なんだ、浮かない顔だな」
「いや。この旅ってなんだっけ……?」
「いまさらかよ。ヒメちゃんを8月15日まで守る。それまでは旅行気分でも構わないだろ?」
「お前もそう思っているのか?」
「どういうことだ?」
「守り切ったところで、俺たちの役目は終わるのか?」
「ふふ、なんだよ役目って? お前はそれで〈オジキ〉のミッションクリアだろ?」
「オジキからはヒメちゃんを守れとは言われたが、いつまでという話はない。はじめはオジキのところへ連れていけばいいと思っていたが、いまは来るなと言われているし、京都にも近づくなと言われている」
「待っているのが嫌なのか? ……それとも、何か急ぎの用事でも?」
「いや、急いでるわけじゃないが」
「シバか?」
「……」
「やっぱり復讐か」
「……」
「ジャーナリストとしては面白いし、俺の〈師匠〉の死の真相だし、興味はあるがな。結末がただのヤクザ同士の事件を傍観しても意味はないな」
「俺自身、どうしていいかわからないんだ」
「ここにレモンサワーがある。とりあえず飲もうぜ」
「シバは俺の〈師匠〉を殺した。その罪をお前に被せた。そしてお前は内縁の家族を、妻と娘を失った。ヤクザ業界の政治でお前は見捨てられた。オモテでも指名手配を受けた。慈恩会の会長・向田龍――お前の言う〈オジキ〉の手配で、お前は生き延びて別人のパスポートでアメリカに渡った。そして10年後に日本に戻った」
「……」
「復讐とやらは俺にも心当たりがある。だが、その先に何がある?」
「シバの産廃事業は殺しの死体隠しだ」
「……ほう、なるほど。それはそれは……」
「極道の風上にも置けねえ!」
「裏社会の住人なんてどれも同じだよ。同じ穴のムジナだ」
「ちっ!」
「だからお前の復讐にはなんの興味もねえ。うまくいってもいかなくても、ヤクザが死んだという話になるだけだ。なんのニュースバリューもない」
突き放したような言い方だったが、その声は穏やかなものだった。
「だけど、お前の中で納得いかない感情があるのも少しは想像できる」
「……チアキの姉御が、お前は人の感情が理解できない選手権の世界チャンピオンだっと言っていたぞ」
「おい、そんな選手権があるわけないだろ。それで、いつからチアキは姉御になったんだ。お前より年下だぞ」
「年齢は意味ないだろ。極道でもなんでも関係性だ。オレはフリーター歴が長いんだ」
「おもろ。元極道がフリーターになるとそんな感じなんやな」
「あんたが、関西弁になるの珍しいな」
「まあ、話戻るけど、シバはとりあえず忘れとけ。今回の件では関係あるいうたらあるけど、いまは触らんほうがええやろ。はっきり言って情報が少ない。シバを使っているのは道源組。わかっているのはそれだけだ。ただ、これはシバは道源の手下なんかじゃない。ビジネスパートナーや。ヤクザ業界でもフリーランスに近い。独立独鈷。お前の話が本当なら、業界内では重宝されてるのかもしれんな」
「……ああ、そうなんだろうな」
「お前もやってたんか?」
「アホ吐かせ」
「そうだな。お前も同じ産廃業者として目つけられてたんやろ? なんかわかる気がするわ。お前真面目ゆうか、固いもんな。シバみたいなことはできんのやろ。……というか、どっちも違法やけどな、ははは」
「……」
「とにかく、復讐したいなんて、いまさらやんか。12年もたったら、あと1年でもいっしょや。いまはやめとけ」
「……」
「なんかあんのか?」
「呼ばれているんだ……シバに」
「は?」
「沖縄に来いと」
「……なんで沖縄やねん?」
「知らんわ」
※ ※ ※
その日の晩は少し遠出して海鮮づくしの豪華なディナーだった。
資本金はケンジの〈オジキ〉から預かった金である。
「こんな使い方でええんやろか……」
ケンジがつぶやく。
「かめへんかめへん、わっはっは!」
わざとらしい関西弁でチアキが豪快に笑う。
ちなみに、海鮮があまり好きではないユウキャンは別行動で、地元で有名な濃厚味噌ラーメンを食べに行った。レンタサイクルで。当然のようにタイサは一緒についていった。
トモ、ケンジ、ジュンはたらふく食べて飲んで、風呂に入りに行った。
三人の背中をチアキは見つめる。
笑い声がする。
まるで昔からの友達のように見えた。
「なんか、ええな……」
チアキは遠い目をしてつぶやく。
《どうしました?》
すぐ隣にいるヒメから、チャットが届く。
「ううーん、うん。最高の夏休みやんな? ね、ヒメちゃん?」
チアキが言うと、ヒメはもぐもぐしている口元を隠しながら、ぱっぱと頷いていた。
「ウチもや。なんかはじめての夏休みみたい」
《ずっと忙しかったのですか?》
「まあ、そうでもないけど。心の問題かもな」
《心ですか?》
「聞いてくれるか?」
唐突にチアキが言い出す。ヒメは食べ終わった串と皿をテーブルに置いて、居住まいを正した。
「いや、そんなに構んでええから。――あんな、ウチ女優やってたいうたやん?」
ヒメが大きく頷く。
「つっても舞台女優や。売れんかったけど楽しかったでー。自分の天職や思うてた。そん時な、ウチに熱烈なファンができてん。清潔で、背筋がシュッとしてて、いつもスーツ着てて、イケメンやったわー」
ヒメが顔を輝かす。
「最初な、どっかのスカウトマンかと思うたんやけど、ただのファンやった。ふふふふ」
ヒメは話に引き込まれる。
「でな、ウチ、妊娠したんや」
「……」
「彼は産んでくれと言うたけど、ウチ、まだ若かったし、タイミングの悪いことに女優、ちょっと売れ始めてたんや。テレビとか雑誌の仕事とか来てもうて。いろいろ話し合って、ギリギリまで舞台立って、それから体調不良いうことで半年くらい休んで、復帰するということで、彼も納得してくれた」
《むずかしいですね……》
「うん、まあな。でもごめんな。赤ちゃんにウチ腹立ててたんや。母親失格や。生まれてきた時は感動したし、かわいいと思った。でもな、3時間おきに起きてきて、眠られへんし、雑誌で知り合いの女優が売れていっているの見て、毎晩泣いてたんや」
「……」
「やっぱり産まんほうがよかったんちゃうかって……最低やろ?」
ヒメはいったん首を振ろうとしたが、そのまま俯いた 。どっちにしろ自分は母親の正解がわからない。
「見かねて彼が実家に引き取る言うてくれたんや。義母さんが育ててくれると。あ、ちなみにな、ウチは結婚もしてへんし、彼の実家にも挨拶してへんねん。それは落ち着いてからにしよって彼が言ってくれて。大変やったろな。こんな若い女のわがままのために親とか説得するの無理やん、ふつう」
《いい人だったんですね》
「まあ、感謝してもしきれへん。だけど、いまはモヤモヤだらけや。なにしろ、あいつ、2年後にはウチの子を養子縁組して、別の女と結婚しよったからな」
ヒメが驚きの顔を見せる。
「ウチは希望通り、女優に復帰して、出産したことなんかしてないくらいに自分に思い込ませて楽しんだわ。そして売れたわ。CMにも出たわ。だけどな、そんなに続くもんやないねん。芸能界って……」
チアキの声がか細くなっていく。
「気がつけばまた食えない舞台俳優に逆戻りや。なんか虚しくなってな。そんで、2年もずっとほったらかしにしてた子どもに急に会いたくなって。養子の話聞かされて、子どもには絶対合わせないと言われた。彼の家、けっこうな名家で、本当は結婚も出産も女優復帰もなにもかも激しく反対されていたらしいんや。まあ、それが普通やろな……」
「……」
「ひどい女やろ?」
チアキはあえてヒメの顔を見ない。困らせてしまうから。
「まあ、だから、ウチがヒメちゃんにしてあげてることは、ほんまは〈あの子〉との幻の親子ごっこみたいなとこはある。きっと〈あの子〉はウチみたいなんといっしょにいるよりずっと幸せになっていると思う」
《女の子ですか?》
「……うんっ」
言った途端、チアキの目から涙が溢れ出した。
ヒメが躊躇しながらも背中に手を置く。
「ごめん、ごめんなっ」
「……」
「ちょい、酒、飲みすぎたわっ」
鼻をすすりながら明るい声を出す。
※ ※ ※
スーパーソニック室内。
ユウキャンとタイサはまだ戻ってこない。
海鮮BBQ組はみんな風呂を終えてくつろいでいた。
「それはそうと、あいつら戻ってきてないけど、次はどこに行くんだ? 私はここが気に入ったので、しばらくいてもいいが」
トモが銘酒・越乃景虎をやりながら言う。
「いや、せっかくだから、いろんなところに行ってみたいな」
「そうね。さんせーい」
チアキがはしゃぐ。
「なら、どこに行く?」
ケンジが問う。
「北に行くか南に行くか。サイコロでもふって決めようか。私は20面ダイスをもっているぞ」
トモが口を挟む。
「あれ、はじめは北にいくってことになってなかったっけ? 夏だし。暑いし。山形、秋田、青森、北海道でいいんちゃう?」
チアキもはじめのなんとなく決めた旅行計画を思い出す。
「うーん、いまそっちはクマが出るんだわ。それにスーパーソニックは冷房効いてるから、あんま関係ないだろ」
ジュンはPCに映し出されたクマ被害のニュースをみんなに見せる。
「北に向かうほどクマがな。クマがなー。クマはちょっと。南がいいだろ」
ジュンはわざとらしくケンジの顔をちらっと見ながら言う。
「……おい」
ケンジは沖縄に用事がある。だが、やはりこのメンバーでは行きたくないと思っている。
《そういえば、ヒメちゃん、ほんとだったら、この夏休みずっと沖縄で過ごすいうてたな?》
チアキはスマホのグループチャットに切り替えて、ヒメに聞いた。
トモとケンジはスマホを持っていないので、チャットの会話は伝わらない。
《はい。祖父の別荘があります。そこで過ごす予定でした》
ヒメが返信をする。
《別荘! ええな! そこ行ってもええんかな?》
《はい。大丈夫だと思います》
《よし、そんならそうしよう!!》
《はい!》
ヒメはそれから、コミカルな猫イラストのスタンプをした。《よろしくニャ》
ちょうど、ユウキャンたちが帰ってきた。その左腕にまとわりついているタイサ。
「ただいまー。ラーメン超うまかったー」
「おかえりー」
チアキが出迎える。
「次の目的地、沖縄になったぞ」
ジュンが唐突にそう宣言した。
「なっ!!!!!」
驚きの声をあげた後、ケンジはさらに浮かない顔になった。
「……おい」
※ ※ ※
夜の10時。
トモは誰かに揺り起こされる。
ヒメだった。
「ああ、おはよ。あれ?」
まだ夜のようだった。しかして、目の前には可憐な乙女。やっぱり夢か。
「お前、酒飲んですぐに寝てただろ」
ユウキャンの声がする。
「ああ、そっか。そうかもしれない」
「この時間になったら、昨日のリベンジするって約束しただろ? やだよねー酔っ払いの大人って」
ユウキャンがヒメに向かって言う。
「あー、すまんすまん」
寝ぼけ眼を擦りながら答える。そうだ、カートゲームをやる時間に決めていたんだった。
「ちょっと顔洗ってからでもいい?」
トモはそう告げてスーパーソニックの洗面台に向かう。
「すっかりホームレスが抜けてきたじゃないか」
ユウキャンがからかう。
「あのね、ホームレスの頃も顔くらい洗ってたわ」
「そうなんだな。でも歯は磨いてないよな」
「あのな。小学生の頃から歯磨きはめんどうなんだよ。ホームレスは関係ないよ」
「いや磨いてこい。これ買ってきたから。あとブレスケアな。酒臭いから」
ユウキャンはそう言って歯磨きセットとブレスケアを渡す。
「いただいておこう」
トモはそう言って、ひさしぶりに他人に気をつかう生活に戻っていくことを実感する。
顔を洗い、歯を磨き、口臭のケアをする。それだけで何年か前の自分が蘇ってくるようだった。
「これ、もらっていいのか?」
歯ブラシセットとブレスケアをもってユウキャンにたずねる。
「いや、返されても!」
ユウキャンが高笑いする。
そばにいた連中も爆笑する。
「ですよねー」
トモはわざとらしくとぼける。
そしていただいたものをリュックにしまおうとする。すると中にあったDSのランプがまた緑色に光っている。
「のわっ!!!」
トモはおもわずのけぞった。
「どうした!?」
ユウキャンが「たぶんたいしたことないだろう」くらいのテンションで尋ねる。
しかし、トモは真面目な顔で答える。
「ふ、ファ、ファンタムレディからだ」
一同が注目する。
最初の接触もDSを通じたものだった。
すれ違い通信を利用して特別なメッセージを送ってきた謎の女。バリキャリウーマンの見本のような女。上下白のスーツとサングラスできめていたスタイルのいい女。いい匂いのするいい女。カッコっいい女。色っぽい女。漫画でしか見たことのない女。敵か味方かわからない不二子ちゃんみたいな女……。
「おい、トモどうした!!? しっかりしろ!!」
誰かがそう大声で言うのでトモの意識は戻った。妄想の沼から戻ることかできた。
どちらかというと幸せな幽体離脱だったかもしれない。
「何があった!?」
ジュンがたずねる。
「あ、ああ……。DSにメッセージがあった。ファンタムレディからだ……」
そう言ったトモが提示した画面にあったメッセージはURLがあるだけだった。
「接続しろということかな」
トモが言う。
「だろうな」
ジュンが答える。
「大丈夫なん? あの女めっちゃ怪しいやん」
チアキがいう。
トモ以外は誰も会っておらず、その姿も知らない。みんなは合成音声で会話しただけだったが、トモの話からそれは「女」ということになっている。
「そうだな、パソコンは危ないと聞いている」
ケンジが真顔で答える。
「よし、アクセスした」
ジュンがあっさりと言う。PCでURLを入力していたようだ。
「え? どうやって?」
ユウキャンが驚く。URLなんてハイパーリンクかコピペする以外にない代物だ。わざわざ手入力するやつなんていない。いや、いたとしてもあの一瞬、画面を見て覚えられるわけがない。
「さ、何が出るかな」
ユウキャンの疑問は誰もがもっていたが、関心はすでにジュンのPC画面に移っていた。
sound only
またしても、真っ暗な画面にそれだけの表示。
「ファンタムレディか!?」
トモが叫ぶ。
《そ、そうよ……。その呼び方、確定なの?》
「なら、正体をあらわせ!!」
《言われて答えるやつなんてっ!!……いや、いや、いや、なんでそうなるのかな!》
トモの詰問に謎の女〈ファンタムレディ〉はあからさまに動揺しているように見えた。たぶん、全員に。
《……ちょっとね、そういうのに付き合ってあげられないの。今日はあなたたちに提案があるのよ》
「お前は敵なのか味方なのか!!!」
トモがまた叫ぶ。
「うん。トモ、それ意味ないからやめない?」
ジュンが言う。
「だがしかし!!!」
トモは興奮している。そしてユウキャンがトモの身柄を確保して、モニターから遠ざけた。
《ありがとう。助かるわ》
「で? 今回のアクセスはどんな用だ? 提案って言ったな?」
《ええ。あなたたちはアユカワヒメを8月15日の遺産相続まで守ること。道源組、それから御柱会とつながっている浦田とね》
「ああ、そういうことであるというのは、あんたの話だけだが」
《最初の誘拐事件でウラは取れているんじゃない?》
「まあ、可能性は捨てきれないから、いちおうあんたの指示に従っておく」
《賢明ね。今回は私の言うことを聞いてくれたあなたたちに、もうひとつミッションをあげたいの》
「なんか体よく使おうとしてんじゃねーか」
ユウキャンが口を挟むが、ジュンはそれを制する。
「俺たちはお使いじゃない」
《わかっている。どちらかというと私のほうがあなたたちのお手伝いだわ》
「どういう意味だ?」
《12年前、あるジャーナリストが殺された。その人はあなた……純田零、あなたが慕っていた人物ね?》
「……」
ジュンはあえて返答しない。
しかし、その話が初耳のメンバーは一斉にジュンに注目する。ケンジ以外は。
《そこに世間には出ていない〈ウラ〉があったのは、ご存知よね?》
「……」
《いまなら真実が暴き出せるかもしれない。そう言ったら、あなた興味が出るかしら?」
「やめろ!!」
ケンジが割って入る。が、なぜそんなに感情的になったのかは一同にはわからない。
《これはね、そこにいる元カーディラーさんと元IT社長さんにも関係あるのよ》
「どういうことだ!? なぜお前は私たちのことを知っている!! なんでもお見通しキャラなのか!?》
トモが叫ぶ。
《私は、知っていることは知っているし、知らないことは知らないわ》
「それは◯物語のセリフだ!!」
トモは机を叩いた。
一同は沈黙した。
みな何かを考え込んでしまったようだ。
《だからね。あなたたち、運命共同体なの。というか、運命に導かれたのよ、きっと》
「信用はできない」
《かまわないわ。もし興味がわいたら、沖縄に向かってちょうだい。トゥルーエンドを迎えたいなら》
「沖縄だと。なぜだ? 何があるというんだ!」
《もし向かうならその時にあらためて。強制はしない。気が向いたら、でかまわないわ》
そういってファンタム・レディの通信は切れた。
「あー、どうする? 逆に沖縄やめとく?」
ついさっきまで沖縄旅行のルートを調べていたユウキャンがつぶやいた。




